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チェーンメール観察会2.0コミュの「マイミクAID」騒動まとめ

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 おまたせしました。「マイミクAID」騒動のまとめです。長いので、書式整えたり表を使ったりしたpdf版も用意しました。
 もうちょっと読みやすい書式がいいという人は、メールアドレスを送ってください。pdf版を送ります。5MBくらいありますが。
 でも、あんまり希望者が多かったりしたら、webにアップするなり何なり方法を変えるかもしれません。

 とりあえず、この「まとめ」トピにはコメントなどを書き込まないでいただければと思います。ただでさえ本文が長いので(ごめんなさい)、みなさんのコメントが付くと初見の人にはさらに読みづらくなってしまいます。
 「まとめ」に関するご意見・ご感想・ご要望は、以下のURLの「意見・考察」トピなどでお願いします。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=1453945

----------------------
「マイミクAID」騒動まとめ

2005年8月5日
藤倉善郎(フリーライター)


目次

1.はじめに
2.「マイミクAID」オリジナル版
3.登場人物
4.発生の経緯
5.増殖
6.収束に向けて
7.「マイミクAID」チェーンの特徴
8.チェーンメールとしての問題点
9.当事者の対応のまずさ
10.おわりに

(附録1)Aさんは実在するのか
(附録2)バトンとチェーン日記
(附録3)お便りありがとう
(附録4)経過一覧
(附録5)参考サイトなど

コメント(15)

1.はじめに

「協力して下さい。マイミクさんのひとり(仮にYさんとします)が助けを求めています。」
 そんな文面で始まるチェーン日記「マイミクAID」が発生したのは、2005年7月8日。癌患者“Aさん”の看病をしている“Yさん”が医療情報を求めているので、情報提供を呼びかける文章を日記に掲載して呼びかけを広めましょうという、典型的なチェーンメールを踏襲したmixi日記版でした。その後約2週間にわたって、「マイミクAID」はmixi内にちょっとした騒動を巻き起こしました。
 日記は増殖し、「マイミクAID」コミュニティには多くの医療情報が寄せられ、折鶴の画像をアップする人やお祈りを捧げる人々も現れました。
 折鶴やお祈りには正直驚きましたが、それ自体はとくだん害はありませんでしたが、「マイミクAID」という日記は有害でした。なぜなら、無差別・無制限に増殖し内容変化していくチェーン日記だからです。
 当然、批判も浴びることとなり、最終的には発起人が運営する「マイミクAID」コミュニティの閉鎖によって、いちおうの決着を見ました。
 ここでは、当初は支援されるはずだった“Yさん”をも追い詰めるに至った「マイミクAID」騒動の顛末を、主にチェーンメール現象としての側面に注目しながらまとめてみたいと思います。観察の場として常に先頭を行っていた2chのデータも、大いに活用させてもらいました。

 現在、「マイミクAID」と「マイミクAID 暫定対処所」という、当事者による2つのコミュニティは閉鎖されています。“Yさん”の日記も非公開化され、プロフィールには“Aさん”に関する報告はありますが「マイミクAID」そのものには何も触れられていません。“Yさん”の代理人を名乗り「暫定対処所」を運営していたTKさんも、一切情報発信をしていません。当事者発信の情報が明示されているのは、「マイミクAID」終了を告げる、あんこーレレさんのプロフィール上の短文のみです。
 これでは、今回の教訓を今後に活かすことはできません。少数とは言えいまも新たに日記を転載している人々にも、事情は理解できないでしょう。
 そこで、「マイミクAID観察会」コミュニティを開設して今回の騒動を観察してきた立場から、経緯の「まとめ」を書いてみました。経緯や問題点の全てに言及することはできませんが、多少なりとも参考になれば幸いです。
 チェーンメールは、BBS、ブログ、SNSなど、「メール」以外の手段で流通するものもあります。「マイミクAID」に関しては、mixi内の日記という手段で広まったので、とりあえずここでは「チェーン日記」と呼んでおきます。
 しかし、様々なチェーンメールの類をいちいち「チェーンブログ」とか「チェーン日記」などと分類することに、あまり意味はありません。基本構造はどれも同じです。ですから、自己増殖を目的として配布される文書全般を指す場合には、この「まとめ」内でも「チェーンメール」と総称することにします。

 ここでは“Yさん”を、目に見える範囲では最大の被害者であると考えています。“Yさん”のハンドル名やIDは記載しません。それ以外の参考サイトやコミュニティ、個人の日記のURLなどは、閉鎖されたものも含めて「附録」に記載しておきます。
2.「マイミクAID」オリジナル版

 2005年7月8日00時28 分にあんこーレレさんの日記に掲載された、チェーン日記第1号です。

------------------------------------引用開始
★マイミクAID★
協力して下さい。
マイミクさんのひとり(仮にYさんとします)が助けを求めています。

+++++++++++++Yさんの日記からの抜粋+++++++++++

Yさんの友人Aさんは耳下腺にできた 腺様嚢胞癌(せんようのうほうがん)です。

腫瘍が耳、顔、頭を圧迫してしまい口も開かない状況で、、
肺にも転移しているので 呼吸が上手にできません。
抗癌剤も効かないし、 モルヒネもあまり効かないようです。

なので病院でも できる事が無いと言われています。

札幌以外の病院で 技術があって 
すでに大きくなった腫瘍を取れたら 
あの痛みから 解放されるのかも知れませんが。。。
 
もし 日本でも海外でも 
そのような癌に対応している薬や治療があれば 
知りたいとは思うのですが、もし 情報がありましたら 
お教え願えるとうれしいです。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

ぜひ、皆さんの日記のいち項目に「マイミクAID」と書いて下さい。

そして、この文章をコピペして下さい。

ひょっとしたら、その日記を読んだ人が、

有能な外科医さんかも知れません。
有能な外科医の家族かも知れません。
有能な外科医のスタッフ(若い医師や看護士)かも知れません。
そのスタッフの友人や恋人かも知れません。
そうではなくても、技術の高い病院のスタッフや
薬や医療機器を納入する会社の人かも知れません。

