ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ピークオイルコミュの食糧問題〜石油への依存と競合〜

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
[画像]富士と美山錦 

現在の食糧生産は、真に、多くの石油消費の上に成り立っています。
バイオ燃料との競合問題も。


◆栽培作物に重要な窒素養分

動物や植物の成長に欠かせない元素(栄養素)として、窒素があります。空気中に大量に存在する窒素分子はとても安定なため、生物が利用するためには、その空気中の窒素を反応性の高い窒素化合物(アンモニアや硝酸塩など)の形にする必要があります。これを窒素固定といいます。

窒素固定が出来るのは、基本的にはニトロゲナーゼという酵素を持つ細菌ですが、特にマメ科の植物(大豆や牧草)は根に根粒を持ち、そこに宿している根粒菌によって窒素固定を行い、地球上の窒素養分の殆どを生み出してきました。

そのため、マメ科以外の栽培作物は、土壌に常に窒素養分を供給してやる必要があります。そのことを経験的に知った人類は、大豆や他のマメ科植物との二毛作にしたり、休耕地には大豆を植えたり、マメ科の牧草を食べて育った家畜やそれを食べた人間の糞尿を肥料として与えてきたのです。

(リン、カリなどほかにも重要な肥料があります。リン鉱石はアメリカやナウルなど枯渇する国もあり、可採年数は100年以内と言われている。)


◆ハーバー・ボッシュ法という罪作りな技術

ところが、20世紀初頭に、工業的に空気中の窒素をアンモニアに変える画期的な技術(ハーバー・ボッシュ法)が開発されました。高校の化学に出てきます。これによって生み出された人工肥料によって、人類の農業は大きな変革を遂げます。人工肥料の生産に比例するように、穀物生産は増加しました。しかし、ハーバー・ボッシュ法は高温・高圧反応のため、大量のエネルギー(現在は主に天然ガス)を必要とします。つまり、食糧生産の拡大は、化石燃料消費の増加に文字通り支えられてきたのです。

科学技術そのものに罪はありませんが、この技術によりもたらせた恩恵・変化と、その先の未来は・・・。


◆産業革命は農業革命?

人工肥料による現代農業への転換は、産業革命の農業版といっていいでしょう。産業革命というと普通は「工業化」を意味しますが、ちょっと地味ですが、私はこの「農業革命」こそが産業革命における一番本質的で人類の運命を左右する文化上の変革という見方が出来ると思います。工業化だけでは人口は増えません。石炭・石油さえあれば、食糧生産を飛躍的にアップさせる事が出来るようになったことで初めて、これまでの旧式農業による食糧供給量の制約による人口限界を超えて、マルサスばりの幾何級数的な人口増加を継続してきたと言えると思います。


◆半分は石油を食ってる

現在、人間の身体の窒素の53%がマメ科由来、47%が人工肥料(=石油などから作る)由来と言われています。つまり、大げさに言えば、摂取するカロリーの半分は石油のエネルギーを食べていることになります。後述するバイオ燃料との競合とも合わせて、まさにエネルギー問題は食糧問題といえ、地下と畑から得られるカロリーを、輸送と食品にどのように効率的に配分するのか、絶対量は足りるのかという問題とも言えます。

ここに、石油に依存する食糧生産の根源的な問題が存在しています。石油が無くなると、一般にはトラクターが動かなくなるのを真っ先に心配しますが、現代農業に投入されるエネルギーの殆どは化学肥料の合成に費やされている部分です。トラクターが動かなくなるだけなら農業従事者を増やすことで物理的に対応可能ですが、肥料が足りなくなれば現在のレベルの食糧生産は原理的に絶対に出来ません。今の人口が食べていくには、肥料生産にエネルギーを注ぐことをやめられないのです。

ハーバー・ボッシュ法という革命的な技術によって、人工肥料なしには生活できない数にまで増えてしまった人類。有限資源に依存する農業革命は、一時的には食糧問題を解決しましたが、一方で未来の深刻な問題を生み出してしまったともいえます。

