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+Pocket Story+コミュのかっぽれ!いなげし蹴球団 11/13

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「王子様、パス致しますわッ!」
一見して交通事故加害者以外の何者にも見えない、全身を朱色に染めた少女がボールを蹴り出した。その顔には恍惚の表情が浮かんでいる。
人間、幸せって色々な形がある。
「有難う、奈津美君」
全員の名前と顔が一致するのかこのタカラジェンヌ。まず、顔を覚えていた所で、今その奈津美という名前らしい少女は、溢れ出す鮮血に染まって顔の判別が出来ない。

「今度こそ!」
シュートを放ったタカラジェンヌ詩織。そのコース上にはこちらの選手は誰もおらず、軌跡の先は直にゴールだ。
「しまったッ!誰か止め…」
俺も指示を出すのが遅れた。

『…パァァァァァーンッ!!』

「…?」
ボールが消えた。正確に言うと空中で粉々に破裂した。

「残念。ボールの表面が磨耗して割れ易くなってたのか」
タカラジェンヌ詩織。
「いや、そんな事は…」
「ないかい? 僕は特殊な回転をかけるせいか、頻繁にある事だよ?」
「…そうなのか?」
それを理由と納得しかけたその時、俺の視界にある男が映った。

DF・サル。
「…うきゃ?」
尻の割れ目に何か刺さっている。本人はそれに気付いていない様子で、ただ違和感はあるらしく不思議そうな顔をしている。
そこから後方に一直線上に視線を移動させると、そこにも男がいた。こちらは何故か右腕を放った格好で制止している。

「忍法! くない投げ!」

「お前かッ!! お前がボールを割った犯人かッ!!」
「ニン!」
「ちゃんと伊東さんの許諾を受けてから使え、それはッ!っつーか、サルに刺さってるあれも含めて何投を外しやがったんだッ!?」
「チン!」
「…訳分かんねぇよ、分かりたくもないけれども。大体、忍法じゃないだろうが固形物を投げつけるだけなのは」
「ヌン…!?」
「今更気付いて驚くな、バカッ!!」

もう何の試合をしているのかも分からなくなってきた…。勝っているのか負けているのかも。
ただ言える事は、このフィールドに立っている人間は漏れなく人として世間に負けているのだけは確かだ。

かっぽれ!いなげし蹴球団
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