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五つ星の本のみを紹介しあう会コミュの赤塚不二夫 『これでいいのだ 赤塚不二夫対談集』

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北野武、ダニエル・カール、タモリ、立川談志、柳美里、松本人志、荒木経惟(2000年)

この濃い〜いラインナップ。背表紙にこのお相手達もずらりと並んでいて、図書館でそれを見ただけで反射的に手に取ってしまった。
で、読んでみて、あら、これ前にも読んでたわ。そういえば前に読んだときも面白かったな〜、と、あれもこれも覚えてる。

特に私が面白かったのが、タモリとアラーキーと柳美里の回。
タモリを上京させようと奮闘した、赤塚不二夫や山下洋輔なんかとのカラミがなにしろ抱腹絶倒に面白いし、TVで見てても全然わからないタモリのすごさがよくわかる。やっぱりタモリ、手ぇ抜いてんだな。
アラーキーも、60年代から今にいたるベストショットを集めた『東京人生』をちょうど読んだばかりで(これがまたものすごくいい)、まさにグッドタイミング。
この対談を遡ること20年以上前に「20年後、見てろよ、オレの写真が本物になるぞ」って言ったとか、赤塚不二夫の陽子さんとの思い出とか、もうね、見所満載。
柳美里はこむずかしくちょっとずれたことばっかりいってるんだけど、赤塚不二夫がそれを「難しいことばっかり言ってんじゃないよ」と、おゲレツなオブラートにくるみつつ、しっかり焦点を合わせていくところがすばらしい。

他の対談もどれもはずれナシの面白さなんだけど、やっぱり一番際立っているのは赤塚不二夫のすごさ、徹底的に馬鹿になりきれる、どこまでも馬鹿を追求するすごさなんだと思う。「下らないことしか好きじゃない」
この7人との対談を読んでいてずっと感じていたのは、このあきれるほどの馬鹿さ、ひっくり返すとそれは赤塚不二夫が極めて常識的な部分を基本に持っているからこそ、相対的に追求することが出来るものなのではないか。
つまり、赤塚不二夫って、ものすごくインテリなんだろうなあ、ってこと。
相手に合わせて、実に細やかに対応を変えているところ(でも基本はちゃんとおゲレツ)なんて、ちょっと尊敬して憧れてしまいさえする。

あともう一つ特筆すべきは、赤塚不二夫の愛。

***
(本文より)
赤塚 あのね、差別ってね、その人を愛することですよ。それを描けば、誰も何とも言わない。 だけど、そいつを馬鹿にするっていう気持ちが少しでもあると、それはダメになっちゃうんだよ。

(中略)
赤塚 たとえば、中国人や朝鮮人の悪口も描いたけど、何にも言ってこないんだよ。それはなぜかと言うと、俺には愛情ってのがあるから。
柳  そうですね。笑いもんにして、まるごと肯定してるから。
赤塚 違う。笑いもん、なんてことはしちゃだめなんだよ。誰のことも。その作品が全体で笑えて面白いってことだけなんだよ。要するに、ナンセンスな世界だけで成り立っていることなの。ギャグっていう愛情。
***

これってやっぱり基本に強固な知性がないと絶対に出来ることではないよなあと、もう、すっかり脱帽。

そうそう、赤塚不二夫がバカボンのパパに扮してアラーキーが撮った写真、サイコーでした。

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