東海道本線沿線観光コミュの離宮八幡宮

　祭神；応神天皇・酒解大神(ｻｶﾄｹﾉｵｵｶﾐ)・比売三神。旧府社。
　清和天皇〔位；858～876〕の命を受けた僧行教が、859年に九州の宇佐八幡宮から八幡神を勧進、嵯峨天皇〔位；809～823〕の離宮河陽宮(ｶﾔﾉﾐﾔ)の故地に創建。当社の社伝では淀川の対岸にある石清水八幡宮は当社から分祀されたとされる。
　創建直後に時の神官が神示を受けて「長木」という搾油器を発明して荏胡麻油(ｴｺﾞﾏｱﾌﾞﾗ)の製油を開始、当初は神社仏閣の燈明用油として奉納されていたが次第に全国にこの業が広まり、離宮八幡宮は朝廷より「油祖」の名を賜って山崎に「油座」を設けるに至った。この結果、諸国の油商人は当社から許状を授与されねば営業が出来なくなり、当社は油の販売権を独占して殷賑を極めた。
　しかし、織田信長の楽市楽座政策で油座は廃止され、さらに菜種油が大量生産されるようになるとこれに市場を奪われて、江戸時代の当社は衰退してしまったが、なお「西の日光」と称される豪華絢爛たる社殿を維持していた。
　ところが、1864年の禁門の変に際し、長州藩駐屯所となったため、幕府軍の猛砲撃によって社殿は高麗門と東門を遺して炎上してしまった。さらに1876年、東海道本線の京都ー神戸間開通により社地の大半がその用地と化した為、神領の規模が大幅に縮小されてしまった。
　その後、1879年になって崇敬者の寄進により社殿が再興され、1929年に改築されて今日に至る。現在でも全国の製油業者の信仰を集めている。
　油の独占を守る為の活動や、自治に関係する古文書が三百数十点保存されており、その多くが重要文化財に指定されている。また、東門は大阪府指定文化財、高麗門は大山崎町指定文化財となっている。
　山崎駅から徒歩3分。