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ヨーロッパ映画レビューコミュの第四回MOVERN CALLAR(2002)

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監督Lynne Ramsey
撮影Alwin H. Kuchler

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

今年第一弾として今回はイギリス映画界がもっとも期待する若手映画監督ナンバーワンLynne Ramseyの作品の紹介です。彼女は我がロンドンフィルムスクールのライバル校、ナショナルフィルムアンドTVスクール出身です。1995年に卒業するや否や短編映画「Kill the day」を撮るとそれがBest European Film Festival でグランプリを受賞。2作目の短編映画「Small Death」ではカンヌのJury Prize、3作目の短編映画「Gasman」ではBAFTA、カンヌと立て続けにとった後遂にデビュー長編映画「RATCATCHER」を1997年に撮影。この映画がイギリス国内外の映画祭で実に11もの賞を受賞(この映画については後日改めて紹介させていただきます)。
今をときめくイギリス期待の星なのです。日本では恐らくまだ知名度も低いと思いますがこの監督、要チェック人物です。

お話は主人公のモーヴァンがキッチンで自殺した彼の姿を発見するところから始まります。タダひたすら点滅する場違いなクリスマスツリーの隣で横たわっている彼。隣には何が起こったのかまだ受け止める事ができず呆然と座っているモーヴァン。コンピューターの画面には彼の遺書と彼女の為に書いた小説。
モーヴァンはその死体をどうする訳でもなく友達と夜の街に消えていく。酒とドラックで現実を忘れようとするモーヴァン。しかし部屋に戻ってきてフロアーにへばりついている彼の死体を見る度に現実世界に引き戻される。
“僕の小説を出版社に送ってくれ。君のために書いた”という彼の遺書を読み返すと、どういうわけか自分の名前に作者を書き換え出版社に送り彼の貯金で親友とスペインの旅に出かける…

彼女の映画は短篇も含め5作品全て見ました。どの作品も彼女のセンスが光る秀作ぞろいです。彼女の作品全てに共通するテーマは闇。心の闇。その中でもこの映画は特にストーリという点ではその闇に更に闇をかけた作品です。映像畑出身の彼女は言葉で映画の部位補強をする事を嫌い、フレーム構図に収まっている全ての要素でそれを語ろうとするため、シンボリックな暗示や暗喩を果たしてどれだけの人が性格に理解できているのかとても疑問に残りました。
彼がなぜ死んでしまったのかという点や死んだ恋人と親友との間を揺れ動くモーヴァンの気持ちをどれだけの人が理解できたか?これは個人差もありますしあんまり気にする事も実際必要ないです。分らないという事は作り手にも原因があるからです。この間読んだ批評の中で特に印象に残った批評があるのでチョッと抜粋したいと思います。

「私にとっては、映像がおしゃれで奇麗なだけの映画。
恋人の自殺とか、傷心旅行とか、新しい人生とか、感動しそうなテーマはたくさんあるのですが、全然感動しません。 だって主人公が何を考えてるか全然わからないのだもの・・・(中略)モーヴァンの気持が手に取るように解るって人は、きっと大感動するでしょう。 でもそんな人いるの?ただお洒落な雰囲気を楽しむだけの映画なのかな。
それだけだったら、雑誌やミュージック・ビデオを観た方がマシ。」

僕自身は彼女の作品は全て好きです。特にRATCATCHERはもうほんと悔しいっと思ったくらい自分が確立したいと思っているスタイルにとても近いものがありました。

そんな数多くの評価を受けてきたラムジーですがこの作品だけは批評が後を絶ちませんでした。でも僕は次作品も必ず見ます。なぜならこの監督が持つ才能はやはり只者ではないから。

映画作りって本当に難しいもんですね。



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