タイトル通り、Crime scene(犯行現場)を銀行強盗専門のFBIの調査官、Adam Frawleyが検証します。FrawleyはFBIの人間ですが、ボストン警察のDean Drysler(Dino)と協力しあい捜査を進めます。ボストンは人口当たりの銀行強盗や現金輸送車襲撃が全米で最も高く、それゆえにthe Boston Bank Robbery Task Force (BRTF)なーんていう強盗専門のタスクフォースも結成されていることがここで紹介されています。ボストンでそんなに銀行強盗が多発していたとは(この物語は1996年が舞台ですが)、意外でした。また、この章では、銀行強盗がどの様に行われたのかが、人質として連れ去られていたクレアの口からも明らかにされます。ここで、クレアがDougがほかのangryな輩とはどこか違っていたことを語っているところが後の伏線となります。
この章に何回かthe Gという語がでてきます。The cops and the G, maybe they think they know something.... とか、the G is all over his(Fergies's) shop, that is guaran-fucking-teed(←これ、笑えますね)とか。
冒頭、Dougは考え事をする時に来るという場所、自分が幼い頃に住んでいた家の前で、クレアのことを考えます。強盗後に車で逃走中、目隠しをされダグの隣に座っていた彼女のことをlike a statue of a blindfolded woman cryingと形容しています。きっと、壊れてしまいそうな脆さと、それでいてどこか毅然としたところを持ち合わせた彼女の、瞳の見えない横顔に、知らず知らずのうちに惹かれていったんだろうなぁ・・・と思います。
4人は、強盗で得たお金を足がつかないようにお金を「洗いに」カジノにでかけますが、その帰りに食事をしているシーンが印象的です。用を足しに席をたったダグが、席に戻ってくるところで、ダグは客観的な視点で自分達のグループを見ます。そして、そんな彼らの中にいる自分の人生を the glamorous life of the outlaw; the majesty of being the prince of these thieves と、皮肉混じりに形容しています。このthe prince of these thievesは、小説のタイトルですが、これより少し前のシーンで、クリスタから "(酒や薬をやめた今は)so, what's your high now? Just banks? Being the price of these thieves?"と言われています。
13章、Dougは、クレアとの初デートの場所に、よりにもよって、Tapを選んでしまいます。クレアを待ちながら激しくそれを後悔して、時間になってもクレアがこないから「もう帰ろう」「あとちょっと待ったら帰ろう」と、待つこと30分。あー、こういう待ち合わせって、携帯のない時代にしたなぁ・・・って、なつかしく思いました。1996年当時、アメリカではまだ携帯は一般的なものではなかったんですね。さて、Tapを後にした二人は、バンカーヒルで夜景を観ながら語り合います。その合間にも、Dougはjust one date, これで終わりだ、あとは彼女をそっとしておく・・・と、自分に何度もいい聞かせます。このDougの葛藤が、わかるだけに切ないです〜。最後、別れるシーンで、クレアが何気なく、Good night, Dougといいます。それにDougが、Wow. Hey, could you say that for me again?"と返します。それくらい、嬉しかったんですね、Doug…
14章、DougがDezの家を訪れます。Dezの母親はDougに対しては好意的ですが、Jemやクリスタら、Coughlin一家に対してとても批判的。「あんな家で育てられて、どうしてそんな風(=そんなまとも)になれたのか、不思議だよ」というようなことも言われます。一方、Dougの父親に関しても、ちょっと話がでてきますね。Jemが彼をvisitした、と。どこに?
Dezは、Doug達の中でも少々毛色がかわっているみたいです。ガキの頃はいっしょにつるんでいたけれど、途中でdrift awayした、と。そして大学もでたし、ちゃんとした仕事も持っているし(大手電話会社のケーブル作業員)。
Dougが、Dezにインターネットの使い方を教えてもらっています。当時(1996年)もうアメリカでは大学を中心にネットは少しずつ普及してきていた時期です。私は1994-5年をアメリカで過ごしましたが、大学に入ると、アドレスをもらい、ネット接続することができました。個人でパソコンを持っていたヒトは、まだまだ少なかったですね。
さて、その最中、DezはMa(自分の母)が、なぜJemのことを嫌っているのか、Dougに話します。
"All these years, Jem's been inside my house exactly once, okay? ... Not ten minutes total, he's here - and he takes the biggest fucking smash of his life."
smashって、どういう意味?と思って辞書をひいたけれど、それらしい語は載っておらず・・・。続きを読んだら分かりました。
"Doesn't even flush, just leaves it there. Kid has no respct." おおー、そういうことですか。トイレで大して流さなかった、ってことですね。大は大でも特大! No. 2 と言うのは知ってましたけど、smash っていうのは知りませんでした。