石油なしには生産すらできない量の食糧によって、今、人類は生活している・・・。


◆10倍のエネルギーを使って生産

また、食糧生産に必要な石油は人工肥料だけではありません。大規模な農機具、農薬、輸送にも大量の石油が使われています。現在、アメリカで消費される総エネルギーの4%が食糧生産に使われ、10〜13%が輸送・加工等に費やされているそうです。つまり、生産の後にさらに多くのエネルギーが消費されている。輸送の問題はかなり深刻ですが、これはまた別のトピックで扱うことにします。

アイオワ州の最新のトウモロコシ農場においては、人間の労働1カロリーあたり、6000カロリーのエネルギーを生み出しているという超高効率な生産ですが、実際はその生産に、60000カロリー以上のエネルギーを投入しています。つまり、得られるカロリーの10倍以上の石油を費やして、穀物を生産していることになります。

大雑把に言うと、車で10キロ走るエネルギーで、パン1kgを生産している計算になります。
じゃぶじゃぶ石油を使って食品を作り、それを食べて生活しているわけです。

そして、日本人はそのようにして作られた食糧に、食事のかなりの割合を依存しています。


◆大豆はつくっとこうよ

主にアメリカのトウモロコシ大農場では、大豆との二毛作によって、化学肥料の量を減らす農法が多く行われてきましたが、最近のバイオエタノールブームによって、大豆生産を辞めて、トウモロコシの二期作+化学肥料の道に進む農家が、ここ1,2年で急増しています。小麦農家も然り。この傾向は、さらに加速していくでしょう。皮肉な事に、油価が上がれば上がるほど。儲かるからです。


◆構造的に歯止めが利かない!!

大豆生産が減ると、必然的に化学肥料の投入量が増え、石油需要が増加し、油価高騰に繋がる、エタノール需要が増える、エタノール価格が上がる、トウモロコシが高く売れる、大豆生産をやめてトウモロコシを作ったほうが儲かる、というように、どうしようもないスパイラルな関係にあります。おまけにブッシュ大統領はトウモロコシ生産を奨励している。

大豆生産が減ることにより、大豆価格も上がります。こうして、大豆・小麦・トウモロコシの値段が上がり、これらを食べる家畜の値段も上がる。大豆・トウモロコシから作る植物油の値段も上がる。マヨネーズの値段も上がる。


◆日本固有の問題も

日本の食は、古来豆文化とも言えますが、大豆の自給率はたった5%ほどです。ハーバー・ボッシュ法によって、大豆生産の必要性が下がってしまったという悲しさもありますが、近年の大豆→トウモロコシの変化と、大豆油のディーゼル燃料への転用によって、食用大豆供給は減少せざるを得ない運命にあり、日本の食文化を直撃する可能性があります。

また、日本人は遺伝子組み換え作物を極端に嫌うため、日本輸出向けの食用生産物は、遺伝子組み換えをせず、農薬生産を行っていますが、バイオエタノールブームによって、生産効率の良い遺伝子組み換え作物に作付転換をする農家が、大豆・トウモロコシとも増加しています。このことにより、日本人が食べられる食品はますます減少せざるを得ず、日本の食卓はますます食品価格高騰に晒される可能性があります。


◆ピークオイルがやってくると・・・

ピークオイルがやってくると、石油消費を減らす必要があります。その時、全体からバランスよく減らすことになるのか、優先順位の低い順に減らすことになるのか、それは市場が決めることになると思いますので、とても難しい予測です。
仮に食糧生産に費やされる石油の量が減るとすると、人工肥料の生産(=窒素養分)が減ることになり、ダイレクトに食糧の減産につながります。食糧の価格と生産量は暗に石油とつながっていて、石油生産量が減れば不可避に食糧生産も減り、油価が上がれば肥料代・輸送費も上がる為それだけ食糧価格も上がります。石油生産が減ると、バイオエタノールの生産量が増え、食糧減産にさらに拍車がかかり、スパイラルにインフレが起き、食糧の絶対量も減り続けるでしょう。そして、実質的に価格・量とも問題として我慢できないレベルになったとき、「なんらかの力」(反対運動や政府判断とか?)によって歯止めがかかり、ようやく多くの人が事態の深刻さに気づくのではないでしょうか。

