八戸市博物館の特別展「吉田初三郎と八戸」が十五日、開幕した。鳥瞰（ちょうかん）図をはじめとする初三郎の作品や遺品など約二百二十点が展示され、来館者が、八戸ゆかりの画家に深い関心を寄せている。八月二十日まで。
　同展は没後五十年を記念して開催。初三郎の作品が全国から集められ、一堂に会するのは県内では初めてとなる。
　種差にあった別荘兼アトリエ「潮観荘」で制作した縦二メートル、横六メートルもの大作「北海道鳥瞰図原画」をはじめとして、八戸市や盛岡市、名久井岳など初三郎が得意とした鳥瞰図を多数展示。
　芸者が描かれた海外向けの日本観光誘致ポスターのほか、明治天皇肖像画など鳥瞰図以外の作品、手紙や愛用のバッグ、工大一高の生徒が復元した潮観荘の模型などもあり、初三郎の生涯を丸ごと楽しめるよう構成している。
　初日は、千葉県在住で初三郎末子の種房氏や小林眞市長らがテープカット。他県も含め約二百五十人の来館者があり、緻密（ちみつ）で美しい初三郎の作品にほれぼれとした表情で見入っていた。

デーリー東北新聞社より
http://www.daily-tohoku.co.jp/news/2006/07/16/new060716top.htm