きっと誰かが、

Yさんの友達の痛みを和らげる情報を知らせてくれると思います。
たったひとりで頑張るYさんに、「頑張ったね、よかったね」と
よい結果を運んでくれると思います。

ぜひよろしくお願いします。


なお、情報は、

「マイミクAID」
http://mixi.jp/view_community.pl?id=231188
医師・病院・薬の情報は、
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=1406870
Yさんのお友達、そしてYさんに対する励ましの言葉は、
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=1406910
の方へお願いします。
------------------------------------引用終わり
3.登場人物

■あんこーレレさん
 “Yさん”のマイミク(当時)男性で、「マイミクAID」コミュニティ運営者。自ら日記に「マイミクAID」を掲載し「コピペしてください」と呼びかけ、「マイミクAID」コミュニティを開設して情報提供や励ましを呼びかけた。

■“Yさん”
 チェーン日記「マイミクAID」文中で“Aさん”の看病をしている人物として登場する女性。彼女のmixi日記を読んだあんこーレレさんが、チェーン日記を思い立った。

■“Aさん”
 チェーン日記「マイミクAID」文中に登場する癌患者女性。mixi会員ではないらしく、“Aさん”に関する情報は常に“Yさん”もしくは「“Yさん”発あんこーレレさん経由」で発信され、“Aさん”自身は今回の騒動において直接の発言は一切していない。存在自体は事実である可能性が高いが、確証はない。

■TKさん
 “Yさん”のマイミクの男性。「マイミクAID」日記が増殖し、“Yさん”とあんこーレレさんの関係が悪化してからは、TKさんが“Yさん”の代理人として、あんこーレレさんと「マイミクAID」コミュニティ閉鎖のための交渉を行う。「マイミクAID 暫定対処所」運営者。

※性別も立場も、“Aさん”以外は当人たちによる自称情報が中心です。“Aさん”の存在を疑う声もありますが、疑い始めれば、“Aさん”以外の登場人物ですら疑えてしまうのがネットの現実です。その辺りをわきまえて読んでください。
4.発生の経緯

 2005年7月6日夜、“Yさん”が自分の日記に癌闘病中の友人(後にチェーン日記に“Aさん”として登場)のことを書き、翌7日朝、あんこーレレさんが「僕らにお手伝い出来ることはないですか?」とのコメントを寄せます。“Yさん”が、有効な医療情報があったら知りたいという旨のコメントを返し、“Aさん”のおおまかな病状を説明しました。この時の文面が、チェーン日記の内容のベースになったようです。
 同日昼、あんこーレレさんは、日記上で情報を求める方法を提案しました。「連絡場所に“Yさん”さんの日記を使わない為に」として、「マイミクAID」コミュニティの開設を表明します。ここでは、日記に情報収集の旨を掲載して情報を求めるという手段は示されていましたが、日記の転載を求めて広めていくという「チェーン日記」であることは明示されていませんでした。
 あんこーレレさんが日記に「マイミクAID」を掲載したのは、その日の深夜。日付が8日に変わって間もない00時28分でした。このときの日記が、「この文章をコピペして下さい」との文言を含む、チェーン日記第1号です。あんこーレレさんが「僕らにお手伝い出来ることはないですか?」と申し出てから、わずか17時間後の出来事でした。
 10分後、あんこーレレさんは“Yさん”の日記へのコメントとして、「マイミクAID」コミュニティを開設したことを報告しました。
5.増殖

 本格的な記録をまず開始したのは、2chです。10日深夜に、「マイミクAIDって?」というスレッドが立ちました。ここで記録された、おそらくmixiの検索機能を使っての新着チェーン日記のカウントが、増殖のすさまじさを物語っています。
 2chのスレッド「マイミクAIDって?」(後に「mixiマイミクAID2〜偽善が織り成す呪いの折鶴」に移行)で初めてカウントが掲載されたのは11日01時27分。
「現在922件。朝には1000件いきそうな勢いだな」(2ch)
 チェーン日記は、発生から73時間で、既に1000件近くに増殖していました。
 さらに15時間後の16時23分には、ほぼ倍増の1937件(2ch)。翌12日の午後には、
「4000件超えた」(2ch)
 深夜には5000件。「マイミクAID」コミュニティへの参加者も1000人を超えました(いずれも2ch)。
 同日夕方、2chで「笠原バージョン」の目撃情報も入りました。
 オリジナル版では「癌患者の“Aさん”の看病をしている“Yさん”が、情報を求めている」という設定でしたが、「(mixi運営会社の社長)笠原氏の友人が癌で・・・」とする亜種が発生したのです。この亜種はそれほど広範囲には広まらなかったようですが、ほかにもさまざまな亜種が生まれました。
 「たった一人で癌と闘うYさん」という文言が入った、まるで“Yさん”自身が癌であるともとれる設定のものは、遅くとも11日には原形が発生しています。「Yさん・Aさん」ではなく「Aさん・Bさん」と書かれているものも、あんこーレレさんがチェーン日記をバラ撒いてから24時間後には、すでに出回っていました。また、日記の冒頭に「チェーンレターではありません」や「信頼できるので転載します」といったコメントが付け加えられたものや、省略してあったり、連絡先URLが書かれていないものもありました。
 こうした亜種も含め、チェーン日記は13日ごろにかけて、mixi内のみならずweb上のブログなどにも転載されました。しかしmixi内の日記では「マイミクAID」に疑問を呈する声や、転載ではなく「マイミクAID」騒動に言及する日記も現れ始めており、転載の増殖は続きますがペースは落ちていきます。
 13日の日中に、mixi内で「マイミクAID」をウォッチすべく、藤倉が「マイミクAID観察会」コミュニティを開設しました。
 一方、「マイミクAID」コミュニティでは、同日昼過ぎ、トップに「コピペ転載は今後お控え下さい」の一文が掲載され、すでに“Yさん”からコミュニティの閉鎖を要請されている旨も明かにされました。「マイミクAID」は「当事者の意に反して存在するコミュニティ」であることが確実となったわけです。しかしあんこーレレさんは、「皆さんの善意の行き場所」の確保やチェーンメールに登場する“Aさん”の「経過の報告」を理由に、コミュニティの継続を表明します。
 翌14日も増殖は止まっていませんが、一方で、チェーン日記掲載者に対して「転載をやめるようにとの告知がなされている」等々のコメントをつけることで、増殖を止めるべく積極的に動く人々の姿が目立っていました。いわゆる「消火活動」です。
 15日には、あんこーレレさんが「マイミクAID」のトピックの大半を削除しコミュニティを縮小しました。
6.収束に向けて

