史跡コミュの野田の醤油発祥地

　千葉県野田市野田688-10

　1971年01月27日、野田市が史跡に指定。

　野田で醤油作りが始まったのは、伝承によれば永禄年間(1558～70)に飯田市郎兵衛の先祖が甲斐武田氏に溜(豆油)醤油を納め、川中島御用溜醤油と称したのが最初だと伝えられているため、旧飯田家の工場跡(亀屋蔵)に記念碑が残されています。
　しかし、近世の野田の醤油が商品化され始めるのは、寛文元(1661)年に髙梨兵左衛門が醤油醸造を開始してからと考えられます。
　その後、18世紀に入ると生産が飛曜的に増大し、それまで海路を菱垣廻船や樽回船によって大量に運び込まれていた関西醤油にとって代わり、江戸市中の需要を賄う程になりました。
　19世紀中期には、髙梨兵左衛門家と茂木佐平治家の醤油が、幕府両丸(本丸・西丸)御用醤油にもなっています。
　明治期に入ってからは、高梨・茂木両家による醤油醸造は日を追って盛大となり、明治20(1887)年には野田醤油醸造組合を結成、明治32(1899)年の野田人車鉄道の設立、明治33(1900)年の野田商誘銀行の設立、明治44(1911)年の千葉県営鉄道の開通、大正３(1914)年の野田病院の設立、大正12(1923)年の水道施設の敷設等、資力を活用して地域社会の発展にも寄与しました。
　第一次世界大戦(1914～18)による大戦景気の際は醤油業界もまた好況に恵まれ、大正６(1917)年には、茂木一族と髙梨一族の八家合同による野田醤油株式会社が誕生、昭和39(1964)年にキッコーマン醤油株式会社、昭和55(1980)年にキッコーマン株式会社へと改名しました。
　その他の醤油業者も天保元(1830)年創業の現在のキノエネ醤油株式会社以下、順調に発展して行きました。
　石碑は本町通りから少し奥まった所に立てられています。