東海道本線沿線観光コミュのお初天神

　正式には露天神社(ﾂﾕﾉﾃﾝｼﾞﾝｼｬ)。祭神；大国主神・菅原道真・少彦名命(ｽｸﾅﾋｺﾅﾉﾐｺﾄ)。
　社伝によると、上古、大阪湾に浮かぶ小島の一つであった地に住吉須牟地曽根ノ神を祀ったものとされ、難波八十島祭旧跡の一社である。曽根崎(古くは曽根洲と呼ばれた)の地名は、この神名によるとされている。創建年代は定かではないが、難波八十島祭が文徳天皇の嘉祥３(850)年にまで遡ることが出来、６世紀の欽明天皇の頃には形が整っていたとされることから、当社の起源もその頃と推察される。
　難波八十島祭とは、古代難波において王権の下に執り行われた最も古い祭とされ、奈良時代には即位儀礼の一環として、即位の翌年に天皇自ら難波の海辺に行幸し斎行されていたと考えられている。
　続いて、901年に菅原道真が大宰府へ配流の途中、近隣の高野山真言宗佳木山太融寺に参詣した際、「露とちる涙は袖に朽ちにけり　都のことを思ひ出づれば」との和歌を詠んだ事に因んで社名・祭神が改められた。
　1703年に平野屋の手代徳兵衛と遊女お初が心中した事件を近松門左衛門が『曽根崎心中』として発表して有名となり、以後、お初天神と俗称されるようになった。
　社殿は1945年の空襲で焼失したが、戦後、鉄筋コンクリート造で再建され、周辺には小規模な飲食店が立ち並んで、お初天神食堂街と呼ばれている。
　毎月第一金曜日には、蚤の市が開かれる。
　大阪駅から徒歩10分。曽根崎センター街の南口。