 それぞれの時点での検索ヒット数と、藤倉が収集した日記数をもとに、7月11日から8月1日までの1日ごとの新着ヒット数を推計してみました。転載だけではなく「マイミクAID」騒動に言及した日記も含まれているので丼勘定になっていますが、転載された日記は、多く見積もっても約7800件です。
 この推移と、それぞれの出来事が起こった時期と重ねてみると、13日には、1日の新着数は前日から半減したことがわかります。この日は、昼過ぎに「マイミクAID」コミュニティのトップに「コピペ転載は今後お控え下さい」の一文が掲載されています。
 それでも13日は約1500件、14日は約1400件。依然、少ないとは言えない状態でした。「マイミクAID」コミュニティが縮小された15日は約400件。前日と比べて3分の1以下です。16日にはさらに半減し、その後はしばらく、数件から数十件の幅で増減します。
 「マイミクAID」と「暫定対処所」の両方がなくなった24日以降は、1日あたり1件から6件。なかなかゼロにはなりませんが、騒動としては、ほぼ収束したと言えます。
 web上でも、「マイミクAID」に関する批判的な記述や報告が目立つようになり、チェーン日記の転載はそれほど広範囲には広まらなかったようです。

 これだけを見ると、「マイミクAID」コミュニティの動向がチェーン日記の増殖に大きく影響したように思えるかもしれませんが、コントロールできたと言えるほどの影響ではありませんでした。
 「コピペ転載は今後お控え下さい」の翌日以降、8月1日までの新規ヒットの累計は約2000件。これに近い数の人々が、コミュニティのメッセージを読まなかったかメッセージに従わずに、新たに日記を転載していたことになります。
 また、増殖のペースダウンについては、消火活動に支えられた側面もあります。
 公開日記上での消火活動は、“Yさん”やあんこーレレさんによるものではなく、“有志”によるものが中心だったようです。また、必ずしも「マイミクAID」がチェーン日記であり有害であるという情報が広められたわけではなく、「情報収集は既に終了した」「(マイミクAIDの)コミュニティを確認してください」と指摘するだけにとどまっていたものも多く見られました。事情を正確に伝えるという点では不充分な情報ですが、コメントがなされた後に日記を削除する人も多かったので、掲載をやめさせる上では効果的だったということだと思います。
 「マイミクAID」コミュニティの閉鎖は、あんこーレレさんによる積極的な対処ではなく、“Yさん”の代理人を名乗るTKさんからのプレッシャーによるものです。
 TKさんは16日に「マイミクAID」内で、日記掲載者に対して削除依頼を行うと宣言(後日削除)。18日には、「マイミクAID問題 暫定対処所」コミュニティを開設し、“Yさん”の代理として、あんこーレレさんと水面下での後始末交渉に入りました。同時に、「暫定対処所」の記述によると、「2日間で約200件ほどの削除依頼をメッセージにて送付」したそうです。
 20日未明、“Yさん”が自身の日記で「AIDのコミュニティの管理人様には、期限を決めての閉鎖のお願いと、謝罪文の掲載をお願いいたしました」と報告。TKさんも「暫定対処所」で類似の報告をします。また時刻は不明ですが、“Yさん”のマイミクからあんこーレレさんが外れました(19日午後の時点ではまだありました)。
 そして同日夜、あんこーレレさんは謝罪とともに「マイミクAID」コミュニティの閉鎖を宣言し、翌21日の夜にコミュニティを完全消滅させました。
 3日後、開設当初より24日00時頃を期限に閉鎖すると表明していた「暫定対処所」も予定通り閉鎖。その少し前には、自身の日記上で経過説明や謝罪を行ってきた“Yさん”も日記を非公開化し、「マイミクAID終了」を告げるあんこーレレさんのプロフィールの記述を除いて、当事者による記録は全て公開の場から姿を消し、新たな情報発信も皆無となりました。
7.「マイミクAID」チェーンの特徴

(1) メールではなく日記だった

 「マイミクAID」は、メールによって増殖するものではなく、日記への転載を呼びかける「チェーン日記」でした。
 日記での転載は、電子メールでいうならメーリング・リストやメール・マガジンに近く、理屈上は1回の送信で不特定多数に向けて無差別に見せることができます。また、検索にヒットした「マイミクAID」は、全て公開日記です。当然、掲載者本人が意図しない人にも読まれる可能性が高いものです。
 その点では、メールで複数の人に転送するよりも、手間をかけずに広めることができる環境にありました。


(2) 基本的にmixi内での騒動だった

 「マイミクAID」はmixi外にも飛び火はしましたが、それほど大々的には広まらなかったようです(今後どうなるかはわかりませんが)。
 基本的にmixi内での騒動だったおかげで、mixiの検索機能によって、web検索エンジンで探すよりもはるかに効率よく動向を把握することができました。mixiの検索機能は、掲載された日記の情報がほぼリアルタイムに検索結果に反映されており、web検索のようにタイムラグがなかったからです。また、mixi内の各人の日記のデザインも統一されているので、効率よく内容を確認することができました。
 チェーンメール現象を観察するには、mixiは恰好のフィールドだったと思います。


