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生き残れ。〜災害に備えよう〜コミュの【想定04】地震・地下街

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この物語は、様々な災害に直面し、最悪の結果になって
しまった状況を想定したフィクションです。
登場人物は、災害の危機に対して、何か「正しくない」行動を
取ってしまっています。
どのように準備や行動をすれば災害から生き残れる可能性が
生まれたかを考えてみたいと思います。
何か気付かれましたら、コメントをお願いします。

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【想定04】
20××年 12月19日 午後6時19分
東京都渋谷区某所
大規模地下街
森本雪江 27歳 システムエンジニア

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雪江はこの地下街が好きだった。特に夕方のこの時間帯、
人込みにまぎれてどこを目指すともなくぶらぶら歩く
のを好んでいた。口の悪い友人に言わせれば、
「あんたはパソコンばかりいじって引きこもっていたから、
太陽が当たらない地下が落ち着くのよ。」
ということになる。しかしどう言われようと、ちょっと
リフレッシュしたいときなどは、ついこの街に足が向いて
しまう。お気に入りのスイーツ店があるのも大きな理由
なのだが。

いつもの階段を下りて地下街に入る。軒を並べる店の装飾は、
数日後に迫ったクリスマス一色だ。雪江は年末一杯まで仕事
に追われて、クリスマスどころではなくなりそうだが、
それでもカラフルな街並みは少しだけ心を浮き立たせてくれる。
雪江はいつもより込み合っている通路を、ゆっくりと歩いて
行った。

その時、通路のずっと奥の方 ―雪江にはそう感じられた―
から、ドーンという地鳴りが駆け抜けて来て、周りの空気を重く
震わせた。一瞬のち、地下街全体がビリビリと細かく振動し、
それがだんだん振幅を増していったかと思うと、突然猛烈な
横揺れが始まり、ほとんど同時に照明が消えた。
棚から商品が床にばら撒かれる音、ガラスが砕ける音に、
女の悲鳴が暗闇を満たした。

雪江は激しい横揺れに足を取られて転び、数秒の間
床に四つん這いになっていたが、通路の各所に取り付けられた
小さな非常灯が点灯し、非常口の場所を示す緑色のサインも
明かりが消えていないことに気付いた。

「早く地上に逃げなければ」
その考えだけが頭の中を支配した。まだ激しく揺れている床
に立ち上がろうとした時、ほとんど視界が利かない通路の
奥から、とてつもない人数が押し寄せて来る地響きと女の悲鳴、
男の怒号と絶叫が暗がりに響き渡った。通路の中央に立って
いた雪江は走って来ただれかにぶつかって通路の端まで跳ね飛ばされ、
壁に背中を激しく打ち付けて転がった。

自分の周りにいた数人は、そのまま群集に飲み込まれて踏み
潰された。その上に何人もが次々に圧し掛かり、その場で
何人もが押しつぶされ、息絶えた。
1分程が過ぎ、揺れが収まるにつれて、怒号と共にさらに多くの
群集が通路の奥の暗闇から黒い塊となって押し寄せて来た。皆、
狂ったように非常口の明かりを目指し、出口へ向けて殺到して行く。
雪江も意を決して群集の流れに飛び込み、地上への出口へ向けて
駆け出した。

非常口に近づくと、もうすぐ地上だという期待も手伝って、
群集は速度を上げて上り階段に殺到し、暗がりの中で何人もが
階段につまづいて転倒した。すぐに多くの人が折り重なったが、
後ろからの群集は人の山を踏みつけ、よじ登りって前へ進もう
とした。悲鳴も絶叫も制止する叫びも、もう誰の耳にも届いて
いなかった。雪江も狂ったように人の山を四つん這いに
なってよじ登った。地上へ。とにかく地上へ。

