とにかく怖い話。コミュの【実体験】一人暮らしpart[23]

昔、一人暮らしを謳歌するために住んでいたｱﾊﾟｰﾄでの体験談『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞも第23段となりました。

このｼﾘｰｽﾞも、随分と増えたもんやなとｼﾐｼﾞﾐ〜と思います。

毎回、調子にのってすみません
m(_ _)m

なお、初見の方はｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある

【実体験】一人暮らし
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=65026318&comment_count=96&comm_id=1154462

を読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。

もちろん、強制ではないので悪しからず。

文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね。



《取り敢えずｽﾙｰしとこうか》



実際、生きている人間に同じような行動をとられたら、きっと私は警察に行くだろうなぁ……。

そんな風に思いながら、一定の距離を保ちつつ背後をついてくる存在に小さく溜め息が出た。

最初に“あれ”を認識したのは、確か夏真っ盛りの仕事場だったなぁ。

そうｼﾐｼﾞﾐと思いながら、あの時の事を回想してみる。

当時の仕事場で、たまに顔を会わせるEさんと言うﾄﾗｯｸの運ちゃんがいた。

その人は、いい感じに貫禄がある50を過ぎたおじさんでして。

綺麗に剃りこまれたﾂﾙﾂﾙの頭と、人懐っこい笑顔がﾁｬｰﾑﾎﾟｲﾝﾄ。

そんなEさんと、私は休憩時間の一服ﾀｲﾑに喫煙所でﾊﾞｯﾀﾘ会った。

『久し振りだなぁ〜梟ちゃん』

ﾁｬｰﾑﾎﾟｲﾝﾄの人懐っこい笑顔を浮かべて、Eさんが声をかけてきた。

『お久し振りですね〜。お変わりないようで何より(笑)』

そう言って、ﾋﾗﾋﾗと手を振ると頭をｶﾞｼｶﾞｼと撫でられた。

ｾｸﾊﾗですか？

『なにすんねん。髪型が乱れるやんか』

『愛でてるだけだ、気にするな』

『髪がないからって僻まないでください(笑)』

『無いんじゃないぞ、お洒落だ(笑)』

『へぇ〜』

そんなやり取りをしていると、喫煙所にいた他の運ちゃんから笑いを頂きました。

何故だ？

とまぁ、こんな感じで缶ｺｰﾋｰを飲みながら雑談をしていたんや。

『そう言えば、今日は急ぎがあるんですか？』

ふと沸いた疑問を、Eさんの顔を見上げながら聞いてみる。

『いんや、遠出の報告書を出しに来たついでだ』

『遠出ですか、お疲れ様です。何処まで行ってきたん？』

『新潟県まで徹夜でな……』

そんな風に言ったかと思うと、

『梟ちゃん、面白いことがあったぞ』

と、切り出してきた。

長くなりそうやな。

で、その話に耳を傾けること10分。

帰りがけによった山奥のﾗｰﾒﾝ屋で、地元の人と意気投合したらしい。

で、山ん中にある地元の人しか知らないようなﾏｲﾅｰ過ぎるくらいﾏｲﾅｰな滝の話になったんて。

その話をし始めた途端、Eさんの背後がｸﾞﾆｬﾘと歪んだ。

『興味があったから案内してもらったんだ。凄く山深いところにある滝でな……観光地みたく綺麗に手入れなんかされてないけど、手を加えてない分凄く迫力があってなぁ。まさに大自然。しかも崩れそうな小さな祠があって、案内してくれたじいさんによると龍神伝説みたいな話があるらしい』

『仕事中に(まぁ帰りだけど)観光するってどんだけよ……』ってﾂｯｺﾐたいのをｸﾞｯと堪えて、その龍神伝説なるものを『ふーん』と聞き流しつつ、Eさんの背後からゆっくりと視線をそらした。

こう言う事に遭遇した時は、大概に『ｷｰﾝ』と言う耳鳴りが奥からか細く鳴り響くんやけど……こん時はまるで水中に潜った時のような『ｺﾞｰ』と言う音と圧迫感が迫ってきて若干戸惑う。

