とにかく怖い話。コミュの【実体験】一人暮らしpart[22]

昔、一人暮らしを謳歌するために住んでいたｱﾊﾟｰﾄでの体験談『何かいる部屋(一人暮らし)』ｼﾘｰｽﾞも第22段となりました。

どうも、お久しぶりです

ｺﾞｰﾙﾃﾞﾝｳｨｰｸ初日より、慌ただしい毎日を送っておりました

誰か私に休みをください……。

そして、今回の投稿は長くなりそうなので、読みやすくするためにｺﾒﾝﾄを使いますがご了承下さい。

毎度のことながら、調子にのってすみません

なお、初見の方はｱﾊﾟｰﾄの詳細が書いてある

【実体験】一人暮らし
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=65026318&comment_count=96&comm_id=1154462

を読んでから閲覧頂くことをｵｽｽﾒします。

もちろん、強制ではないので悪しからず。

文才がないので誤字脱字乱文等があるかとは思いますが、温かい眼差しで見てくださいね。



《憂鬱な預かり物》



見えない同居人さん達(自己主張の激しいから見える場合も)&たまにいらっしゃる通りすがりの方々(来なくていい、怖いから)との、奇妙ｷﾃﾚﾂ摩訶不思議な共同生活に

『まぁ、害がなければ大丈夫さ、問題ない(｀・ω・´)ｷﾘｯ』

なんて、ﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞ思考MAXで『何だか慣れてしまったなぁ〜』とか思う私がいる。

