東海道本線沿線観光コミュの三井寺

　正しくは天台寺門宗総本山長等山園城寺(ﾅｶﾞﾗｻﾝｵﾝｼﾞｮｳｼﾞ)。
　680年頃、弘文天皇(大友皇子)の皇子大友与多王が、壬申の乱で非業の死を遂げた父帝の菩提を弔うため、天智・天武・持統三帝の誕生井の地に寺院を建立したのが始まりとされる。
　三井寺の名は三帝誕生井に由来し、現在は1598年造営の重文閼伽井屋(ｱｶｲﾔ)に覆われて、ゴボゴボと大きな音をたてて岩組の間から清水が湧出している。
　859年、智証大師円珍が天台宗総本山比叡山延暦寺の別院に改めたが、やがて延暦寺では円仁の法統を継ぐ山門派と円珍の法統を継ぐ寺門派の抗争が起こり、双方共に僧兵を動員して激戦を展開した。
　田原山の大百足を退治した藤原秀郷が竜宮から持ち帰って奉納したとされる銅鐘を比叡山の荒法師武蔵坊弁慶が引き摺って持ち帰ろうとした際、鐘が「イノーイノー」と鳴ったため、怒って谷に突き落とし破れ鐘にしてしまったとの故事もその当時の事である。この弁慶の引摺鐘は重文に指定され、霊鐘堂内に安置されている。
　その後、再鋳された鐘は近江八景「三井の晩鐘」に数えられる名鐘として知られた。現在の鐘は1602年鋳造の三代目で、重文に指定されている。
　1599年に北政所が寄進した金堂、1347年に足利尊氏が寄進した新羅善神堂、1600年に毛利輝元が寄進した塔頭(ﾀｯﾁｭｳ)勧学院客殿、1601年山岡道阿弥建立の塔頭光浄院客殿が国宝に指定されており、大門・一切経蔵・三重塔・食堂(ｼﾞｷﾄﾞｳ)・毘沙門堂・鐘楼・唐院等多数の重文建造物もある。
　琵琶湖国定公園内。
　史跡・名勝に指定されている光浄院庭園については以下を参照。
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