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RPGを書こうコミュの西の果 序章 全ての始まり

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15年前、━━━━━セルット村━━━━━
その日は朝から晩まで雨が降っていて時折雷鳴が木霊していた。
そんな夜に、小さな一軒屋で、2つの産声があがった。
1人は男の子で、もう1人は女の子。
男の子はライと名づけられ、女の子はレイと名づけられた。
村で唯一の子供だったライとレイは大変可愛いがられ、村人達は我が子のように成長を見守った。

それから15年経ち、2人の少年少女は見ちがえるほど立派に育っていた。
レイは茶と金の混じった色の髪、瞳の色は濃いめの茶色をしていた
一方、レイは濃い青色の髪で、黒い瞳。双子といっても「似ているね」と言われたことはあまりない。唯一似ているところといえば、好奇心旺盛なところだけ。
元気いっぱいなのは悪いことではないが、この2人は元気があり過ぎて困るほど。
ほら、今日も・・・。


「コラ、待て夕飯のおかずっ!」
村外れにある森で、ナイフ片手に夕飯のおかず 否 イノシシを追いかけている少年ライ。
「やっぱりイノシシは鍋だよね、鍋!」
その後ろから、まだ捕まえてもいないのに、もう夕飯のおいしそうなイノシシ鍋を想像して幸せそうな顔をしながら走っている少女レイ。
「レイ、喋ってないで協力しろよ!」
レイの方を振り向きながら早口で言う。
「はいはい...って、ライが危ないっ!!」
「へ?」
どんっ
後ろを振り向いたのが運のツキ。
見事ライは立ちはばかった木に後頭部を打ち付けてしまった。
「いたたた...。」
ぶつけた箇所を両手で押さえ、うずくまっているライを心配するようにしてレイはライの顔を覗き込みながら隣にしゃがみこんだ。
「大...丈夫?」
恐る恐る聞いてみるレイ。
「ゆ...ゆ...」
「ゆ?」
「夕飯のおかずがぁ〜っ!!」
「・・・。」

コメント(1)

返ってくるだろう思っていた返事とあまりにもかけ離れていたので緊張が一気に緩んでしまった。
「...そうね、夕飯のおかずが減っちゃった」
両手でお手上げのポーズをしながらわざとらしく言う。
「どうしよう...母さんに怒られる...。」
「私は関係ないわよ?ライが勝手に木にぶつかったんだから。」
ただでさえ、得物を逃がしてしまい落胆しているというのに、さらにレイからのきつい一言。こうなるとライも黙ってはいない。
「関係ない分けないだろ!?お前が後ろで、つまらないことを喋っていたのが悪いんだ!」
「つまらなくなんかないわよっ!それよりも前見て走らないからこんなことになるんでしょ!?」
「いーや、お前が悪い!」
「いーえ、ライが悪い!」


こうなると、誰も手がつけられない。
2人は、しばらくの間にあきもせず、いがみ合っていた。
「ライのばーか!」
「アーホ!」
「マヌケ!」
「お前の母ちゃんデーベソッ!」
「...母さん一緒じゃない。」
「...。」
言ってはいけないことを言ってしまったようで2人とも黙り込んでしまった、その時。
 
            草カ草 草 草 草 草 草 草
              草サ草 草 草 草 草 草 草
         木 草カ草 草 草 草 草 草 草
              草サ草 草 草 草 草 草 草
             草カ草 草 草 草 草 草 草
            丸丸丸草 草 草 草 草 草 草
近くにあった草むらが何やらカサカサと音をたて、2人を驚かせた。
2人はビクッと肩を震わせ、物音のした方を向いて固まっている。
その瞬間、2人の頭上を1つの影が通り越した。
あわててその影を目で追うと何やら見覚えのある物体。
黒っぽい茶色の体、丸々と太った胴体に足が4本。あのイノシシだった。
「あっ、夕飯のおかず!」
その物体を確認したライが、勢いよく立ち上がり、キリッとした目つきでイノシシの走り去っていった方を見すえた。
そして、ライがイノシシを捕まえようと右足を蹴りだした瞬間、ライの右隣を風が通りすぎた。
レイモその風を感じ、ライと同じ方向を向くと、2人の目に驚く光景が写った。
『父さん!』
2人の声が綺麗に重なり、辺りに響いた。
父さんと呼ばれた人物は、その言葉に1度も振り返らず、イノシシと同じ方向へ走り去っ
ていく。
その姿を見送った2人も無意識のうちにその後を追っていった。


―――――――――――――――――
もう、どうれくらい走っただろうか。まだ道の両側には背の高い大木が列をなして生え並んでいた。
もう少し行くと、その先に開けた所がある。2人が住んでいるセルット村だ。
きっと村に父さんがいると確信し、2人は走るスピードを上げた。

ついに林を抜け、セルット村に走りついた2人。かなりのスピードで走ってきたため2人の息遣いは荒く、額やこめかみには汗がうかんでいた。
乱れた息を正常に戻しながら、ライが呟いた。
「父さんと...夕飯の...おかずは?」
2人は辺りを見わたし、目を凝らす。すると、何やら遠くの方で人が集まっているらしく、人だかりができていた。耳を澄ませば、声も聞こえてくる。
「父さん、あそこにいるんじゃない?」
レイがその人だかりに目をやりながら、ライに意見を求める。
「...そうみたいだな。」
ライもその人だかりを見つめる。
「よし、行ってみるか。」
ライの言葉にレイが短く賛成の返事をし、その人だかりの法へ歩き始めた。
そこまで、あと少しという所で、人だかりの1人が2人に気づき声をかける。
「おーい、ライ、レイ。ずいぶん遅かったなぁ、得物はどうした?」
「あ、道具屋の小父さん!それが得物は父さんが...。あ、そうそう。そこに父さんいる?ってか、何やってんだ?」
「あぁ?トラリスの旦那かい?ここには、いないよ。ここにいるのは吟遊詩人さんだよ」
『吟遊詩人?』
聞きなれない言葉に2人とも頭に疑問符を浮かべている。
「まぁ、説明するよりこっちに来て見た方が早いな。」
そう言われ、その場所へ足を進める。
人だかりをかきわけ、その中心が見える位置まで移動し、中心にいた人物に目を見張った。
綺麗な銀色に輝く長い髪、色素の濃い青色の瞳。顔立ちは整っていて、不思議な雰囲気を持つ女性だった。
「綺麗な人...。」
その容姿に思わず感嘆の言葉がレイの口からこぼれた。

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