なんやねん、ﾎﾝﾏに

まぁ、彼には悪いけど話なんて半分も聞いちゃいなかったんは言うまでもなく。

私の心境としては、ただただ早く休憩時間が終わらないかなぁと考えていたんや。

だって……明らかにEさんの背後がおかしい。

何時ものごとく、ｽﾙｰｽｷﾙを発動して気にしないようにしてはいるけど……ね。

Eさんの背後の背景が、ｸﾞﾆｬﾘ、ｸﾞﾆｬﾘと歪み続けるのは流石に異様やろ

『……とまぁ、こんな感じで今に至るわけだ』

と言う声で、ﾊｯと意識がEさんのほうへ向いた。

『………』

思いっきりEさんの背後を見ちゃったよ、私のお馬鹿。

私の反応を待っているようなEさんの姿に、ﾜﾝｺの幻影が見える(笑)

その背後で歪んでいた空間は、透明のまま人の形を作っていた。

説明がしづらいが、何か透明人間がいるみたいに歪んでいたんや。

『凄い話だね〜。てか、帰りだからって観光するってどんだけよ(笑)』

背後から目を離せないまま、呆れたように突っ込んでしまった。

あぁ、突っ込むまいと思ったのに……。

まぁ、いいか。

『いいじゃないか、ご褒美だ』

ｼｭﾝと落ち込んだﾜﾝｺの幻影が見えたが、あえて気にしない方向で。

そんなこんなで、Eさんは私の頭を再度ｶﾞｼｶﾞｼ撫でてから去っていった。

私は子供か？

そう思いつつも、Eさん……頼むから“あれ”を持ち帰ってください。

私の視界の隅っこに映る透明人間は、ｼﾞｯとこちらに視線を向けて佇んでいた。

勘弁してください。

で、冒頭に戻る。

家鳴りさん含め見えない同居人さん達のように、激しいまでの自己主張をする訳でもなく。

通りすがりの方々のように、鬱陶しくも一方的な自己ｱﾋﾟｰﾙがある訳でもない。

かといって、私の背後から離れる気配がある訳でもなく。

ずっと、ついてくるのだ。

正直に言おう。

気持ち悪いねんけど

まぁ……部屋の中に入ってこないのが、せめてもの救いかもしれへんけど。

ｱﾊﾟｰﾄの駐車場に置いてある愛車の横に佇んで、私の部屋を『ｼﾞｰｯ』と眺めているのだ。

やっぱり気持ち悪いやろ。

とは言え、私に何が出来るわけでもなく。

ただただ『ｽﾙｰｽｷﾙ』を発動して、気にしない方向で何時ものごとく無関心に対応してたんやけどね。

外出する度に、一定の距離を保って後ろをついてこられたら……たまったもんやない。

と、最初の頃は思っていた。

しかしまぁ、慣れとは素晴らしい機能です←ﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞMAX(笑)

一週間もたてば、“あれ”の存在自体を気にしなくなった。

取り敢えず、“あれ”は背景の一部です。

放置しましょう。

それから約一ヶ月。

秋口に差し掛かった頃には、もう存在自体どうでもよくなっている自分がいたり。

そんな私を、真上の破戒僧もといおっさんは呆れた面持ちで眺めていたような気がするが、きっと気のせいです。

『もっと気にしろ。なんなら追い返してやろうか、格安で』

『いらん(ﾊﾞｯｻﾘ)』

『あっ、そう。まぁ“お前にとって”は、害があるもんじゃないが……何であんなもん憑けてんだぁ？』

『巻き込まれた、以上』

『お前は相変わらずだなぁ好かれるね〜あちらさんに(笑)』

『全くもって嬉しくない。私は平和が一番です』

『……あえて何も言うまい』

『大丈夫さ、問題ない(｀・ω・´)ｷﾘｯ←自己暗示万歳』

『取り敢えず、何か変化があるかもしれんから気を付けろよ』

『何にもしないって、ただの幻だから(笑)』

『……そうか(爆笑)』

何て会話をしたなぁとｼﾐｼﾞﾐ。

余談ですが、そんなこんなで約２ヶ月くらいｽﾄｰｶｰされてました(笑)

車移動の時はどうやって憑いてきてんだか

正体と移動手段は永遠の謎と言うことで。