(3) 首謀者が最初からハッキリしていた

 「マイミクAID」は、発起人であるあんこーレレさんがコミュニティを開設し、チェーン日記の中にそのURLが記載されていました。このコミュニティを確認せずに日記を転載した人も非常に多かったのですが、いちおう、首謀者は明かにされていました。
 転載中止告知をチェーン日記の首謀者・関係者の公式アナウンスとして伝える形での消火活動が可能だったのも、首謀者の所在がはっきりしていたからでしょう。
 また、当初は“Yさん”も日記を公開していたため、チェーン日記誕生のプロセスすらも確認することができました。
 これによって、首謀者・関係者が悪意や愉快犯としてチェーン日記を始めたのではなく、おそらく善意と不注意が招いた事態なのだろうということも、具体的な根拠をもとに語れるようになりました。


(4) とにかく事態の推移が早かった

 今回のチェーン日記は、1週間たらずでで7000件近くに増殖したものの、さらに1週間後にはほぼ収束しました。過去にも、これ以上の速度で混乱をもたらしたチェーンメールはあったようですが、残念ながら具体的な増殖数などのデータは見当たりませんでした。
 ですから、「マイミクAID」の増殖スピードがほかのチェーンメールと比べて早かったのか遅かったのかもはっきりわかりません。ただ、「コピペするだけ」というお手軽な善意の表明が、いかに恐ろしいスピードで広まるかというデータがとれた珍しいケースとして、今後の参考にはなりそうです。
 収束のスピードに関しては、直接の要因が何なのかは断定できません。観察の対象にされ批判も浴び、首謀者は“Yさん”に見限られコミュニティを閉鎖するなど、トラブルにはなったわけなので、収束が早かったのは当然かもしれません。


(5) 終始、支援を受ける本人にが不在だった

 mixiという会員制の空間でチェーン日記が広まると、「支援を受ける本人が、自分を支援する動きがどのようになっているのかを把握しにくい」という弊害も生まれます。第三者が支援の受け手に連絡を取れる状態にあれば意思の確認や事実の伝達はできますが、「マイミクAID」では、mixi会員ではなかったという“Aさん”へのラインは“Yさん”が握っており、あんこーレレさんでさえ、“Aさん”との直接の面識も連絡手段もなかったとしています。
 “Aさん”自身も直接発言することはしておらず、“Aさん”の意思がどこまで尊重されていたか全く不明で、“Aさん”が実在することすら確認できませんでした(「附録」参照)。チェーン日記以外の部分でも、“Yさん”やあんこーレレさんが“Aさん”の病状など明かにプライバシーに関わることを書いていますが、そこには「本人の了承を得た上での掲載」という趣旨の断りは付け加えられていませんでした。
 このくらい、徹底して最後まで「Aさん不在」で繰り広げられていたのが「マイミクAID」騒動です。
8.チェーン日記としての問題点

 「マイミクAID」は、mixi内の日記であったという点を除けば、それほど新しいものではありません。その問題点についても、ほぼ同様のことが過去のチェーンメール現象の中で確認され、問題として指摘されてきています。「マイミクAID」騒動は、新たな教訓を生んだというより、これまでチェーンメール批判によって指摘されてきたことが改めて実証されたケースにすぎません。


(1) コントロールできない

 一般的に、チェーンメールはあまりに広範囲に広まるため、たとえば何かの援助を求める内容だったとしても援助要請の終了を告知する方法がないと言われています。今回も、「マイミクAID」コミュニティなどで途中から転載をやめるよう呼びかけがなされたにもかかわらず、やはり転載は止まりませんでした。コミュニティが閉鎖されてもなお、毎日何件か新規の転載が続いています。


(2) 情報の信憑性が保たれない

 メールの内容もコントロールできないのが、チェーンメールです。「不幸の手紙」が「棒の手紙」に化けてしまったという話は、手書きのチェーンメールならではの笑い話。ところが、電子メール等々によって、単にコピー&ペーストするだけのはずのチェーンメールでも、なぜか広まるうちに内容が変わります。「マイミクAID」でも、たった1週間のうちに様々な亜種が生まれました。
 多くの人が、報道などで目にしたことをそれぞれの言葉で説明したがゆえに内容に差が出てしまうということは通常でも起こり得ます。しかし、同じ報道を多くの人が見たのであれば、誤った情報と同時に正しい情報も多く出回りますし、単純なコピー&ペーストで広まるという前提はありません。たとえ誤った情報でも、書き手の「自分の言葉」として掲載されます。
 チェーンメールの場合、コピー&ペースとで転載されているという前提であるがゆえに誤情報になることがります。
“Yさん”やあんこーレレさんのマイミクでもない人が、
「わたしのマイミクさんのマイミクさん(仮にYさんとします)が助けを求めています」
 という文面を、引用であることを明示せずにただ転載すれば、自動的にウソになります。事実、まったく同じケースがありました。
「賛否両論あると思いますが(略)日記への転載、コミュニティに参加をしました」
 こんな文面を掲載した人が、実際には「マイミクAID」コミュニティに参加していなかったケースもあります。
 こうした自然発生的なウソだけではなく、改竄も起こります。しかもチェーンメールは、「転載です」という一文があることで、たとえ改竄されたものであっても、おおもとの発信者の公式アナウンスであるかのように読めてしまう形で増殖します。たとえば「一人で癌と闘うYさん」などは、明かにあんこーレレさんの日記にあった文面とは違いますが、そのままいくつも転載されました。
 転載者が「マイミクAID」コミュニティを確認していればオリジナル版と同じかどうかもわかることだったのですが、転載者が確認を怠っていたということも含めて、いくつもの不注意が積み重なっておかしなことになっていくのがチェーンメールです。


