東海道本線沿線観光コミュの矢橋帰帆島

　近江八景の一つ「矢橋(ﾔﾊﾞｾ)の帰帆」で知られる草津市南西部の矢橋港沖に水処理施設として造られた人工島。昭和57(1982)年完成。野球場・テニスコート・グランドゴルフ場などのスポーツ施設のほか、遊具や芝生のある広場などがあり、市民の憩いの場になっている。
　芭蕉の句碑「かくれけり　師走の湖(ｳﾐ)の　かいつぶり」も建つ。
　
　かつての東海道は琵琶湖南端にある瀬田唐橋を経由していたが、短縮ルートとしてここ矢橋から大津石場への5.6kmを舟で渡るコースがあり、東海道の支道である矢橋道が湖畔まで通じていた。従って、先を急ぐ者や金のある者は舟を利用したが、比良颪(ｵﾛｼ)の突風で舟が転覆する事故も多かったため、戦国時代の連歌師宗長(ｿｳﾁｮｳ；1448～1532)は「もののふの　矢橋の船は　速かれど　急がばまわれ　瀬田の長橋」との歌を残している。
　慶長５(1600)年の関ヶ原の合戦に勝利した徳川家康も矢橋から大津に渡り、入洛した。江戸時代に膳所(ｾﾞｾﾞ)藩領となると、矢橋港の整備が一層進められ、港町として殷賑を極めた。明治２(1869)年には蒸気船も就航するが、明治22(1889)年の東海道本線開通で廃港となった。
　矢橋港跡は、矢橋公園として整備され、港が栄えた当時の遺物は弘化３(1846)年銘の常夜灯だけだが、桟橋が復元されている。
　琵琶湖国定公園内。
　南草津駅よりバス矢橋帰帆島下車。

コメント(5)

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[1] mixiユーザー 08月19日 22:19

　17日に行って来ました。
　島の対岸にある鞭崎神社〔郷社〕です。聖母大神(ｼｮｳﾓｵｵｶﾐ)・住吉大神・高良(ｺｳﾗ)大神・応神天皇を祭り、奈良時代の右大臣大中臣清麻呂(ｵｵﾅｶﾄﾐﾉｷﾖﾏﾛ；702～788)が創建したと伝えられる古社です。建久元(1190)年、上洛途上の源頼朝が通りがかり、馬上から鞭で神社を指して社名を聞いたところから、鞭崎神社と呼ばれるようになりました。

左；一ノ鳥居
中；表門〔重要文化財〕旧膳所城南大手門
右；本殿