とにかく怖い話。コミュの【実】悪意の矛先【梟】*自己責任*

昔、一人暮らしを謳歌するために住んでいたｱﾊﾟｰﾄでの体験談『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞを書いている者です。

『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞもpart30を迎えました。

投稿する間隔が空いてしまい、申し訳ありません
m(_ _)m深々

ちょっとﾘｱﾙで色々とありまして、執筆している時間が皆無でした。

今回の投稿は、ちょっと特殊な感じの話になります。

あちらさん関連というよりも、生きてる人間の『負』の部分のお話になるかもしれません。

呪詛的な要素にも掠るので、もしかしたら読み手さんに何らかの影響が出る場合も。

なので……ここより先は、『自己責任』にて閲覧いただけますようお願いいたします。

なお、今回の投稿は長くなるので、ｺﾒﾝﾄ欄を使用しますが悪しからず。

文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね
m(_ _)m






五感が伴う夢ほど、質の悪いものはない。

睡眠に貪欲な私は、常々そう思いながら夢を見る。

特に『悪夢』なんてｶﾃｺﾞﾘｰをみた日には、『ﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞ思考MAX』な私であっても、数日はまともな睡眠がとれなくなる。

幼少時代に比べたら、ある程度の抗体が出来ているので『夢』に『現実』が侵食されることは少くなってきたけど。

上記で述べた『五感を伴う夢』は、睡眠時間を極限まで蝕む原因と言っても過言ではなかったりする。

年齢を重ねるとね、睡眠がまともにとれないのは正直辛いんよ

まぁ、ﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞ思考故に長く後を引く事もないからいいねんけど。

前書きが長くなってしまったので本題へ。

一人暮らしをしていたｱﾊﾟｰﾄから、色々あって実家に帰ってきた。

色々と言っても、あちらさん関連ではなく、身内の事情なんやけど。

あれは確か……2ヶ月位たった頃だったかな？

私は毎晩、同じ夢を見るようになっていた。

眠りに落ちて、最初に目にするのは闇一色。

上下左右、視界が奪われているような状態の空間に、多分自分一人という状況。

平衡感覚が狂いそうな中で、唯一『立っている』と自覚させてくれるのは、足の裏に生々しく感じる冷たくて堅い床(もしくは地面)の感触だけ。

う〜ん、どんな状態やねん、これ？

なんにも見えへんし、なんにも聞こえへん。

目隠しと耳栓か？

いや……特に顔を触っても、そんなもん装備してる感じはしないなぁ。

そう言えば……人間って、無音の暗闇に放り込まれたら何時間で発狂するんだっけ？

そんな不吉極まりない事を考えるのは、最近読み始めた小説の影響だろうなぁ。

ｴﾄﾞｶﾞｰ･ｱﾗﾝ･ﾎﾟｰの作品なんて読むんじゃなかった。

うん、発狂は……嫌やな

自分の姿すら認識できない闇の中で、自分がここにいる原因についてﾎﾞﾝﾔﾘと考えてみる。

てか、今さらだけど……これって夢なんだよなぁ。

なんて、冷静に現状を分析している自分に思わず苦笑いが浮かんだ。

周囲を把握できない状況で、下手に動くなんて出来ないしなぁ。

一歩、足を踏み出したら真っ逆さまとか洒落にならん。

痛いのも怖いの嫌だし、取り敢えず現状維持と言うことで、何か変化が起こるまで突っ立ってようかな。

そんな状態がどの位続いたんやろ？

自分の視界の奥の方が、ぼんやりと明るくなってきた。

『…ｻﾞｸｯ…ｻﾞｸｯ…』

それと同時に、なんか変な音が空間に響き渡る。

う〜ん、まるで厚みのある布製の何かに刃物でも突き刺しているような？

枕とか、ｸｯｼｮﾝとか、そんな感じのやつ。

何やろ？

音の合間に『ﾎﾞｿﾎﾞｿ』と、か細く何かを囁いている声が聞こえる……ような気もする。

ﾎﾝﾏに何やろ？

そう思いつつ、ぼんやりとした光をｼﾞｯと見つめていた。

『ｻﾞｸｯ』

と言う鈍い音と共に、今までに遠くに感じていた淡い光が、急に数ﾒｰﾄﾙ手前まで寄ってきた。

うわっと……ﾋﾞｯｸﾘしたやんか

目の前で、相変わらず淡い光を漏らす空間を凝視してみると、その空間の中に動く物体がいる。

『ｻﾞｸｯｻﾞｸｯｻﾞｸｯ』

まるで……ﾋﾟﾝﾄがﾎﾞｹた映画でも観ているような光景だった。

一心不乱に繰り返される音を放つ物体を、目を細めて必死に確認しようとしている自分がいる。

なぜ確認しようと思ったんやろ？

たぶん、無意識やったんかもしれへんけど。

目の前にそんな光景があったら、一体なんなのか確認したくなるんが普通なんやないかなぁ。

あぁ、好奇心旺盛な私のお馬鹿さん。

『後悔先に立たず』っていうのは、現状の事を言うんやろね。

音の合間に、ﾌﾞﾂﾌﾞﾂと譫言のように漏れる言葉をはっきりと耳が捕らえた途端やった。

今までﾎﾞｹていた視界がｸﾘｱになり、目の前に写し出された光景に息をのむ。

短い髪を振り乱す座り込んだ後ろ姿。

振り上げては降り下ろし、激しく上下する痩せ細った両腕。

荒れ果てた部屋。

灯された蝋燭の灯り。

両手で握ぎられた柳刃包丁。

布を切り裂く音と共に、衝撃で床からﾌﾜﾘと浮かぶﾎﾞﾛﾎﾞﾛになりつつある何かのﾇｲｸﾞﾙﾐ。

白い綿がはみ出て、所々赤く染まっている。

ありったけの力で柄を握る青白い手は、皮膚の下の骨と血管が浮き出ていた。

『………』

絶句だった。

息をするのも苦しいくらいに。

『…殺す…』

ｻﾞｸｯ

『…死ね…』

ｻﾞｸｯ

『…逃がすもんか…』

ｻﾞｸｯ

『…憎い…』

ｻﾞｸｯ

『…苦しい…』

ｻﾞｸｯ

『絶対に…許すもんか』

ﾀﾞﾝｯﾊﾞｷｯ

叫ぶように絞り出された言葉を最後に、ﾋﾟﾀﾘと動きが停止した。

ﾀﾞﾗﾘと項垂れる首。

力の抜けた右手に握る包丁は、刃の部分が折れて、あれでは使い物にならへんやろな。

相変わらずのﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞ思考やな、私。

そう思っていると、ﾋﾟﾝﾄが急に歪みﾚ出して……ゆっくりと視界が闇に染まっていく。

ここまでが、連日見続けていた夢の内容だった。

響き渡る目覚ましのｱﾗｰﾑを止めてから、布団から起き上がる。

同じ内容の夢を見続けるなんて……。

なんか意味があるをやろか？

きっと、読んでいる小説のせいだと思って読書をやめた。

なのに……見続ける悪夢は、一体何なんやろ？

そんなこんなで更に数日。



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