(3) チェーンメールは、決して当事者の利益にならない

 「マイミクAID」の目的は、医療情報の収集が目的でした。しかし、情報が欲しいなら医療機関に患者本人か直接の関係者が問い合わせるのが最短距離なので、チェーンであるかどうかに関わらず、医療に明るくない人々も含めた人々から無差別に情報を募ろうとすること自体が非効率的です。
 「マイミクAID」コミュニティの中で、もっとも投稿分量が多かった「医師・病院・薬の情報」というトピックでは、あんこーレレさんがコミュニティを縮小する15日までの間に、直接的な情報以外も含めて少なくとも241件の投稿がありました。それら全ての信憑性を吟味するのは、並大抵の労力ではなかったでしょう。
 “Yさん”にとってさらにデメリットになったのは、チェーン日記が批判を浴びたことで肩身が狭い思いをし、不本意な疑いもかけられたことなどから、精神的に追い詰められた点ではないかと思います。“Yさん”は、目に見える範囲では最大の被害者でしょう。
 しかしチェーン日記が批判されるのも内容の信憑性が疑われるのも当然です。理不尽な誹謗中傷は別として、“Yさん”を被害者にしたのは「マイミクAID」を批判したり内容に疑問を投げかけた人々ではなく、チェーン日記の首謀者であるあんこーレレさんです。
 たとえ支援のつもりで始めたことであってもチェーン日記などという手段に出れば、かえって当事者に不利益をもたらすということです。


(4) 「善意だからいい」は間違い

 「Rh-血液」のチェーンメール騒動などの際にも言われていたことです。たとえ内容が事実であり、善意からスタートしたもので、それを転送をする人々の動機が善意であったとしても、有害なものは有害です。
 善意の内容だからこそ、つい無警戒になったり、疑問を感じつつも転送しなければいけないような気分になりやすい。これも、従来の善意型チェーンメールについてさんざん言われてきたことでしょう。
 チェーンメールは、混乱を招き、支援を求めている当事者にかえって負担をかけるという結果が容易に予想できます。「マイミクAID」も、最悪なほどに予測どおりの結果となってしまいました。


(5) サーバーへの負荷

 チェーンメールの問題点として、サーバーへの負荷を危惧する声もあります。
 今回の騒動がmixiのシステムにどれだけ影響したかはわかりません。mixiでは、「マイミクAID」発生後、7月9日と13日の2回、「サーバー障害」を報告しています。原因は書かれていません。
 100万近くのアカウントがあるmixiにおいて、日記投稿が1週間で約7000件割増しになったくらいで障害をきたすなら、「マイミクAID」のせいというよりmixiのシステムが貧弱だということのような気もしないではありません。チェーン日記でなくても、何かの事件や大きな話題があれば、そのくらいの日記増加は起こりそうです。
 しかし「マイミクAID」による障害がなかったとしても、それは結果論に過ぎません。障害を与えるほどに増殖する可能性も当然あったわけですから、「マイミクAID」を擁護することはできません。
9.当事者の対応のまずさ

 あんこーレレさんがチェーン日記を始めたことも問題ですが、その後の彼の対応にも、さまざまな不手際(というより不誠実さ)がありました。
 あんこーレレさんは遅くとも13日時点で“Yさん”から「マイミクAID」コミュニティの閉鎖を要請されていたにもかかわらず、閉鎖しませんでした。“Yさん”に対して不誠実な対応だったと言えるでしょう。
 しかし、巻き込まれた多くの人々に対する説明の必要を考えれば、コミュニティを完全消滅させるべきではなく、各トピックを削除した上で少なくとも的確な説明と問題点の整理だけは掲載し続けるべきだったと思います。
 ところが、閉鎖しなかったあんこーレレさんは、「意図せずチェーンメール化してしまった」かのようなデマの発信も行いました。その影響かどうかはわかりませんが、「悪意によってチェーンメール化した」などと言い出す人もいる始末で、事実関係に関する情報は大きく歪んでしまいました。
 こうなると、このデマの訂正もきっちりやってほしかったところです。
 20日、あんこーレレさんは、TKさんとの交渉を受けて謝罪文を掲載します。しかしそこでも、「チェーンメール化したのではなく、私自身がチェーン方式を選んだのだ」という明言はなく、相変わらず「チェーンメール化してしまい」などという文言も含まれたままでした。
 結局、最後の最後まで、的を得た説明を見ることができませんでした。
 あんこーレレさんは「マイミクAID」コミュニティの閉鎖後、プロフィール内に関連情報を掲載していますが、それもこんな文面です。

-------------
マイミクAIDにご協力ありがとうございました。
コミュニティ「マイミクAID」は7月21日をもって閉鎖しました。
私の書いた文章がチェーンメール化し、ネット社会を一人歩きしております。このままでは様々な弊害が予想されます。
つきましては、「マイミクAID」への呼びかけを中止して頂きたくお願い申し上げます。
どうか、ご理解の上、ご協力お願いします。
-------------

 “Yさん”側は、自分たちの負担になるものと、これまで害をなしてきたものを消すことには成功しました。しかし、あんこーレレさんに正確な情報を提示させることはできませんでした。
 結果的に、“Yさん”サイドの対処も、巻き込まれた多くの人々や「マイミクAID」閉鎖後も新たに転載しつづけている人々への事情説明という面では、不充分だったということになります。彼らは水面下で交渉していたので、“Yさん”側が情報面の問題に配慮していながらこうなってしまったのか、それとも配慮していなかったのか、どちらなのかはわかりません。
10.おわりに

 ブログやSNSの発達によって、チェーンメールは電子メール以外の手段でも出回るようになり、電子メールにはなかった機能ももつようになっています。
 「マイミクAID」騒動では、チェーンメールへの警戒感を持たない人がいまだに多かったことに驚きましたが、同時に、公開の場で情報を流す責任感に関する課題も浮き彫りになったように思います。
 友人だけにメールを転送するよりも、公開の場で不特定多数に向けて発信することの方が、当然、道義的責任は重いはずです。公開の場でチェーン日記を掲載するという行為は、限られた友人にメールを転送する行為以上に有害であり恥ずかしいことなのではないでしょうか。
 「マイミクAID」が主にmixi内を舞台に増殖したことを考えると、「友だちの友だち・・・」というSNSのイメージが、ある種の油断を生んでいるのかもしれません。実際問題、100万近くのアカウントがあれば、「友だちの友だち」よりアカの他人の方が圧倒的に多いはずです。