もう少し、具体的にこれからなにがおきて、どうなるのか。それを予測し記述することは、不可能なほど困難なことですが、人類が賢ければ徐々に変化していくかもしれないし、変化が破滅的に急激に訪れる可能性もあります。得てして食糧の問題は人類史上を見ても深刻であって、人類の争いは食糧の争いと言っても過言ではありません。食べ物の恨みは怖いぞー、ってなわけです。


◆じゃあどうすればいいのか・・・

石油減産は避けられないとしても、少なくともいえることがあります。どれだけ効果があるかは未知数ですが・・・。まず、諸悪の根源の化学肥料の生産と使用を出来るだけ控え、窒素供給源としてマメ科との二毛作か、生物由来の肥料(つまりは今垂れ流している貴重な窒素源=人糞も使う・・・)に切り替えていくことです。また、バイオエタノールとしてのエネルギー収支比の低いトウモロコシはエタノールにはしないこと。生産方法によっては作れば作るほど石油消費量の増加に繋がる可能性があります。輸送コストを減らすため、出来るだけ近くの生産地の食材を選び、それでも成り立つ暮らしと生産・需給ルートを確立していくこと。輸送には出来るだけ鉄道を使うこと。
なにより、無駄なく食べること。人類は生産した約半分の食材を何らかの形で無駄にしているそうです。


◆コメを食え・・・ばいいの?

また、日本は稲作という、あまり肥料を使わなくても、山から運ばれる養分を水を通して活用する、生活の知恵の結晶のような食文化があるわけですが、作物の育ちにくい火山地質の日本で、食糧自給率を高めるには、日本人がどれだけコメを食べるかにもかかっています。パンは確かに手軽で、おいしいし、日本に根付いた独自のパン文化の奥深さには頭が下がりますし、うどん・お好み焼き・ラーメン・イタ飯屋(ピザ屋含む)などその他小麦主食業界で働いている方には申し訳ありませんが、日本の未来のために、日本人はコメをもっと食べて、その分稲作を増やすのが良いのではと思います。

京大の名物教授の一人、森谷敏夫教授や、美容界の権威、故鈴木その子氏によれば、米食はダイエット効果があるらしいです。メタボ(++)も解決☆で、一石二鳥?

※ただし、必ずしもお米を作ればよいとは限りません。現代型の稲作は、必ずしもエネルギー効率がよい農業とは言えないようです。いま勉強中ではっきりとしたことは言えませんが、江戸時代の飢饉や、戦時中の飢えを救ったサツマイモなどの方が、食糧自給率を高めるという観点からはより有効なのかもしれません。


そしてなにより、一番の目標は、

石油消費を減らすこと。無駄をなくすこと。


と思います。

2007.4.21記
2007.5.10加筆
2007.5.26加筆
追記:私は食糧問題をちゃんと勉強したことはありませんので、あまり自信が無いのですが、現時点での私の素人認識です。
追記2:窒素肥料が石油消費に依存している点を強調しすぎていると後で気づきました。これにより食糧の価格が石油価格に連動して高騰することはあり得ますが、ピークオイル即食糧難とはなりません。また、食に関して言えば、保存(冷蔵・冷凍)と加工(過熱・調理)にかかっているエネルギーが最大らしく、次いで輸送燃料、その次に化学肥料となっているらしいです。まだ確認できてませんが。
追記3;米よりもサツマイモ?という話を少し入れてみました。食事は、趣向が絡むため机上の話にはどうしても限界があります。当面は、バイオ燃料との競合問題を考えているのが無難かなと思えてきました。

コメント(431)

食料「高くても国産」93% 内閣府調査
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081116AT1G1501M15112008.html
・・・食料自給率を「高めるべきだ」と回答した人に必要な施策をたずねると、「国内生産の拡大に向けた取り組み」が最多の53.1%・・・



こういう具体性のない回答を施策っていうのかい?
http://www.telegraph.co.uk/earth/agriculture/farming/3484996/Were-All-Farmers-Now.html

We're All Farmers Now

"・・・According to Patrick Holden, director of the Soil Association, next year is tipped to be "peak oil" year. This means that from 2009, fossil fuel extraction will start tailing off globally – most rapidly in western Europe. ・・・

It takes 10 calories of fossil fuel to produce one calorie of food in Western culture. "Anyone can see that this is not sustainable," says Holden, who predicts that the big issue for coming years will be "food security".・・・"

