ジュール・ヴェルヌの全てを集約している「海底二万里」のネモ船長は「名前のない」という意味であり、また頭文字Nはヘブライ語のアルファベットの最初の文字で「創造」を表す記号「アレフ」に似ている。ネモ船長の登場する2番目の作品「神秘の島」では、主人公の名前はサイラス・スミス(Cyrus Smith)だが、鍛冶屋を意味するスミスは合図であり、Cyrusすなわちペルシャ王キュロスの伝説も「東洋の騎士」「剣の騎士」の伝説に結びついている(ルネ・ル・フォレスティエRene Le Forestier「テンプル騎士団的・神秘学的フリーメイソン」Aubier,pp.53-55)。
結論: 現時点での私の意見。作家達は悪事は働かないまでも騙され、知らない内に宣伝に利用されていたと言えそうです。そして結社の上のほうに上るにしたがって、実は「本当の神・本当の王」でなく「神に対抗する傲慢な悪魔」の結社だと感づくに至っていくようです。ヴィクトール・ユゴーに関して言えば、シオン修道会の総長だったのなら、満足した運営をできていたのでしょう。テンプル騎士団と決裂したシオン修道会の方向性については、この本だけではまだわかりません。それにしてもネルヴァル! また、これを全部読めば、FINAL FANTASY VIIとかガンダム・シリーズの作者、さらに宮崎駿さんがこういった知識をある程度持っているのも想像がつくと思います。先の2人は軍産複合体に対抗する思想を持っているようですが、宮崎さんについては、ナウシカのマンガ版の途中から、急速にニーチェ=ヒトラー主義化して行くのが見て取れるので、西尾幹二か、その他誰か似たような思想を吹き込んだ者が背後にいそうな感じもします。