香港ノワール映画－英雄片－コミュの【香港ノワール／新時代】欲望の街古惑仔Ⅰ 銅鑼湾(コーズウェイベイ)の疾風

原題：古惑仔之人在江湖/英雄不敗(Young and Dangerous)
香港　アート･トップ･ムービー･プロダクションズ作品　96年　99分　カラー　彩プロ配給

製作総指揮：ウォン･ジン　製作･脚本：マンフレッド･ウォン　監督･撮影：アンドリュー･ラウ　原作：カウ･マン／ディッキー･ヤウ　音楽：クラレンス･ホイ　美術：リー･ピックワン　編集：マー･コー(マルコ･マック)

出演：(３点リーダー以降の人名は日本語吹替版ビデオのキャスト)
イーキン･チェン(鄭伊健)=ナン…家中宏
ジョーダン･チャン/チャン･シウチョン(陳小春)=サンカイ…竹村拓
ジジ･ライ(黎姿)=サイ…くればやしたくみ
フランシス･ン/ン･ジャンユー(吳鎮宇)=カン…中田和宏
ン･チーホン(吳志雄)=Ｂ
サイモン･ヤム(任達華)=チャン…小杉十郎太
マイケル･ツェー(謝天華)=イー…藤原啓治
ジェイソン･チュー(朱永棠)チョウパン…伊藤健太郎
ジェリー･ラム(林曉峰)=ポウパン…伊藤栄次

★香港裏社会を舞台に､“古惑仔”と呼ばれる若いチンピラたちの生き様をスタイリッシュに描いたアクション･ドラマ。
詳細は：https://movie.walkerplus.com/mv30159/

オリジナル予告編動画↓

コメント(3)

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[1] mixiユーザー 08月08日 02:09

本作が他の"香港ノワール映画"と一線を画しているのは､人気コミックを原作としている点でしょう。
原作のカウ･マン(牛佬､画像右)は12歳から漫画を描き始め､プロの作家の下で技術を学び､30歳で独立した92年に本作の原作となる｢古惑仔｣の執筆を開始します。主人公･鄭浩南が､黒社会の組織･洪興社で最下層のチンピラからトップへのし上がっていくサクセス･ストーリーを軸に､対立組織との抗争や仲間との友情を骨太な劇画タッチで描写し､香港の若者たちから絶大な支持を集め､実写映画化へとつながっていきます。
驚くことに原作では日本最大級の暴力団抗争が物語の発端となっているんですね。で､日本から香港へ脱出した暴力団のヒットマンと鄭浩南との出逢いが､第1部(画像中)のメインストーリーとなるのですが､映画ではこの下りがバッサリカットされています。
映画版も大ヒットし､数年間続くシリーズとなりましたが､原作は息の長い人気となって執筆は28年続き､2020年4月30日､全2335回(!)をもって完結致しました(画像右は最終話のラストカット)。

[2] mixiユーザー 09月26日 12:07

主役の陳浩南には当初アンディ･ラウ(劉德華)にオファーされていました。コレは監督のアンドリュー･ラウ(劉偉強)が来日時のインタビューでも語っていることです。しかしアンディはスケジュールが合わずこのオファーを断ります。なぜか？当コミュを見て頂ければわかる通り､彼はこの時ツイ･ハーク(徐克)制作､レスリー･チャン(張國榮)とのダブル主演による大作『上海グランド』(96年)の撮影に入っていたからです。その後ケニー･ホー(何家勁)にもオファーするものの､やはり中国本土で撮影中の為NGとなり､イーキン･チェン(鄭伊健)へとお鉢が回る恰好となりましたが､皆様ご存知の通りイーキンはこのチャンスを見事モノにし､当り役を掴んだのです。

イーキン･チェンが歌う本作主題歌｢友情歲月｣のPV音源動画↓

イーキンはこれまでの香港映画界のスターたちと異なり､雄弁で表情豊かなタイプではありません。今風に言えば｢陰キャ｣の要素も含んでいます。インタビューでの受答えもユーモラスでありながら､かなりシニカルな含みも見受けられます。そのクールで陰を感じさせる部分､キツめの言いまわしをするなら｢何を考えてるかわからない｣キャラクターだからこそ､その不気味さや繊細さ､そして怖さ込みで陳浩南のキャラクターを大きくふくらます結果につながっていると感じます。勿論人気歌手としてコンサートでは華やかなステージパフォーマンスも披露するイーキンですが､｢歌手の世界を映画に持ち込まないところもいい｣とアンドリュー･ラウ監督も高く評価しています。こうしてアンディら｢香港四大天王｣の後を継ぐ存在となったイーキンですが､前述した彼の(当時の)今風なクールで陰のある雰囲気は､更にこのあと登場するニコラス･ツェー(謝霆鋒)､スティーブン･フォン(馮德倫)､ダニエル･ウー(吳彥祖､サム･リー(李燦森)といった"ジェネックス"世代の新進俳優たちが､彼らなりの解釈で受け継ぐことになります。

ちなみに本作から２年後の98年､アンディ･ラウは本作をプロデュースしたウォン･ジン(王晶)監督と組んで､｢欲望の街古惑仔｣シリーズへのアンサーとも取れる映画に主演します。それが『激戦 A True Mob Story』(ソフトのみ)です。OPタイトルこそ本作と酷似したタッチで始まりますが､人気コミックを原作とした｢古惑仔=チンピラ｣の実際の生き様とは？…という視点で描かれた"香港ノワール"作品です。後刻当コミュニティでも紹介予定です。

[3] mixiユーザー 05月13日 06:26

イーキンの愛車を盗んだことがきっかけで彼と恋仲になるヒロインを演じるのはジジ･ライ(黎姿､画像左)。85年に映画界入りして以来10本前後の映画､そしてTVドラマでキャリアを重ね歌手活動も行っていましたが､20代半ばを迎え女優として岐路に立たされていました。彼女は本作で吃音(ドモリ)でしゃべる不良少女という難役をチャーミングに演じ､観客からも好評を受けて､シリーズ３作に出演し代表作とします。
イーキン扮する陳浩南と固い絆で結ばれた相棒的存在サンカイを演じるのは､当時若手有望株として高い注目を集めていたジョーダン･チャン(チャン･シウチョン=陳小春､画像中)。女好きのお調子者として登場しつつも､イーキンをかばって台湾へ逃れることになり､これが続編への伏線にもなります。
そして､イーキンを窮地に陥れる敵役にはフランシス･ン(ン･ジャンユー=吳鎮宇､画像右)。長い下積みを経て性格俳優として波に乗るなかで出会ったハマり役といって過言ではないと思います。無様な最期含めとにかく印象的でした。

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