 「マイミクAID」騒動が収束してから、「観察会」でいくつか別のmixi内チェーン日記が報告されました。勝手に命名して列挙すると「ICC存続チェーン」「哲郎君チェーン」「動物愛護チェーン(未遂)」「うまい棒チェーン」などです。
 「動物愛護」は、「バトン」と称して、動物愛護をアピールできるようなチェーン日記を作れないかと計画していた人たちがいた、というものです。「ICC」と「うまい棒」は、mixi外から持ち込まれたものでしょう。「哲郎君」もmixi外でチェーンとしてではなくマスコミなども利用しながら呼びかけられているものですが、mixi内でチェーン日記として出回り始めました。「マイミクAID」でさえも、いまだに少数ながら毎日新たに転載されている状態です。
 「バトン」に関しては、「マイミクAID」よりはるかに前からmixi内でもさまざまなものが流行していました。他愛のない遊び感覚の内容が多いからか、チェーンメールに対する警戒感を薄める弊害があるようにも見えます。バトンに関しては、「附録」内で説明しておきます。

 チェーンメールについては、これまでさんざん問題が指摘されているにもかかわらず、いまもこれだけ多様化し増殖し得る環境にあります。「マイミクAID」のようにあからさまにいかがわしいチェーン日記でさえも7000人以上の人が引っかかってしまったわけです。
 ここまで長々と書いてきましたが、最大の教訓は、「mixiユーザーは無防備だぞ。気をつけろ!」ということだったのかもしれません。
(附録1)Aさんは実在するのか

 今回の問題をぼくはチェーン現象として観察していたので、正直、“Aさん”が実在するかどうかにはあまり興味がありませんでした。内容の真偽に関わらず、チェーンはしょせんチェーンだからです。
 ぼく自身は、個人的に「YさんとAさんの両方と面識がある」と主張する人にmixi内で交信することはできました。しかし特に根拠も示されず、その人も公の場でそれを主張してはいないようです。ぼくとしては、「Aさんは実在します」と断言できる材料がありません。“Yさん”の日記などを読む限り、“Aさん”が実在すること自体は事実という印象は受けますが。
 2chでは“Aさん”の存在を疑問視する声は最後まで根強く残っていました。
 また「観察会」コミュニティ内でも、「マイミクAID」コミュニティなどで説明されていた“Aさん”の病状の説明が不自然であると指摘する声もありました。ひとつは、「非手術による肺がんの3年経過生存率は約5%」というデータを挙げて、「“Aさん”が肺がん発覚から5年生存しているのはおかしいのでは?」という疑問を呈する意見です(「意見・考察」トピック、25: 慶次さん)。もうひとつは、“Aさん”が病院に行ってるのかどうか曖昧で、場面によって症状の深刻さが変化している、というものです(「意見・考察」トピック、187: たくりんさん)。
 言われてみれば確かに不自然です。しかし統計上の生存率と現実がかみ合わない事態は起こり得るし、病状の深刻さも、医者が実際に診察しなければわかりません。しかし、ここで指摘されたのは病状の説明の正確さの問題であって、“Aさん”が実在しないと言い切るための根拠にはなりません。もとより“Yさん”自身が、“Aさん”の病状をどこまで正確に把握できていたのか、今回の騒動からはいまいちわかりませんでした。
 疑えばキリがなく、「実はYさんがAさんに騙されているのでは?」という憶測でさえ、できるといえばできます。結局、事実がどうであるかより、どうとでも疑えてしまうという状況になってしまったこと自体が「マイミクAID」の害悪のひとつなのだと考える以外ないように思います。
(附録2)バトンとチェーン

 「マイミクAID」騒動以前からmixi内でも盛り上がっていたチェーンメールに「バトン」があります。内容はある種のアンケートで、メールを受け取った人は質問に日記上などで答えて、なおかつ質問項目を複数の知人に送りつける、というもの。テーマは様々ですが、有名なのは音楽の好み等々に関する「ミュージック・バトン」あるいは「ミュージカル・バトン」です。
 バトンは典型的なチェーンメールに比べると実害が少ないゆに思える面があります。募金を呼びかけたり、どこか特定の機関などに連絡するよう呼びかけるものではないからでしょうか。また、人々の恐怖心や善意を刺激することで広まるタイプのチェーンメールとも違います。しかし流通方法自体は、バトンもチェーンメールも全く同じです。

 2chで「マイミクAID」ウォッチのスレッドが立った初期段階で、こんな書き込みがありました。
「バトンの時に猛反発してる奴に限って、この手のにはあっさりひっかかってることに笑ったw」(2ch/マイミクAIDって? より)
 「お遊び」のバトンに比べて「真面目なように見える」善意のチェーンの方が説得力がある、ということでしょうか。
 もっとも、バトンにも疑問を感じず、少なくとも騒動になるまでは「マイミクAID」にも疑問を感じなかったという人もいたことでしょう。ぼくには、そういう人がむしろmixi内では「普通」なのかな、という印象があります。
 「マイミクAID」問題に当事者として登場した人物は、最終的にはあんこーレレさん・“Yさん”・TKさんの3人ですが、彼らも、それに近いタイプの人々だったようです。
 「マイミクAID」誕生の2週間前、この3人の間でもバトンがやり取りされていました。“Yさん”に「Musical Baton」を送ったのは、TKさんです。他の人からも回ってきたようですが、“Yさん”はTKさんからのバトンへの返答を日記に掲載し、5人にバトンを送りました。その送り先の1人が、あんこーレレさんです。
 当事者間について見れば、あんこーレレさんから“Yさん”、TKさんの順で巻き込まれていったのが「マイミクAID」騒動です。しかしその2週間前のバトンでは逆に、TKさんから出発して“Yさん”、あんこーレレさんという経路をたどったのは、皮肉的としか言いようがありません。
 バトンに対して無警戒(あるいは積極的)だったという点でも、チェーン日記についても本格的に騒動になるまでは批判意識を発揮しなかったという点でも、この3人のやりとりはチェーン日記を転載し増殖させた「mixiの普通の人々」のリテラシーを象徴しているように思えます。
(附録3)お便りありがとう

