ビエンナーレの会場となったアルセナーレはもともと13世紀に建てられた造船所で、その広大な土地にいくつもの劇場を抱えています。フェスティバルのアートディレクター、イスマエル・イヴォさん曰く、僕らがパフォーマンスした劇場”TESE DELLE VERGINI”はその中でも曰く付きの歴史を持った劇場で、造船が行われなくなった後、一時修道院として使われ、修道女たちがそこを去った後に誰かが勝手に住み着き、何とずっと売春宿として機能していたそうです。劇場の名前”TESE DELLE VERGINI”の"VERGINI"とは英語で言うところの"Virigin"つまり「処女」を意味します。その名前の由来には、修道女と売春婦という二つの”Virgin”の意味が込められているという訳です。聖と性、悲劇と喜劇、そんな相反する念のこもった特異な空間・・・全てを終えた今、魔物の正体とは彼女たちだったような気がしてなりません。