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歌詞から妄想コミュの平井堅/even if

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時間を止めて




僕と彼女の付き合いはかれこれ4年になる。

と言っても一方的な僕の片想いである。

僕が大学一年生の時、彼女は同じサークルの一つ先輩だった。

彼女はこの春、新卒で第一希望の出版社に入社した。

僕は就職と誕生日のお祝いをしたいと言っていたのだが、誕生日には予定が入っているとのことで、翌週末の今日、時間をとってもらった。

新宿で待ち合わせして、彼女の好きなエスニック料理を食べて、お酒が飲めるところに行こうという話しになった。

「それなら、最近たまたま見つけたいいお店があるんだけどどう?」って誘ってみた。

彼女はそこに行きたいとはしゃいでいた。

そのお店はあるビルの展望室にある。昼間は観光スポットなんだけど、夜は薄明かりの中キャンドルが優しく揺れ、窓の外には都内の夜景が見えるショットバーになる。

本当はずっと前から特別な日に、特別な彼女を連れてきたかったんだ。



彼女は店に入ると、「すごい素敵」とつぶやき、カウンターに座ると目をきらきらさせながら周りを見渡し「正直に言いなさい!ココで何人も口説いてきたんでしょ?私は何人目?」って聞いてきた。

僕は「7.8・・・10人目かな?」って冗談を言った。

でも、彼女は僕がモテると本気で勘違いしてるので「さすがだね!」って信じてしまったようだ。

僕が「冗談だって!僕がそんなにモテるわけないでしょ!」って言っても彼女は「またまた〜〜、本当にモテないなら私が彼女に立候補しちゃうよ」って笑った。

彼女がそんな風に僕をモテると勘違いするくらい魅力ある男性としてみていてくれることは嬉しいのだけれど、「立候補しちゃうよ」って笑って言うくらい、僕のことを「友達」としてしか見てくれていないことが切ない。


僕は気持ちがくじけないように、バーボンを頼み、彼女はカシスソーダを頼んだ。

少なくてもこのバーボンとカシスソーダがなくなるまでは、君は僕のものだ。

アルコールで少し潤んだ瞳を見ていると僕はたまらなく彼女が欲しかった。

鍵をかけて、時間を止めて、彼女がココから離れられないようにしたかった。

少し酔って僕の肩に寄りかかればいいのに・・・

僕は少し酔いはじめているのかな?本当に言いたくなった。

けれど、彼女が彼からもらった指輪を嬉しそうに眺めているのをみると、やっぱり何も言えず、お酒と共に全てを飲み干して彼女から目をそらした。

彼女はこの春からずっと片想いをしていたサークルの部長と付き合いだした。

彼は彼女の2つ上で彼も出版業界にいる。彼女の就職活動の相談にのっているうちに、関係が近づいた。僕は彼女からリアルタイムでその事を聞いていて知っている。

そう、僕は彼女の「弟兼恋愛相談役」なのだ。

だから今も二人の会話が途切れて時間がさまようたび、決まって彼女は彼の話を繰り返す。

どう告白されたか、どこでどんなデートをしたか、そして誕生日に指輪をもらったこと、そして・・・

彼女のことはどんなことでも知りたいはずなのに、言葉をさえぎるためだけにタバコに火をつけた。

彼女の心のグラスは彼で満たされてる。このバーボンとカシスソーダを飲み干したら、彼女は彼の胸に戻るのだろう。

鍵をかけて、終電を越えて、彼女がこの店から帰れないようにしたい。

もっと酔って彼の事を忘れちゃえばいいのに・・・

僕はかなり酔っ払っているけど、酔わせる原因とそんな風に思わせる責任は彼女なんだから。

僕は就職活動中の冴えない、「弟兼恋愛相談役」で、
今はただ独りよがりだけど、本当に彼女を好きなんだ。本当に想っているだ。本当の気持ちなんだ。



だけど残りのバーボンを今飲み干して、時計の針を気にした。


鍵をかけて、終電を越えて、時間を止めて・・・・

http://music.yahoo.co.jp/shop/p/53/248066/Y013506






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