 「マイミクAID観察会」の中で、mixi会員の日記を「標本」として転載することについて、当人の了解がないことを問題視する声や、著作権法に反するのではないかとの指摘を受けました。ぼくは、「公開されたものは、無断で引用しても構わない」という原則を掲げ、法と習慣で許された範囲の引用であれば問題ないと答えてきました。しかしその法と習慣の内容に関しては、自分の不勉強さも感じましたし、「消火活動」に関する標本で確かに議論上必ずしも必要ではないようにも見える引用箇所もありました。多々反省点が残ります。
 ただ、消火活動標本以外での指摘は、標本全てを包括的に捉えての法律談義であって、どの標本のどこが問題なのかや、誰が誰の権利を侵しているのかという具体的な前提が示されなかったため、ぼくの活動に直接反映させることはできませんでした。
 議論はある意味盛り上がったものの、肝心の「当人からの削除依頼」は1件だけでした。その人も、その時点での実際の引用に問題がないとのことで、削除依頼を取り下げてくれました。
 そのほか、「観察会」での議論の内容に共感したという人や、考え方について質問をくれた人もいました。中には、「マイミクAID」を支援したことを反省するあまりか、「折鶴」に参加したことを後悔しているとも思える声もありました。
 冒頭でも軽く触れましたが、今回の騒動において「折鶴」と「お祈り」は特に問題はなかったと思います。見る人によって好き嫌いはあるでしょうし、実用性があるかどうかは疑問です。ぼく自身も少し奇異には感じました。しかし、情報処理のために“Yさん”や“Aさん”に負担をかける類のものでもなかったでしょう。気持の上での励ましの表明に過ぎないので、無形の支援としてむしろ好意的に見てもいいように思います。

 この「まとめ」を書いている最中に“Yさん”の代理人・TKさんから苦言のメールを受け取りました。最後に、その一部を紹介します。

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貴方がどの程度の大学を卒業されたのかはどーでもいいことですが、世間一般常識として、「まともな」の大学を卒業されていれば、フリーライターはやっていないと考えます。
まぁ、あれだけの「騒ぎ」にコミュを立てて、「観察」するだけで「能書き」を垂れていたわりに、「トラブル解決」をするどころか煽り立てただけの貴方への一般的な評価はわかりきったことですが。
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 学歴の話は、ぼくが言い出したわけではなく、TKさんが一方的に持ち出してきました。脈絡なく学歴や職業を云々されても会話にならないので、この場でコメントしておきます。
 ぼく自身は、「トラブル解決」ではなく「観察」に主眼を置いたことで、首謀者・関係者が果たせなかった「記録と議論」に専念できました。議論の内容も、問題の捉え方や対処に関する実用性を重視しました。
 「観察だけ」という行為に批判があるのも当然です。TKさんの下劣なメールも、「観察」への批判部分だけなら一つの意見として認めてあげていいのかもしれません。常識的な手段と論理で問題点を指摘するなら、それはそれで説得力もあるでしょうし、TKさんと同じ印象を抱いている人は決して少なくはないと思います。
 おそらく“Yさん”らにとっても「観察だけ」という態度は目障りだったと思います。意義はあったと思いますが弊害がなかったとまでは言いません。
 「観察会」コミュニティに関しては、言うまでもなくぼく個人の活動以上の意義があったと思います。関係者による情報発信がほぼ皆無となったいまとなっては、なおのこと存在意義を感じます。ひとえに、参加してくださった皆さんのおかげです。「観察会」コミュニティに参加してくれた皆さん、メールをくださったみなさん、ありがとうございました。
(附録4)経過一覧

【2005年07月06日】
■22時23分/“Yさん”が自分の日記に癌闘病中の友人“Aさん”のことを書く。

【2005年07月07日】
■07時37分/あんこーレレさんが、「僕らにお手伝い出来ることはないですか?」とコメント。
■08時33分/“Yさん”が、有効な医療情報があったら知りたいという旨の返答。このとき“Yさん”が記載した文章が、チェーン日記オリジナル版のベースになったようです。
■11時54分/あんこーレレさんが、「ここは一つフットワークを軽くして行きましょう」として、日記に用件を書き込んで情報を求めるという方法を提案。しかしこのときのコメントには、「チェーンメール方式である」との明確な提案は残されていません。

【2005年07月08】
■00時28分/あんこーレレさんの日記で、「コピペしてください」との文言が入った記念すべきチェーン日記第1号が掲載されました。
■00時38分/あんこーレレさんが、「マイミクAID」コミュニティ開設と日記掲載を報告。

【2005年07月10日】
■23時36分/2chで「マイミクAIDって?」スレがスタート。本格的なウォッチングが始まり、新着チェーン日記のカウントが行われます。

【2005年07月11日】
■01時27分/2chで、「現在922件。朝には1000件いきそうな勢いだな」との報告。
■01時39分/1052件(2ch)
■12時17分/1758件(2ch)
■14時49分/1857件(2ch)
■16時23分/1937件(2ch)

【2005年07月12日】
■13時46分/「4000件超えた」(2ch)
■15時20分/「笠原の親友が、っていう設定になってる日記も」(2ch)
■20時01分/「もう4500人を突破」(2ch)
■22時25分/「チェーンレターではありません」という文言が入った日記だけでも1842件(2ch)
■23時45分/「5000件超えたぞ」(2ch)
■23時49分/「(マイミクAIDの)コミュニティの参加人数が1000人超えたぞ」(2ch)