ドイツ連邦内閣 バイオ燃料促進変更法案を承認

 ドイツ連邦内閣は、10月22日、バイオ燃料促進変更法案を承認した。
この法案は、バイオ燃料と食糧となる作物の作付けに関する対立を回避するとともに、
バイオ燃料の拡大の目的について、これまでよりも、温室効果ガス排出量の
効果的な削減を重視することを目指すもの。
また、2009年の初めには、燃料への混合の割合を6.25%とする予定だったが、
これを1年先延ばしすることにした。
 法案の概要は下記のとおり。
●燃料への混合の割合は、2009年は5.25%、2010年に6.25%に高め、
2014年までこの値を維持する。2011年には、
特に、バイオ燃料の生産過程での持続可能性に重点を置いて、
混合割合に関するレビューを行う。
●バイオガスを加工したバイオメタンガスも、オットー燃料に占める
混合割合や全体に占める混合割合に含めることができる。
ただし、バイオメタンガスの生産過程で、一定の基準
(気候へのトータルな影響を考慮)を満たしたものにのみ適応される。
●純植物性のバイオディーゼルにかかる税金は、今後数年間、これまでよりも、
1リットルにつき3セント引き下げられる。
●バイオ燃料の混合割合は、2015年以降、温室効果ガス削減への寄与度を基に
決定する方法に変更される(生産過程での排出量も考慮)。
【ドイツ連邦環境省】
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=11191
Warnings of Food Riots resulting from Global Economic Crisis

Global Research, November 27, 2008
George Washington Blog
http://www.dailykos.com/storyonly/2008/11/27/11143/168/114/667032
The Famine Of 2009 (updated 4x)
by Stranded Wind
Thu Nov 27, 2008 at 08:18:15 AM PST

" ・・・unless I'm badly mistaken people are going to be starving in 2009 over causes and conditions being set down right now.
・・・
So, we're already facing what Bryan Lutter calls "the mother of all fertilizer shortages" next spring and on top of that local banks won't lend to farmers.・・・"
食料自給率の工程表を発表 農林水産省
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081202AT3S0200N02122008.html
「石破茂農相は同日の閣議後の会見で50%への引き上げについて「政府全体の目標として努力する」と発言。」


努力しなくても輸入減で自給率は上がるかも…
http://www.usatoday.com/money/industries/food/2008-12-01-pilgrims-pride-bankruptcy-chicken_N.htm
The chicken industry's No. 1 producer, Pilgrim's Pride, filed for Chapter 11 on Monday.
By Julie Schmit, USA TODAY

No.1養鶏業者が破綻
http://whiskeyandgunpowder.com/meal-ticket/
Crash in Food Supply
Dec 3rd, 2008 | By Chris Mayer

"・・・the credit crisis is also affecting the world’s ability to produce one thing important to everyone: food.・・・No credit; no crops."

"・・・The head of the Russian Grain Union says, “Many farmers probably won’t be able to borrow money for the spring sowing.” This is important because Russia is no lightweight in the grain division. It produces 9% of the world’s wheat・・・

"A number of countries already fear what might happen next year.

The Washington Post Foreign Service in Shanghai reports that China adopted a number of measures to protect itself from the worsening food crisis・・・ "


A distant mirror: Ireland's great famine
http://europe.theoildrum.com/node/4498
Posted by Ugo Bardi on December 12, 2008


愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ(ビスマルク)
↑ 産業革命で急成長していた19世紀に起こったアイルランドのジャガイモ飢饉について、長文嫌いの人のために上記記事から教訓となる記述を抜粋

"It was a period of optimism and of economic growth; and yet more than a million people died in a few years in a European country because of lack of food. "

"About one million people died in a few years as the direct result of the famine. Another half million died of diseases related to the lack of food. Many tried to escape to the United States. "

"It is reported that in the years before the famine, there were so many potatoes in Ireland that people had to throw them away. Then, in a few years, people were dropping dead of starvation along the streets. Yet, the famine was not, and could not, be unexpected. "
ネタ元がwikipediaばかりというのお恥ずかしいですが
ジャガイモ飢饉については参考になります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%A2%E9%A3%A2%E9%A5%89


