ジャック・エリオットは1974年に、今度は前座ではなく、自分自身のコンサート・ツアーのために来日し、トリオ・レコードにライブ版を一枚残している。残念ながら、このLPは、既に廃盤となっているが、日本国内限定でCDが発売されているので、是非、機会があれば一聴をお勧めする。(Ramblin' Jack Elliott "Live in Japan" - VSCD706 (NKDD368) 1997年キングレコード)僕は自分でも少しだけギターを弾くけれど、ストロークとフラットピッキングが渾然一体となった彼の演奏スタイルは独特で、しかも歌を歌いながら、あれだけのギターを伴奏として演奏するとは、やはり相当の名人芸としか言いようがない。
さて、そのランブリン・ジャック・エリオットの7年振りの新作ですが、フォークやカントリーのアメリカン・ルーツ音楽に根差した非常に良質な作品です。特別凄い事をやっているわけではないが、この人自身に染み付いた音楽が自然にこのような素晴らしい音楽を生み出すんですね。例によってトラディショナル中心の曲で構成されています。The Carter FamilyやLedbellyのカヴァーもやっていますが、全てが完全に彼の音になっています。渋い!