群集の先頭が地上へと続く最後の階段に差し掛かった
時、地上から地下街へ逃げ込もうとして階段を駆け下りて
来る人の群れと衝突した。地上では周辺のビルから大量の
看板やガラス片が容赦なく降り注ぎ、歩道上は引き裂かれた
人々が折り重なり、血の海になっていた。
逃げ場を失った群衆は、とにかく落下物を避けられる
地下街へ向かって殺到し始めたのだ。
二つの流れが衝突した階段では、たちまち数十人が圧死
して折り重なった。動きを止められた階段下では、我先に
脱出しようとする人々が動かない人の壁に掴みかかって
殴り合いをはじめ、倒れた人はすべての理不尽と恐怖の責任者
とばかりに踏みつけられ、すぐに絶命した。

雪江は階段を数段上がったところで行く手を阻まれた。
その時、後ろの方から、
「火事だ!」と叫ぶ声が聞こえ、群集がどよめいた。
それが事実なのか、すぐに逃げなければ危険なのかは判断の
しようが無かったが、それを聞いた群集は、自分が閉鎖
された地下街で焼き殺されたり、有毒ガスを吸って倒れる
想像におののき、力のある者はとにかく目の前の人の壁を
取り払おうと、手当たり次第に前の人につかみかかり、
階段を引きずり下ろし始めた。女性や老人、子供はなす術
もなく投げ飛ばされ、踏みつけられた。

雪江は後ろから襟首をつかまれて悲鳴を上げたが、構わず
うしろに引き倒され、冷たいコンクリートの床に転がった。
そこへ、火事に恐れおののいた数百人の群集が、地響きを
立てて殺到した。雪江は立ち上がろうとしてもがいたが、
床に転がったまま群集に飲み込まれ、姿が見えなくなった。

コメント(14)

東京に住んでいると、買い物に行く先は地下街ということも珍しくなく、このケースはとても身近に感じます・・・げっそり
さて、この場合どうしたら良いのか・・・ですか。ほんと、どうしたら、良いのでしょう・・・

実は5年前の7月23日夕方、東京で少し大きめの地震があったのですよね。
(確か千葉県北西部M5.7)
その時私は渋谷のマークシティの地下にいたのですが・・・、揺れに気付きませんでした(汗
とあるお店を物色していたところ、店員さんのところに警備員さんがやってきて、
「今かなり大きな地震があったのですが、大丈夫でしたか?」と問いかけているのを
聞いたので、「え!?地震があったの?」と驚いた覚えがあります。

話は戻りまして・・・
地震が起きてすぐだと、非常口に人々が殺到しますよね。
すぐに地上に行かず、気持ちを落ち着かせる。
非常口がいくつかあるはずなので、それを確認する。
地下街の火事の場合・・・防煙シャッターがあると思うので、慌てない。

あと、気をつけるべき点を教えて頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいたします☆
>ふぅふぅさん

地下街は地面と一緒になって揺れるので、地上よりは揺れの体感は小さく
なります。賑やかな場所だと、小さな奴は気付かないかもですね。

お答えは、おおむね正解です。半閉鎖空間である地下街での慌てた行動は、
地上よりはるかに危険な結果をもたらします。

具体的な「間違い」を挙げます。
■「早く地上に逃げなければ」と頭が一杯になった
■通路の中央に立ったまま、避難者の集団にぶつかってしまった。
■さらに自ら避難者の群れに飛び込んでしまった。
このような行動を取った時点で、雪江の運命はほぼ決まってしまったのです。

ではどうすれば良いか。
地下街で大規模地震が来て、照明が消えたとしましょう。まずはすぐに
近くの壁に張り付いてください。一部の人は確実にパニックを起こし、
無闇に駆け出すはずです。そしてそれに刺激された人々が加わります。
この流れに飲み込まれたら終わりです。

とにかく、冷静に壁に張り付いて、群集をやり過ごしてください。どんな
巨大地震でも、地下街が大規模に崩落することはありません。カバンなどで
頭を落下物からガードし、行動の時を待ちます。
照明が落ちても非常口の明かりは確保されているはずですし、普通なら非常用
電源が起動して、視界が効く程度の非常灯がつくはずです。非常灯がなければ、
携帯のディスプレイ画面を足元に向けて、暗さに目が慣れてから慎重に
移動します。決して走らず。一人が走ると、不安感からみんな走り出してしまい、
制御が利かなくなります。周りが走り出したら、再び壁に張り付いてやり過ごし
ましょう。