最も参考になったのは以下の部分
----
さらに、ジャガイモは通常前年の塊茎を植えるという無性生殖による栽培法を用いるが、ヨーロッパでは、収量の多い品種に偏って栽培されており、遺伝的多様性がほとんどなかった。そのため、菌の感染に耐え得るジャガイモがなく、菌の感染がこれまでないほど広がった。ジャガイモが主食作物であった原産地のアンデス地方では、ひとつの畑にいくつもの品種を混ぜて栽培する習慣が伝統的に存在し、これが特定の病原菌(レース)の蔓延による飢饉を防いでいたのである。
---
なるほど、多様性は大事だな、と。
http://energybulletin.net/node/47525
Published Dec 18 2008 by Energy Farms Network
Archived Dec 21 2008
Scenario 2020: the future of food in Mendocino county
by Jason Bradford

この未来シナリオ、2009年12月にトラックの操業停止に伴ってジャスト・イン・タイム・デリバリー方式が停止して、困ったことになる。だから、これこれの備え・リーダーシップが必要だ、という話。

冒頭、"Let’s start with the credit market break down in 2008. What followed was a plunge in the volume and reliability of global trade. Without access to the free flow of credit, countries experienced food and fuel shortages."と、信用市場の崩壊に続いて世界貿易の規模と信頼が縮小して云々と回顧することから始まるのだが、たまたま今日発表された財務省の貿易統計の中身とオーバーラップしてしまうんだよね・・・
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/2008/200811c.pdf
ぬりさんの書込みで
初めてForbesのサイトを見たが
私の感性にピンとくる記事を見つけました。

人口論のマルサスと
クリスマスキャロルのスクルージ(ガメツイ爺さん)の話。

「マルサスとスクルージ」
http://www.forbes.com/2008/12/24/malthus-dickens-scrooge-oped-cx_jb_1224bowyer.html?partner=links

His prediction of mass death has taken place;
not because he was right, but because he was believed.

---
読解にはあまり自信はないのですがとりあえず。
人類は食糧危機を克服できるか −日経エコノミー−
http://eco.nikkei.co.jp/special/nationalgeographic/article.aspx?id=MMECf1000001062009

2008年に世界を襲った食料価格の高騰は、食料危機の到来を告げる警鐘だった。2005年から昨年夏にかけて、小麦とトウモロコシの国際価格は3倍、コメは5倍に上昇。それに伴って、エジプトやバングラデシュ、中米のハイチなど世界20カ国以上で暴動が起き、7500万人が新たに貧困層へ加わった。農作物の不作による短期的な値上がりは過去にも繰り返されてきたが、今回は世界の穀物生産量が史上最高に達した年に価格が跳ね上がった点が、事の重大さを物語っている。
石油とは関係ありませんが、ここ半年ほどミツバチ不足の話題が多いですね。本や記事も沢山出ています。


授粉用のミツバチ不足が深刻な問題となっている中、ミツバチ激減に新たな説が浮上している。
子どもたちでにぎわう山梨・昭和町のイチゴ園のすぐ横では、大量の奇形のイチゴがあった。
「いちご園 みない」の藥袋義久さんは「ミツバチの絶対的な量が少ない。(そのために)未受粉のイチゴが増えてしまうということですね」と話した。巣箱の回りには、ミツバチの死骸(しがい)があった。
「授粉用ミツバチ」の不足が今、深刻な問題になっている。

原田武夫国際戦略情報研究所の森山文恵研究員は「国連の報道によると、気象の変動よりも、もっと深刻な問題かも知れないと言われ始めています」と話した。果物だけでなく、ミツバチによる授粉は、キュウリ、ナス、かぼちゃなど、野菜の授粉にも欠かせないものだが、農林水産省の調査によると、2008年だけで、およそ14%の授粉用ミツバチが減ったことが明らかになった。山梨・東根市のサクランボ農家では2009年、10箱のミツバチを購入したというが、もうすでに、半分以上のミツバチが死んだという。

群れごとこつ然ととミツバチが姿を消したアメリカをはじめ、世界15の国や地域で、ミツバチの激減が確認されている。
原田武夫国際戦略情報研究所の森山文恵研究員は「アメリカの農業被害。農業における損失被害というのは、(日本円に換算すると)だいたい1年間で約1兆4,400億円くらいはあると」と話した。
農林水産省は、この謎に挑む研究者を緊急公募していて、研究費を1,000万円まで負担するという。