かと思えば、賑やかなあちらさんの、ちょっと(なのか？)過激な自己主張に、のほほ〜んと『見なかった事にしよう(笑)』とｽﾙｰｽｷﾙを発動しながら

『あちらさんのいる生活に馴染んできてるんやろか、私』

とか、地味に凹んでいる自分がいたりする。

そんな私に、更なる憂鬱を投下してくれるんが『真上の破戒僧』こと『おっさん』な訳で。

あれは……一人暮らしを始めて半年くらい過ぎた頃だった。

おっさんが真上に越してきて早5ヶ月。

ただのご近所さんと言う関係でしかなかった筈なのに、どうしてこうなったんやろ？

ｿﾌｧｰの部屋のﾃｰﾌﾞﾙの下。

朝方、胡散臭い笑顔で訪ねてきたおっさんに押し付けられた預かり物を、私はﾏｼﾞﾏｼﾞと眺めながら物思いにふけていた。

あの時、私は鳴り続けるﾁｬｲﾑの音で目を醒ました。

『……誰？五月蝿いねんけど』

『ﾊﾟｷｯﾐｼｯﾊﾟｷﾊﾟｷ』

私がぼやいたと同時に、天井から音が響く。

あぁ、家鳴りさんは元気だね〜なんて思いながら、寝惚けた頭で枕元に置かれた目覚まし時計を確認する。

『午前5時』

……早過ぎやしないか？

もうｽﾙｰして二度寝しちゃおうかなぁ。

てか、家鳴りさん五月蝿いねんけど。

このままだと天井が、そのうち落下してくるんやなかろうか？

この反応は……おっさんか？

布団から起き上がって数分。

徐々にﾊｯｷﾘしてくる頭が弾き出した訪問者がおっさんでした。

一度、大きくため息を吐いてから私は玄関へと向かう。

鍵を開けて、そっと扉(ﾄﾞｱﾁｪｰﾝ装備)を開く……と、空いた隙間からおっさんが顔を覗かせた。

『おはようさん』

爽やかな笑顔でそう言いながら、ｶﾞｯﾁﾘと扉を掴む。

『ｶﾞﾁｬﾝ』

ﾄﾞｱﾁｪｰﾝが装備されているので、完全には開かない。

『おい、開けろ』

『嫌や(ｷｯﾊﾟﾘ)』

『即答かよ、おい』

『今、何時やと思ってんねん』

ﾄﾞｱﾁｪｰﾝがかけられていたことに不満全開なおっさんを即答でﾊﾞｯｻﾘと切り捨てて、私はそう言った。

『ﾋﾟｼｯ』

玄関先の天井が、一度音をたてる。

呆れる私と、苦笑いのおっさんは扉の隙間越しに無言。

『……急ぎだったんだよ』

私を見下ろしながらおっさんが言った。

『ふーん』

おっさんを見上げながら私はそう答える。

呆れた眼差し全開で。

まぁ、扉をはさんでｳﾀﾞｳﾀﾞやってても仕方ないんでﾄﾞｱﾁｪｰﾝを外す。

『で、何？』

『実はな、預かってもらいたいものがある』

そう言いながら、黒い布に包まれた正方形の物体を私に見せる。

『知り合いからの預かり物なんだが……今から遠出しなくちゃならなくてな。俺の部屋に置いておくのも色々と物騒だから俺が戻るまで、お前が預かってくれると助かる』

『私、仕事あるし一日中家にいる訳やないんやけど？』

『何日も部屋を空ける訳じゃないだろ。二、三日で戻るから預かってくれ、頼む』

ｸﾞｲｯとこちらに押し付けるように“それ”を差し出しながらおっさんは『頼む』と言った。

珍しいこともあるもんや。

そこまで言われたら、断るのもね〜。

『別に預かるのは構わないけど……変なもんやないやろなぁ』

『害があるもんじゃないさ。って信用ないなぁ……』

『日頃の行いを思い出したら？』

『信用あると思うか？って遠回しに言うな。地味に傷付くぞ』

『大丈夫さ、問題ない(｀・ω・´)ｷﾘｯ』

『あえて何も言うまい……』

そんなこんなで預かったんはいいんやけど、去り際に『逃げられないように見張ってもらえよ』と意味深な言葉を残していったんが凄く気になる。

この物体が逃げると？

黒い布(風呂敷？)に包まれているので中身は分からないが、布越しの感触からして木箱やろなぁ。

……まぁ、いいか。

流石に開けるんも嫌やし、取り敢えずｿﾌｧｰの部屋にでも置いておこう。

ｿﾌｧｰの部屋に向かいながら、預かり物を眺める。

中身が割れ物だったら嫌なので、ｿﾌｧｰの前のﾃｰﾌﾞﾙの下に置いて私は二度寝した。

で、冒頭に戻る。

その日、仕事がある私は出掛け際に『取り敢えず見張っててね〜』とﾎﾟﾂﾘと呟いた後出勤。

『ﾊﾟﾝｯ』

気合いの入ったような音をたてて、玄関先の天井が鳴った。

おぉ、やる気満々だ。

そんなこんなで、預かり物の存在を気にすることなく一日目が過ぎた。

二日目。

その日も私は仕事だった。

いつも通りに出勤して、いつも通りに帰宅。

鍵を開けて『ただいまぁ〜』と玄関のﾄﾞｱを開ける。

『ﾋﾟｼｯ』

毎日、お出迎えご苦労様です。

そして、どうしてこうなった？

玄関に一歩足を踏み入れた瞬間、部屋の中の空気がいつも以上に冷たい。

『ｿﾞｸｯ』と言う鳥肌がうなじ辺りから一気に背筋を駆け抜けて、一瞬私は硬直してしまった。

……出直してきていいだろうか？

こういう時は、気分を変えるのが一番。

踏み入れた片足を一歩後ろに下げて、私はゆっくりとﾄﾞｱを閉める。

鍵をかけて、私はいそいそと駐車場に舞い戻ってみた。

取り敢えず一服。

車の中でﾌﾟｶﾌﾟｶと紫煙を漂わせながら、自分の部屋を眺めてみる。

う〜ん、帰りづらいな。

そう思いながら、ｿﾌｧｰの部屋側の窓をｼｹﾞｼｹﾞと眺めていると、ﾕﾗﾘと室内で何かが揺らいだ……ような気がする。

うん、きっと気のせいだ。

……よし、行くか。

車から降りて玄関に向かう。

部屋の鍵を開けて、再度『ただいまぁ』と言ってみる。

『…ﾊﾟｷｯ…』

もしかして呆れられてたりして。

まぁ、いいか。

そう思いつつ部屋の中へ。

異常は……ない。

その事にﾎｯと胸を撫で下ろしながら、廊下の電気をつけてｿﾌｧｰの部屋に行く。

台所の方から敷居を跨ぐと『ｶﾞﾀｯ』っと私の足が何かに片足が触れた。


↓ｺﾒﾝﾄに続く↓