この想定のように、地上で落下物がひどい場合には、地下街に逃げようとする
人々がなだれ込んで来ることも考えられます。とにかく群集の動きに飲み込まれる
事だけは避けなければいけません。周辺にはきっと同じように待機している
人がいると思いますので、お互いに声を掛け合いながら、人の流れが収まるのを
待ちましょう。火災の心配がなければ、そのまま地下街にしばらく留まるのも
選択肢のひとつです。その場合は、地上への脱出経路の近くに陣取れれば
理想的です。

おっしゃる通り、火災が起きても防火シャッターやスプリンクラーでかなり
防げるはずです。もし作動しなくても、致命的な状況までには相当な時間が
あります。慌ててはいけません。

流れが落ち着きました。移動を開始しましょう。通路や階段には、パニックに
巻き込まれて負傷した多数の人が、助けを求めて来るでしょう。どうするかは
その人次第ですが、所詮全員を助けるのは不可能です。そうしているうちに、
あなた自身に再び危険が迫っているかもしれません。

そんな時に自分自身の安全を最優先するのは、決して責められる事では
ありません。しかもあなたには、道端で倒れている知らない人より、早く
そばに行ってあげなけばいけない大切な人がいます。

こんな場合にどうするかは、正直なところ私にもわかりません。ただ、
心を鬼にしなければいけない場合もある、とは思っています。
>七色姫さん

確かに「トイレで待て」という教えもあります。でも私は、それに
反対します。

まず、外の状況がわからない。避難者の流れが落ち着いたら、速やかに
行動を開始しなければなりません。でもトイレの中からはわからない。

あと、こちらの方が重大な問題なのですが、そのような教えが広まっている
現在、トイレを目指すのは、あなただけでは無い、ということです。
あなたが入ったあと、後から後から大勢が押しかけてきたらどうしますか。

出ようと思っても出られない。下手をすると、溢れた人が「入れろ、入れない」
で殴り合いを始めるかもしれません。パニック下では、十分にありえます。
そんなものに巻き込まれて、行動の機会を失ったら悲惨です。

自分の生き残る方法は、自分で決めたい。だから私は、できるだけ群集から
距離を置いて、人の少ない壁際でチャンスを待つべきだと思っています。
その地震、確か土曜日ではなかったでしょうか?
とうとう来たか!!と思ってしまいました。
しかもその日は出勤日。
私は休みを取ってましたが、同僚が一人だけ事務所にいて、
物はいくつか落ちてくるし、エレベーターはすぐに止まってしまい、復旧しなかったし大変だったと聞きました。

地下にいたらどうなるか…。
私は地下鉄が走り回っている都心で仕事していますが、
地下鉄が張り巡らされている地域では、道路が陥没することはないのでしょうか?
>七色姫さん

私は机の下は問題ないと思いますよ。密閉空間では無いし、音もにおいも
わかるし。周辺の視界はあるし。ただ、いつまでも篭っているのは
いけませんね。揺れが収まったら、すぐに行動を開始して、周囲の状況を
確認、それにあわせて脱出、ということでしょう。

地下鉄の駅やコンコースでは【壁にペタン】がやりやすいのですが、
いわゆる地下街は、大抵は商店が並んでいます。ガラス壁の破損に気をつけ
たいですね。商品の散乱にも注意です。火災の可能性を考えれば、できれば
飲食店も避けたい。これはケースバイケースですが。

とにかく、通路を怒涛の如く走る群集の流れから距離を置くことですね。
>ちえさん

トップ画像に萌えました(笑)