今回、日本で初めてとなるミツバチへのPCR検査を行い、3種類ほどのウイルスに感染していることが明らかになった。
しかし、名古屋大学大学院の門脇辰彦准教授は「ミツバチが健康な状態であれば、ウイルスがいたとしても、それがすぐに病気になるわけではありません」と話した。実は、人為的要因でミツバチがストレスを受け、免疫力が低下している可能性があるという。名古屋大学大学院の門脇准教授は「ビニールハウスでの授粉用に使うということを始めたのが10年くらい前からじゃないかなと思うんですけど、例えば封鎖空間の中で、長期間置かれた場合は非常なストレスになるのではないか」と話した。
食料生産、30年までに4割増必要 OECDなど見通し −日経ネット−
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090617AT2M1702217062009.html

 経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は17日、2009年版の農業アウトルック(見通し)を発表した。新興国での人口増や食料需要の増大をまかなうには、世界の食料生産を30年までに現在の4割増、50年までには同7割増に増やす必要があると予測。新たな農地開拓や生産性の向上が不可欠だと指摘した。今後10年の農産物価格は2割程度上昇すると見通した。

 昨年のエネルギー、食料価格の高騰は収まったが、新興・途上国の長期的な人口増を考えると、食料の安定的な増産が欠かせないと強調。農地面積は現在の約14億ヘクタールから、南米やアフリカを中心に15.6億ヘクタールの上積みが可能だと分析した。ただ、農地拡大は環境問題への配慮が必要だとした。具体的には農業用水の不足や世界的な洪水の増加などを不安定要因に挙げた。
さらなる競争が日本の農業の将来的な発展の鍵である

『Evaluation of Agricultural Policy Reforms in Japan(日本における農政改革の評価)』
http://www.oecdtokyo.org/theme/agri/2009/20090519agrijapan.html

仮訳
http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/agriculture_pdf/20090519agrijapan.pdf

「食料安全保障は日本によって重要な政策目的である。このレポートでは、近年の食料安全保障リスクは不十分な生産よりもむしろ高価格により関係していることを再確認している。食料安全保障は、競争力があり効率的な農業構造を確立すること及び農産物市場における開かれた貿易により最も改善される。」

「特に、将来における農地の転用の可能性を完全に排除しない転用規制を行っていることは、農地市場に対する政策リスクを生み、転用期待を生むだけでなく、投資を遅らせたり、農地の賃借を阻害するといった影響を持ちうる。」
穀物も全面高=米シカゴ市場
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009102200108

21日のシカゴ商品取引所(CBOT)の主要穀物先物相場は全面高の展開となった。1年ぶりの高値をつけた原油先物相場、ドル安進行を手掛かりに投機資金が流れ込んだのが背景。トウモロコシ、大豆については豊作が予想されているものの、この日は他商品の動向に大きく左右された。
 トウモロコシ先物12月物は3%以上値を上げ、1ブッシェル=3.9825ドルで終了。一時は約4カ月ぶりに4ドルの大台を突破した
「食料、7割増産が必要」 FAO、サミット16日開幕 -日経ネット-
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091116AT2M1500J15112009.html

国連食糧農業機関(FAO)が16日からローマで開く「食料サミット」の共同宣言案が明らかになった。「2050年に90億人を突破する世界人口を養うためには食料生産量を今より70%増やす必要がある」と明記し、農業国には増産、先進国には政府開発援助(ODA)拡大を求めた。
しょうへいへいさん

 相変わらず食料マフィア(モンサントなど)に踊らされてますねぇ、、、
 人口の方を制限しなければいけないのに。
■「米が記録的な豊作」
2009年11月26日付
http://lenta.ru/news/2009/11/26/ris/
----------------------------------------------------------

