東海道本線沿線観光コミュの源内峠遺跡

　琵琶湖の南東部、大津市から草津市にかけて広がる標高130m～160m程の瀬田丘陵のほぼ中央付近に位置する製鉄遺跡。瀬田丘陵生産遺跡群の一環として国の史跡に指定されている。
　びわこ文化公園整備中に発見され、これまで行われた発掘調査の結果、長さ2.0m以上、幅0.2～0.3mの規模の製鉄炉が合計４基と、製鉄炉の一部からは鉄として利用される筈であった炉底塊(ﾛﾃｲｶｲ)と呼ばれる生成物が見つかっている。製鉄炉の周辺からは、部分的な調査にもかかわらず、15tを越える鉄滓(ﾃｯｻｲ)が出土しており、遺跡全体では50tを超える量になると推定され、繰り返し繰り返し、鉄を作り続けていた状況が想定される。また、原料となる様々な大きさの鉄鉱石も出土している。
　源内峠遺跡は、出土土器の年代から大津宮時代に生産の中心のある遺跡であることが判っており、瀬田丘陵には、この遺跡の他にも古代の生産遺跡が多数所在しているため、大津宮の造営や続く藤原京・平城京の造営と密接な関係があるためと考えられる。
　瀬田丘陵の近くには鉄鉱石の鉱床があり、さらに、製鉄に不可欠な燃料となる森林資源も豊富であった。また、瀬田川を使った水運により、たやすく製品を中央に運ぶ事が可能な立地上の特性から瀬田丘陵に多数の生産遺跡が造られたと考えられる。
　他地域の同時期の製鉄炉の大きさが0.5m×0.3m程度、鉄滓の量も１t程度である事と比較しても、この地域の製鉄が大規模国家事業として遂行されていた事が明らかである。

　瀬田駅からバス、文化ゾーン下車。

＊瀬田丘陵生産遺跡群
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＊びわこ文化公園
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