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開催終了魚類進化の歴史と丹沢の現状 シンポジウム 5月12日

詳細

2007年05月07日 21:57 更新

基調講演は、


・「淡水魚の地理的分布の謎」
  丸山隆 (東京海洋大学)


・「遺伝子汚染―淡水魚に迫る見えない危機―」
  瀬能宏 (生命の星・地球博物館)


で、その他に


・魚の放流とサンショウウオ
  石原龍雄(箱根町立・森のふれあい館)


・ピンチ!丹沢の渓流魚
  勝呂尚之(内水面試験場)

コメント(1)

  • [1] mixiユーザー

    2007年05月14日 12:30

    簡単にご報告させていただきます。
    魚類進化の歴史と丹沢の現状 2007年5月12日 

    淡水魚の地理的分布の謎  海洋大 丸山隆先生

    あえてご専門から離れて、いまだ明確な答えの出ていない日本在来魚の起源を文献的考察によりロマンに満ちたお話をされた。
    リンドベルク 1971氷期の海面低下
    青柳兵司   1957 魚類相による地域区分
    西村三郎   1980 古日本海湖
    君塚芳樹   1987 河川争奪
    酒泉 満   1987 メダカの遺伝子組成
    水野信彦   1987 静岡―糸魚川構造線 中央構造線
    中島経夫   1987 コイ科魚類の化石
    1980年代までのまとめてして
    日本に生息する淡水魚の発祥の地はユーラシア大陸
    渡来ルートは少なくとも3つ存在し、氷河期の海面低下によってルートが開かれた。
    国内での分布拡大ルートとして中央構造線が重要な役割を演じた。
    西日本からの進入ルールの北限は糸魚川―静岡構造線で遮断された。

    丸山先生も大嫌いな(笑)国交相のデータを使い 純淡水魚による109水系の地域区分のマップも示されて説明された。

    まとめ
    中新世中期〜後期には日本列島周辺で種分化した純淡水魚が大陸へ拡散したが、この魚類相は日本には痕跡的にのこったのみ
    リンドベルクや西村らが指摘しているように、大陸系純淡水魚は少なくとも3つの経路(オホーツク海、日本海、東シナ海)で日本列島に渡来
    東シナ海ルートから侵入可能な地域の最北端は時代によって異なり、古い時代には中央構造線伝いに関東―東北まで到達できたが、中部山岳の出現によって東海地方が北端となり、阿蘇山の噴出後は九州西岸のみとなった。
    日本海から侵入可能な地域は最も古い時代には北海道南部から九州北部までの沿岸域全体であったが、最終氷期には山陰西部〜九州北部と瀬戸内海西部に限定された。
    関東〜東北には最も古い時代に渡来した古いタイプの魚種や系群がほぼそのままの姿で残されている可能性が高く、西日本や大陸からより新しいタイプの魚種や系群を持ち込むことは避けるべきである。

    神奈川県の淡水魚相の特徴

    河川争奪によって東京湾から相模湾に流路を変えた相模川にはかってミヤコタナゴも分布
    それ以外の河川では、メダカやフナ類、アブラハヤなど広域分布種の一部が生息するのみ
    相模湾沿岸の河川に生息するイワナとヤマメは相模川の流路変化により東京湾沿岸から移動してきたものと思われる。
    イワナは、最終氷期にも降海型を派生せず、分布が拡大することはなかったものと思われる。
    ヤマメは降海型を派生して相模湾奥部の河川に分布を広げ、先住者であるアマゴ(サツキマス)との間に交雑群を形成したものと思われる。しかし、その範囲は真鶴半島付近で止まり、それより南には拡散できなかったものと思われる。

    遺伝子汚染―淡水魚に迫る見えない危機  神奈川県立生命の星・地球博物館 瀬能 宏

    外来種の侵入により交雑を受け、本来の特徴を失ってしまったニッポンバラタナゴの例を挙げて、一度、交雑が起こると(瀬能さんはあえて、汚染と言う言葉を使う)、二度と元の状態に戻せないことを指摘。
    このような例は沢山あり、メダカなどが自然回復の手段として勝手に本来の生息場所から他所に移植されている。また簡単にネット等で購入出来たり、道の駅で販売している状況も示した。
    またコイにおいても古くから海外からの移入等もあり、日本在来種は非常に少なくなっていることを遺伝子解析の結果から示した。
    最後に、遺伝子汚染をはじめとする外来種問題を取り組むにあたり、私達は生物の分類や分布、生理、生態はもちろんのこと、その生物が生息している土地の歴史(地史)にいたるまで、幅広い知識や教養を身につけることが大切です。なぜならば、その結果として私たちは自然史に重みを感じ、自然に対し畏敬の念を抱き、生物多様性がかけがいのないものであるという価値観を持つことができると考えられるからです。生物多様性の保全に最も重要なことは、それを推し進める動機が個人の価値観に帰するということを理解することだと思います。多くの皆さんが自然史を尊重する価値観を持てるよう、多くのことを学び、また地域の自然を未来に伝えていくことができるようになって欲しいと思います。
    (この部分は抄録より記載)

    魚の放流とサンショウウオ 箱根町立森のふれあい館 石原 龍雄

    多くの生物が生息する丹沢や箱根の現状を報告された。
    不勉強で知らない多くの生き物がいることを認識した。特にムカシトンボは7年もの歳月を経て成虫になること等々。
    堰堤の影響に関して、堰堤上部で放流ヤマメが増殖してサンショウオが激減した事。堰堤を上る途中で鳥類の餌食になるサンショウウオの例。また多くのサンショウウオは堰堤を登り切れない(魚も上れない堰堤が多数)
    違法放流されたブラウントラウトが箱根地区の沢で天然記念物のハコネサンショウウオを捕食していた例なども紹介された。

    丹沢の渓流魚の危機 神奈川県水産技術センター 勝呂尚之

    丹沢大山総合調査の結果を元に丹沢地区の淡水魚の現状を包括的に報告した。
    まず、これまでに丹沢地区の十分なデータが無い事を指摘し、総合的な調査研究の必要性を指摘。
    イワナ、ヤマメ等の放流実績の聞き取り調査、NPO等との合同の魚類捕獲調査を通してこれまで明らかでなかった多くのデータを示した。それによると、驚くほどの放流(個人あるいはグループによると見られる)が発眼卵、稚魚および成魚で行われており、在来魚への影響が大きく懸念されること。イワナの遺伝子解析の結果では、丹沢地区のイワナの起源が東北、北海道および木曽由来と思われる固体であったこと。
    ヤマメに関してはさらに検討中との事でした。
    また、渓の開空度(川に木が多ければ度数は高い)や堰堤の上部下流での魚層の比較などのデータを示した。また清流度をしめすと思われるカジカの生息を指標に生息調査を行っている。
    今後はこれらの調査を積極的に行政に提言し、取水堰堤や砂防堰堤のあり方なども問いたいと述べていた。
    総合的調査研究等の推進のため、各分野だけの単一調査研究でなく、NPO,アカデミック、行政を横断的に行き来できるような施策の必要性を強調されていた。
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