【2005年07月13日】
■06時57分/5516件(2ch)
■08時10分/「8:00の段階で1072人、5530件」(2ch)
■09時22分/5559件(2ch)
■12時20分/「マイミクAID観察会」コミュニティ開設。
■13時20分/「マイミクAID」内「発起人より皆さんへ」トピックで、あんこーレレさんが「すでにYさんからこのコミュニティの閉鎖を要請されています」としながら、「皆さんの“善意”の行き場所」の確保や、チェーンメールに登場する“Aさん”の「経過の報告」を理由に、コミュニティの継続を表明。コミュニティのトップには「コピペ転載は今後お控え下さい」の一文も掲載されました。
■17時11分/5956件(2ch)

【2005年07月14日】
■01時00分/6918件(2ch)
■14時22分/大量(?)の「たった一人で癌と闘うYさん」バージョンが報告されました(観察会)。

【2005年07月15日】
■00時30分頃/あんこーレレさんが、「マイミクAID」コミュニティを縮小。批判的意見や論争になっているトピックなどを削除し、応援メッセージやお祈りや折鶴のお供えトピックだけを残しました。以降、新規作成のトピックは全て削除されます。
■17時36分/6767件(観察会)

【2005年07月16日】
■15時26分/「Aさん Bさん マイミクAID」で検索したら782件(観察会)
■17時38分/「マイミクAID」内にTKさんが「収束に向けて、行動します」とのトピック作成。チェーン日記掲載者への削除依頼などを掲げ、協力を呼びかけました。しかし翌々日にはこのトピックも削除されていたことが確認されました(観察会)。

【2005年07月18日】
■06時49分頃/“Yさん”のマイミク・TKさんが、24日00時までの期間限定で「マイミクAID問題 暫定対処所」コミュニティを開設。その時点で、チェーン日記掲載者に対して「2日間で約200件ほどの削除依頼をメッセージにて送付」したそうです。またTKさんは、“Yさん”の代理として、内容はナゾですがあんこーレレさんと後始末交渉に入っていることを報告。

【2005年07月19日】
■02時50分/4056件(2ch)。ヒット件数は完全に減少に転じました。1週間以上経った日記がMixiの検索機能でヒットしなくなったことで増殖ピーク時の日記が除外され、なおかつ新規の発生も減ってきていたことが要因でしょう。
■21時28分/4081件(観察会)。ちょっとだけ増えました。ただし、マイミクAIDへ意見や考察を記した日記や既に削除されたり非公開化された日記もかなり混じっています。

【2005年07月20日】
■12時00分/1956件(観察会)
■03時05分/“Yさん”が日記の中で、「AIDのコミュニティの管理人様には、期限を決めての閉鎖のお願いと、謝罪文の掲載をお願いいたしました」と報告。また、時刻は不明ですが、“Yさん”のマイミクからあんこーレレさんが外れました(19日午後の時点ではまだありました)。
■21時前後?/あんこーレレさんが「マイミクAID」コミュニティを21日に閉鎖すると宣言。

【2005年07月21日】
■13時04分/862件(観察会)
■22時24分/「マイミクAID」コミュニティの完全消滅を確認

【2005年07月22日】
■09時51分/490件(観察会)
■20時44分/498件

【2005年07月23日】
■16時19分/“Yさん”の日記の非公開化を確認。
■16時24分/312件

【2005年07月24日】
■00時44分/「マイミクAID問題 暫定対処所」閉鎖を確認。
■11時34分/226件

【2005年07月25日】
■12時06分/177件

【2005年07月26日】
■12時40分/137件

【2005年07月27日】
■11時34分/138件

【2005年07月28日】
■12時25分/73件

【2005年07月29日】
■20時52分/57件

【2005年07月31日】
■12時07分/42件

【2005年08月01日】
■11時46分/39件

【2005年08月02日】
■11時00分/37件
(附録5)参考サイトなど


【各コミュニティと2chスレッド】

mixi/マイミクAID
http://mixi.jp/view_community.pl?id=231188

mixi/マイミクAID問題 暫定対処所
http://mixi.jp/view_community.pl?id=242114

mixi/マイミクAID観察会
http://mixi.jp/view_community.pl?id=236871

2ch/マイミクAIDって?
http://pc8.2ch.net/test/read.cgi/sns/1121006182/

2ch/mixiマイミクAID2〜偽善が織り成す呪いの折鶴
http://pc8.2ch.net/test/read.cgi/sns/1121433460/

【mixi内参考日記】

たくりんさんの日記「マイミクAID(;¬ω¬) ぁゃιぃ」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=27509619&owner_id=782738

慶次さんの日記「マイミクAIDの功罪」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=26967626&owner_id=483973
慶次さんの日記「マイミクAID 終了」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=27321341&owner_id=483973

Loonyさんの日記「巧妙?な23860」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=27703266&owner_id=111465


【マイミクAIDに関する参考サイト】

はてなダイアリー/マイミクAIDとは
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%A4%A5%DF%A5%AFAID?kid=121450

SNS における「チェーン日記」(「マイミクAID」についての雑感)
http://hiro.intlcafe.info/item/1253
SNS における「チェーン日記」補論
http://hiro.intlcafe.info/item/1268
SNS における「チェーン日記」補論2:チェーンメールとの相似
http://hiro.intlcafe.info/item/1272

mixi非公式ニュースサイト/チェーンコピペ「マイミクAID」について
http://d.hatena.ne.jp/mixi_love/20050715/p2


【チェーンメールに関する参考サイト】

なぜ善意の電子メールは暴走したのか」
http://www.president.co.jp/pre/20000703/02.html

善意による行動ほど注意しなければならない
http://stella.cocolog-nifty.com/starchartlog/2005/07/post_2f01.html

チェーンメールは悪
http://onohiroki.cycling.jp/comp-mail.htm
チェーンメールは悪 /「Rh マイナス B 型の血液を探している」というチェーンメール
http://onohiroki.cycling.jp/comp-mail-d20030421RH-B.html

これが「棒の手紙」だ!
http://homepage3.nifty.com/hirorin/bonotegami.htm

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(おしまい)

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