秘密のバイト大作戦。コミュの【チーム黒船　第7話】～役者はそろった～

作：Emilta@めろんぱなさん

「今度のバイトはねぇ、海外からのお客様相手なんだけど・・・ケンシロウ君なら大丈夫だから」

外国人が相手・・・
正直、これまでニューヨークやら沖縄やらフランス、オーストラリアなどあちこちとばされてきたんだから、今更驚くこともなかったけど。
今度はどこの国なんだ？

「日本から遠～い、ナモミオー国っていう小さな国からくるんだけど」

ナモミオー国？聞いたことねぇ！
そもそもなんで日本に？

「まぁ、詳しくはやればわかるから。バイト代プラス、うまくいったら報酬でハワイペア旅行もついてくるから。よろピクミン♪」

相変わらずのどじょうヒゲのむちゃブリにイラだつ反面、やっぱりハワイ旅行は行きたいよなぁ～と、浮かれる気分は隠せなかった。

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3日後。

どじょうヒゲの奴に指定された場所に行くと、そこは都内にあるビルのロビーの一室だった。

「よぉ北斗！」

スーツ姿のナメヌマンが近づいてきた。
白いＹシャツに透けているのはあの真っ赤なくるぶしＴシャツだろうか。胸にはマギーと書かれたピンバッチ。あれ？マギーの他に女もう１人いなかったっけ。

「・・・ブレンダのこと？まぁ、女ってのは気難しいからな」

わかったようなことをいってるけど、どうせふられたんだろ！

さて今回の依頼の詳細を聞くと、どうやら今日笑いかけるのは、ナモミオー国から来た親善大使、ユリーアさんという女性との事。

小さな民族だけれど、今後の国の発展の為、今回の来日はナモミオー国にとっても日本にとっても大きな意味があるらしく。

ただ、このユリーアさん、数年前にご主人を亡くして以来、慣れない土地に行くと突然泣き出したりと、まだ情緒不安定な部分があるらしい。

今回の来日を成功させるため、笑い屋を雇ったとの事なんだが、なんだかおかしな話だ。

そんなに不安定なら、別の人が来日してくればいいのに・・・

「これだから、ゆとり教育世代は」

ゲッ！どじょうの奴、いつの間に！

相変わらずのラメったスーツに、今日は首元に赤紫色の蝶ネクタイなんかしてやがる。

「今回は、ケンシロウ君だけでなく、ナメヌマ君や荒野君といった数人で頑張ってもらいたいんだよね。まぁ、女心とはうつろいやすく難しいものだけど、君たちなら大丈夫だろう。でも、失敗はゆるされないからね♪」

「このおれさまと力比べしようとはたわけた小僧だぜ」

ゲゲッ！今度はだれだ？！

「あ、荒野く～ん！待ってたよ。こちら、北斗君。今回一緒に頑張ってもらうんだけど。北斗君もなかなかの逸材なんだけどね」

どじょうヒゲがそういって紹介してくれたのが、今回一緒に働く荒野という男。

遅れてきたくせに随分態度のでかい奴。
ギラついたするどい目線。笑い屋のくせにこいつの笑顔は想像できないぞ？！

どうやらナメヌマ先輩とほぼ同期らしい。

「おれはいろんなバイトを掛け持ちして毎日修行を重ねているけどな、荒野は笑い屋専門で結構ながいもんな」

ナメヌマンがいう。

「まぁ、ハワイ旅行かけて頑張ってチョ♪

おっと、そろそろ時間だ・・・」

どじょうはヒゲをビョ～ンとはじき、蝶ネクタイを引っ張りながら首を左右にコキコキならした。