地下鉄、地下街は、火災さえ無ければ都市で一番安全な構造物ですよ。
地面と一緒に揺れるので、地上よりは揺れ自体も小さくなります。
壁や天井が一部落ちる、とかはあるかもしれませんが、完全に崩壊する
可能性は無いと考えて良いでしょう。だから陥没もせず、もしあっても
ごく小規模でしょうから、心配いらないと思います。

>七色姫さん

そうですね。災害対応は、まさに戦場と言えます。敵の動きは流動的です。
でも、必ず重要なポイントがありますから、そこを逃さないようにしないと。

大切なのは、正しい知識、正しい情報と正しい備え。それに何より大切なのは、
「生き残るんだ、愛する人を守るんだ」という強い気持ちです。
> てばさん
トップ画は、うちのかわいいワンコです。
少し寂しげな感じがよく撮れてるなあと。

地下鉄大江戸線は職場の最寄り。
どこも地下三階から四階にあります。
ただ比較的新しい地下鉄ですし、都庁と繋がってることから、
かなりしっかりはしてそうですね。
地下街と違い火災の可能性も少なそうだし。
>ちえさん

あのぽつねんとした感じがたまりません(笑)

理論上、地下深ければ深いほど地震動の影響を受けにくいはずです。
ただし、トンネルを分断するような、大規模な断層の動きがあったり
したら、かなりの損傷を受けるでしょうね。まあそれを心配していたら
キリがありませんが。それより、街を歩いていて、車が突っ込んで来る
確率の方が高いというものです。

大江戸線は大深度ですから、防災設備も充実していますよ。
私の住んでいる大阪の繁華街(梅田と呼ばれる地域です)には巨大な地下街があります。
南海地震が発生した場合、淀川を遡って二時間後に津波が来る、と聞いているのですが、そういう地であればやはり、一時間後には地上に脱出して高いビルなどに避難すべきでしょうか?
実は、梅田の語源は埋めた。
かつて海であった地盤の弱いところに高層ビルが建ち並んでいるため、高層ビルに避難するのも何だか躊躇われるのですが。
一旦地下に留まり、パニックになった群衆をやり過ごしたあと、鉄筋ビルに登るべきか全力でビル郡から遠ざかるべきか、判断が難しいです。
>13 ぼたもちさん

梅田の地下街、私も行ったことがあります。

確かに想定される南海地震では、大阪湾に大規模な津波が押し寄せる可能性が
指摘されていますね。

これは大阪に限らず地下街全般に言えることですが、状況が落ち着いたら、
地下からはなるべく早く脱出すべきだと考えます。

何故なら地下は避難の方法が極限される上に、情報も極限されるからです。
地下街内での火災、津波や高潮による浸水の危険もありますし、地上の情報も
得られません。地下にいるうちに、脱出口のある地上が猛火につつまれて
しまうかもしれません。

大阪の地盤が弱くても、高層建築を設計する際には当然それも織り込んで
基礎をしっかり造ってあるはずです。手抜き工事でも無い限り、高層建築が
あっさり倒壊することはあまり考えなくても良いかと思います。

そうなれば地下と地上のどちらが安全かが見えてきます。
地下は地震の第一撃に対しては非常に強固ですが、やはり閉鎖空間というのは
できるだけ避けたい。地上の安全が確認できたら、なるべく早い段階で
地上に出て、場合によっては高層建造物に避難したほうが良いかと思います。

それよりも望ましいのはある程度の標高があって、倒壊するような建造物が
無い公園のような場所ですが、大阪市街ではなかなか難しいですね。
大阪駅周辺でしたら、梅田貨物駅などは比較的良い避難場所かと思います。
あの古い建屋が崩壊する危険はありますが、それを避ければ良い場所かと。

都市中心部で震災に遭った場合、帰宅困難者が徒歩で家路について、
幹線道路の交通が麻痺することが予想されます。危険が少なければ
その時にいた場所に留まり、状況が落ち着くのを待つことが推奨されています。
その場合、最低でも一日、可能性としては三日程度滞留することになると
思いますので、勤務先などには、三日分持ちこたえられる装備を用意しておくのが
理想的です。

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