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新作!リベレーター コミュの第二章 序章

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フードの男は荒々しく室内に入ってきた。白いスーツの男はそれを面白そうに見つめていた。


「いやぁ……実に楽しいショーだったよ。特にクライマックスなど最高だね」


 スーツの男はフードの男の感情を逆撫でした。フードの男はスーツの男をきつく睨むが、何も言わない。高級な香りのする椅子に腰掛けると、フードの男は普段の調子で話し出す。


「今回はしてやられた……あの時、君と同じように代理人を立てておけばよかったな」


 その言葉にスーツの男は大声で笑った。


「まあ、奴らがこちらの足取りを掴むまで時間はあるさ。それまでに何か面白い舞台を見せてくれないかなぁ……?」


 スーツの男は肩をすくめて言った、フードの男を試しているらしい。


「……『シュバルツ』はどうしている?」


 スーツの男の問いに答えずフードの男は問い返した。


「ああ、彼なら本筋の計画を進めているよ。近いうちに僕らにも声がかかるのではないかな?」


 そう言いながら、内ポケットに入れてあった手帳を取り出し中身を確認している。フードの男はため息を吐いた。


「ため息なんて珍しいね、『アジュール』……ネタが尽きたのかな?」


 スーツの男はフードの男を名前で呼んだ。アジュールと呼ばれたフードの男は不快そうな表情を見せた。


「君は人を虚仮にするのが好きだね……『ヴァイス』」


 スーツの男は相変わらず、からかうような笑みを浮かべたままだった。


「そこは僕の性ということで諦めてくれ」


 ヴァイスは皮肉めいた笑みをアジュールに見せ付ける。見せられたアジュールはさらに眉をひそめた。


「ああ、そう言えば君に頼まれていた件。調べておいたよ」


 今までの会話をリセットし、ヴァイスはそう切り出した。


「どうやら、『東方の軍神』を仕留めたのはノルン守護騎士団の人間のようだ……ベルネーア東方の都市、ガンダリン出身の『風』使い……ふむ、そこからの情報は抹消されているな。何故だろう?」


 手元に持った手帳を見ながら報告するヴァイスの言葉の後半に、アジュールは敏感に反応した。


「その人物の名は……トキオというのではないか?」


 そう言うアジュールの瞳には期待に満ちた輝きを放っていた。ヴァイスは少し意外そうな顔で返答を返す。


「よく分かったね……確かに、トキオ・ゲッシュファルトという名だ」


 そう聞いた途端、アジュールの口元が不気味に歪んだ。ヴァイスはその表情を見て呆気にとられていた。


「ククク……そうか、あの男か……」


 ヴァイスの頭には疑問符が浮かぶばかりだったが、次の瞬間にはそれが嫌悪に変わった。


「あっははははは! そうか、ついにこの国に戻ったのか!」


 何が面白いのか、アジュールは大声で笑っている。ヴァイスはため息を吐いてかぶりを振った。


 まったく……この手合いには手を焼くな……ヴァイスは心ながらにそう思った。

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