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税務のイロハコミュの北海道旭川市の杉尾正明さん(70)が、

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北海道旭川市の杉尾正明さん(70)が、
国民健康保険料の徴収方法を違憲だとして、弁護士を立てずに(本人訴訟)自ら提訴した行政訴訟。たった一人で最高裁大法廷の違憲判決を導き出したという点で、裁判史上歴史に残る快挙とされた(毎日新聞 H18/3/3 社説)。

 判示のなかで、「国民健康保険料(国民健康保険法76条)」は「租税ではないから憲法84条は直接には適用されない」としながらも、「国民健康保険税(地方税法703条の4第1項)」は「形式が税であるため、84条が適用される」と判示しているのは、留意すべき点であろう。

「特別の給付に対する反対給付としてではなく」課するものは、「形式のいかんにかかわらず」租税に該当する。 …但し、反対給付の性質を有するものは、保険料か保険税かといった「形式」によって租税に該当するか否かが判断されるということだろう。

実態は、全国市町村の約9割が、国民健康保険「料」としてではなく、国民健康保険「税」として賦課・徴収している。しかし旭川市は、めずらしく「料」として賦課していた。




(論点)

国民健康保険の保険料率を条例に定めず、これを告示に委任することは、租税法律主義を定める憲法84条に違反するか

(判旨)

国等(地方公共団体を含む)が、課税権に基づき、国費調達目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてではなく、一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法84条に規定する租税に当たるというべきである。

国民健康保険料は、これと異なり、保険給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるものである。

旭川市は国民健康保険事業に要する経費の約3分の2を公的資金によって賄っているが、これによって、保険料と保険給付を受け得る地位とのけん連性が断ち切られるものではない。

また、国民健康保険が強制加入とされ、保険料が強制徴収されるのは、社会保険としての目的及び性質に由来するものというべきである。

したがって、国民健康保険料に憲法84条の規定が直接に適用されることはないというべきである。

(国民健康保険税は、地方税法第704条第1項に定める通り目的税であって、保険給付の反対給付として徴収されるものであるが、形式が税である以上は、憲法84条の規定が適用されることとなる。)

もっとも、憲法84条は、課税要件及び租税の賦課徴収の手続が法律で明確に定められるべきことを規定するものであり、直接的には、租税について法律による規律の在り方を定めるものであるが、同条は、国民に対して義務を課し又は権利を制限するには法律の根拠を要するという法原則(租税法律主義)を租税について厳格化した形で明文化したものというべきである。

したがって、国等が賦課徴収する租税以外の公課であっても、その性質に応じて、法律又は条例によって適正な規律がされるべきものと解すべきであり、憲法84条に規定する租税ではないという理由だけから、そのすべてが租税法律主義の埒外にあると判断することは相当ではない。

そして、租税以外の公課であっても、賦課徴収の強制の度合い等の点において租税に類似する性質を有するものについては、憲法84条の趣旨が及ぶと解すべきであるが、その場合であっても、租税以外の公課は、租税とその性質が共通する点や異なる点があり、また、賦課徴収の目的に応じて多種多様であるから、賦課要件が法律又は条例にどの程度明確に定められるべきかなどその規律の在り方については、その公課の性質、賦課徴収の目的、その強制の度合い等を総合考慮して判断すべきものである。

市町村が行う国民健康保険は、保険料を徴収する方式のものであっても、強制加入とされ、保険料が強制徴収され、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質のものであるから、これについても憲法84条の趣旨が及ぶと解すべきであるが、他方において、保険料の使途は、国民健康保険事業に要する費用に限定されているのであって、国民健康保険法81条の委任に基づき条例において賦課要件がどの程度明確に定められるべきかは、賦課徴収の強制の度合いのほか、社会保険としての国民健康保険の目的、特質等をも総合考慮して判断する必要がある。

(本件へのあてはめについては省略)

(裁判官滝井繁男の補足意見)

国民健康保険は、強制加入制であり、その保険料は強制徴収されることとなっている。のみならず、国民健康保険法はこの保険事業に要する費用を国民健康保険税として徴収することも選択的に許容している。その際の税率及び税額の決定方法や徴収する範囲が保険料として徴収する場合と近似したものとなっているため、保険料を支払う者に租税と同じ負担感を与えていることは否定することができない。

(資料)

旭川国保訴訟事件 平成7(行ウ)1 平成10年4月21日 旭川地裁

同 控訴審 平成10(行コ)8 平成11年12月21日 札幌高裁

同 上告審 平成12(行ツ)62 平成18年3月1日 最高裁大法廷 行集第60巻2号587頁

http://hanrei.blog.shinobi.jp/Entry/11/

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