東海道本線沿線観光コミュの清洲城

　尾張・遠江・越前守護の斯波義重が応永年間(1394～1428)に造営した平山城。守護代織田氏が居城としていたが、応仁の乱で西軍に属していた斯波義廉(ﾖｼｶﾄﾞ)が、乱末期の1475年に都落ちして居城とした。
　やがて、同居中の守護代織田信友の専横に怒った守護斯波義統は、守護代配下の奉行であった那古野(ﾅｺﾞﾔ)城主織田信長に救援を求めたが、1554年、信友によって殺害されてしまった。
　このため、信長は、翌年、清洲城を攻略して信友を撃滅し、義統の子義銀(ﾖｼｶﾈ)を奉じて、那古野から居城を遷し、ここを改築した上で、拠点として尾張統一を成し遂げたのである。
　1567年に信長が岐阜城に本拠を遷すと、嫡男信忠が入城、1582年に信忠が信長と共に斃れると、その弟信雄(ﾉﾌﾞｶﾂ)が城主となり、尾張・伊勢両国を領した。この際、天守閣・小天守・三重の堀を持つ壮大な城郭に大改築された。
　1590年、信雄が改易されると、豊臣秀次の父三好吉房が10万石で城主となったが、1595年に秀次が自刃に追い込まれると吉房も改易され、福島正則が24万石で城主となった。
　1600年の関ヶ原の戦の際には東軍の最前線となり、諸将が岐阜城の西軍方織田秀信と対峙、戦後、正則が安芸広島に転封されると、徳川家康の四男松平忠吉が52万石で入封した。
　1607年に忠吉が嗣子無くして死去すると、家康の九男義直が53万9500石で入封したが、1610年に名古屋に居城を遷したため、清洲城は廃城となった。名古屋城の重要文化財清洲櫓は、清洲城天守閣の古材を用いて建設された物である。
　1886年に東海道本線、1964年に東海道新幹線が城跡中央部に建設されたため、城跡は南北に分断されたが、1989年、北側に天守閣や本丸御殿(芸能文化館)が復元され、南側は古城跡公園・清洲公園として整備、信長の銅像も建立されている。