ロシアの2009年の米の生産量は97万6000トンという記録的な豊作になる見込みだ。

ノーボスチ通信によれば、これはエレナ・スクリニク農業相がプーチン首相との
会談で明らかにしたものだ。

この豊作の結果、米の輸入は減る見通しだ。スクリニク農業相によれば、輸入量
は3割減るということだ。ただし、それでも米の自給は達成できない。

ロシアの米の年間消費量は120万トンだ。それに対し、中国の2008年の米生産量
は1億3500万トンに及ぶ。

プライム・タス通信によると、スクリニク農業相は2009年の穀物生産量は正味重
量で9300万トンに達し、そのうちの1900万トンが輸出に回されると述べた。

2008年、ロシアは2300万トンを輸出し、主要な穀物輸出国の仲間入りを果たした。

何度か報じられたことだが、2009年の世界の穀物生産量は前年比で3パーセント
ほど減るものとみられる。それでも2009年は豊作だといえる。2007年以前の生産
量がかなり少なかったのだ。
米粉で食料自給率アップを目指す 業界が団結

日本人の主食である米を粉末にした食材「米粉」の普及と消費拡大を目指す
「米粉倶楽部」が2009年10日6日に発足した。これは食料自給向上に向けた国民
運動「FOOD ACTION NIPPON」の活動の一環で、流通業者や食品会社が協力し、米
粉を使用した製品の発売やレシピ紹介などを通じて米粉の美味しさをアピールす
るというもの。
http://www.japanfs.org/ja/pages/029644.html
ピークファットだって(笑)

みなさん自動的に痩せれますね。

Peak Fat
Posted by Ugo Bardi on January 22, 2010 - 1:30am in The Oil Drum: Europe
http://bit.ly/cLAXX6
荒廃する穀倉地帯、ナイルデルタに海水侵入
2010年02月10日 17:02 発信地:ロゼッタ/エジプト
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2693031/5299010
【2月10日 AFP】古代から世界有数の穀倉地帯となっているエジプトのナイルデルタ(Nile Delta)が、海面上昇により塩分の多い荒れた土地に変わりつつあり、一部の農民たちが移住を余儀なくされている。

 専門家らによると、地球温暖化の影響で、ナイルデルタに面した地中海の水位が過去100年間で20センチ上昇し、海水の浸入が深刻な問題となっている。
 
 政府の最新予測によると、2025年までに海面は30センチ上昇し、エジプト第2の都市アレクサンドリア(Alexandria)の沿岸部約200平方キロが水浸しになる。その結果、住民50万人以上が移住を余儀なくされ、7万人が失業する可能性があるという。

 専門家らは、このような状況が続くと大規模な食糧不足が起こり、今世紀末までに700万人の「気候難民」が発生すると指摘する。

 肥沃なナイルデルタで生産される農産物は、エジプトの人口8000万人の食糧の3分の1を供給するうえに、大半は外国にも輸出され、同国の重要な収入源となっている。

■防水壁で海水防ぐ計画も

 そんななか、エンジニアリング企業のHamza Associates社は、海と陸地を効果的に隔てる防水壁を建設し、海岸を2メートル底上げするという計画を提案している。これにより、地上だけではなく地下でも水の浸入を防ぐことが可能という。

 この計画は2007年に政府に提出されたが、壁は地中海のビーチリゾートの景観を損ねるとの懸念から、ゴーサインは出ていない。(c)AFP/Fatma Ahmed

エジプト・ロゼッタ(Rosetta)で、海水の侵入により塩が点在するナイルデルタの農地(2009年12月16日撮影)。(c)AFP/KHALED DESOUKI
石油監査人
荒廃する穀倉地帯、ナイルデルタに海水侵入

http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/58736383.html

ナイル川流域のエジプト、スーダン、エチオピアでは、人口の増加から、穀物と水の需要が増えたために、ナイル川からの取水量を増やしています。

その結果、ナイル川が地中海に達する時点では、殆ど水が残っていない状態が慢性化しています。
上のニュースでは、海水の浸入が取り上げられていますが、おそらく、その背景には、ナイル川の流量低下があると推測されます。

これらの国が食糧輸入を本格化させた場合、穀物の国際価格が高騰することは間違い無いと思います。

上の三ヶ国の人口見通し(現在→2050年 伸び率)
エジプト 7500万人→1億2100万人 61.3%
スーダン 3900万人→7300万人 87.2%
エチオピア 8300万人→1億8300万人 120.5%
−−−−−
三ヶ国合計 1億9700万人→3億7700万人 91.4%
>ぬりさま
国際河川をめぐる紛争が激しくなっていますね。
人口爆発は破滅への序曲でしょうか…。
eusebioさん

