史跡コミュの松前藩主松前家墓所

　北海道松前郡松前町字松城307

　1981年11月21日指定　

　福山(松前)城の北に続く寺町の一角にある曹洞宗大洞山法幢(ﾎｳﾄﾞｳ)寺境内の北東隅にある。墓所は大きく二つの区画に分ける事が出来る。
　一つは法憧寺本堂寄りの一区画で、西端に南面する正門を設けた東西に長いほぼ長方形をなしている。背後の一段高い所に始祖蠣崎(武田)信広・２代光広・３代義広・４代季広合葬墓、信広の養父蠣崎季繁(ｶｷｻﾞｷｽｴｼｹﾞ)以下の墓、５代松前慶広墓等５基の墓を配し、その前面に７代公広(ｷﾝﾋﾛ)・８代氏広・９代高広・10代矩広(ﾉﾘﾋﾛ)・11代邦広・12代資広・13代道広・14代幸広・16代昌広・17代崇広(ﾀｶﾋﾛ)・18代徳広(ﾉﾘﾋﾛ)・19代修広(ﾅｶﾞﾋﾛ)子爵を始め、その室や直子等の墓36基と２基の燈籠がほぼ□の字形に並んでいて、この墓所の主区画をなしている。
　他の一区画は、主区画の東に接する南北に長いほぼ長方形をなし、南端に裏門を開いており、６代盛広・15代良広等の墓を正面に据えて、墓石数は12基を数える。二区画共石段を造り、通路には切石を敷きつめている。
　墓は殆んどが五輪塔形式で、小は約70㎝、大は約140㎝程度である。石造の屋形風覆屋に納められているが、新しい物は、角石塔型・竿石柱型である。墓石は、古い物は青色を帯びた凝灰岩(ｷﾞｮｳｶｲｶﾞﾝ)であるが、新しい物は淡黒色の砂岩、又は花崗岩が用いられている。覆屋には木扉が造られ、扉・四壁には、経文等が彫刻されているが、扉は失われたものもある。埋葬形式は多くは仏式の土葬であったらしいが、廃仏毀釈の渦中だった明治元(1868)年に没した18代徳広からは神式に変っている。
　この墓所が造られた年代は明らかでないが、慶長11(1606)年に福山館が完成し、元和５(1619)年に大館の町及び寺町を福山館周辺に移したという記録がある事や、７代公広(1598～1641)の墓が主区画の中心を成していることを考えると、公広の時代と考えるのが妥当と思われる。
　蠣崎季繁等の墓１基、初代武田信広以下４代までの合葬墓１基は、寛政３(1791)年、藩の史家松前広長が建白して追諡(ﾂｲｼ)建碑した物であり、また５代松前慶広の墓は、公広以下の藩主の墓に較べて粗末であり、覆屋もない事から考え、墓所建設後移されたものと思われ、６代盛広の墓も、墓石から見て後世移された物と推定される。
　なお、法憧寺本堂南西には、松前家の御霊屋があり、その中には歴代藩主等の位牌がおさめられている。位牌は30～40㎝である。
　史跡指定地は法憧寺境内全体である。

◎城下町松前
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＊大館跡
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＊松前氏城跡
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コメント(6)

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[1] mixiユーザー 08月18日 20:26

７月31日水曜日に行って来ました。

法幢寺です。
左；山門
中；本堂
右；御霊屋

[2] mixiユーザー 08月18日 20:29

墓所です。

[3] mixiユーザー 08月18日 20:36

【左】
　左；第６代盛広(1571～1608)　慶長５(1600)年に家督を相続しましたが、徳川家康は父親の慶広を当主と認定しており、父に先立ってしまったため、藩主として公認されていません。大館城下から墓が移されたようです。
　中；第14代次男見広(ﾁｶﾋﾛ；1805～27)　第９代藩主章広の嫡男だったが早逝　
　右；第15代(10代藩主)良広(1823～39)　見広の長男

【右】
　左；第９代(第４代藩主)高広(1643～1665)
　中；第８代(第３代藩主)氏広(1622～1648)
　右；第７代(第２代藩主)公広(1598～1641)