なんかそんなきがしてしまいますね…。
米国もそろそろオガララ帯水層などの地下水を半分近くつかい切ってきたので、あと10年か20年以内に出が悪くなってくるころと聞きました(地下水ピーク?)。


日本の医療福祉政策と同じで、ローカルには大切で否定できない「健康状態の改善」が、人類を歯止めの効かないマクロな破滅へと導いてしまっている気がします。
石油監査人さんのブログより

ピーク・フォスフォラス(リンのピーク)?Farmland −Forest−
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/59277164.html


リンのピークアウトは、2030年頃と言われています。
商業的に産出可能な埋蔵量は、150億トンと見積もられています。
毎年の産出量は、1億6700万トンです。


質も劣化していくんでしょうね。

石油監査人さん曰く、「非常に重要な話なので、複数回に分けて紹介します。」とのことです。
しょうへいへいさん


私もこれ紹介しようと思ってました。気が合いますね。
それにしても石油監査人さんはすごいなあ。
燐鉱石の採掘で南洋の島々がなくなってますもんね。

で、海産物原料の堆肥を産業化すれば、ちょっとは対応出来るかな?
海底汚泥とかが産業化出来るかな?
う〇こも使えますね。
江戸時代には商売成り立ってたらしいですし。

ドブネズミを美しいと思える様な心が必要ですけどw
(リンだリンだ〜♪)


ぬりさん

そう言って頂いて嬉しいです。

石油監査人さんとツイッターに感謝。
石油監査人さんが、ピーク・フォスフォラス(リンのピーク)の続編もアップされていましたので、紹介を

ピーク・フォスフォラス?
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/59298888.html
ピーク・フォスフォラス?
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/59322881.html


「今のところ、リン資源の減退の問題は、政府や国連、NGOなどを除いて、殆ど知られていません。
2009年5月にカナダのバンクーバーで、肥料のリサイクルシステムの確立に関して、国際会議が開かれ、30ヶ国が参加しました。
しかし、民間の反応は、殆どありません。
今後の課題は、この問題をどうやって、一般に知らしめるかです」

−石油監査人さん−
糞尿からのリンの回収って、結構セミナーとか盛んにやられてると思ってましたが。
 バイオガス液肥の普及活動をしている友人から聞いた話(ただしうろ覚え)。
 日本の農地の多くは、合成肥料のやりすぎでリン蓄積量が過大になっているのだそうです。そこで、堆肥投入をしばらくやめ、N/P比の大きなバイオガス液肥に切り替えると、生産が落ちないだけでなく土壌の健全化にもつながるとか。
 物質循環をじっくり考え、社会システムの転換点を上手に作り出すのがよいと考えています。
3月の中国石油消費、前年比12.3%増=気温上昇による農作業活発化で
2010/04/22 10:29[エネルギー][時事通信社]
 【北京・ロイターES=時事】ロイター通信が21日発表した正式統計に基づく試算によると、3月の中国の石油消費は前年同月比で12.3%増加し、日量825万バレルに達した。伸び率が2ケタとなるのは7カ月連続。前月比では4.6%の減少。気温の上昇で、停滞していた農作業が活発化したことが理由。
 中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)の関係者は「現在は春の農作業のピーク時にあるため、今後数カ月間の石油消費は大幅に増加するだろう」と説明
Food Vs. Fuel: Growing Grain for Food Is More Energy Efficient
http://www.sciencedaily.com/releases/2010/04/100419172855.htm
2月の世界食料価格指数、2.2%上昇−石油高騰で過去最高に −WSJ−
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_191509


周知のことではありますが、食料価格が高騰してきてます。

この記事では、石油高騰に伴い、代替燃料となるエタノールの原料となるトウモロコシなどの作物の作付けが増加してきていることを原因として挙げていますが、もっと複合的な理由があるようにも。。

ともあれ、石油と食料の高騰というダブルパンチ到来かと思い、このトピを引っ張り出してみました(笑)
合田さんがFacebokでいってましたが、タイで食用油が足りないって話も気になります。

ログインすると、残り392件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ピークオイル 更新情報

ピークオイルのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング