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2008年10月01日01:21

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瀕死の重傷

 前に勤めていた会社に入社して8年ぐらい経った頃のある日、アルバイトの学生が、出勤時間になっても来なかったことがありました。
「あいつ、また遅刻か。しょうがない奴だな」
 こういいながらぼくは、かれの携帯電話に電話しましたが、全く応答がありません。
「あの野郎、寝ていやがるな」
 当然ぼくは怒りました。電話に出るまで、何度でもかけ直してやると思い、仕事の合間を縫って、何度も電話をしました。
 暫くして、ようやく携帯電話に繋がりましたが、電話に出たのは、聞いたことが無い男の人の声でした。

「あのー、会社の者ですが、H・S君は、どうしたんですか?」
「私は、H・Sの父です」
「いつもお世話になっています」
「こちらこそ、お世話になっています」
「どうしてお父さんが、電話に出ているんですか?」
「それが、Sは今、手術中なんですよ」
「え??」
「実はですね、峠で車の事故に遭いましてね、かなりの重体なんですよ」
「え、そうなんですか?」
「はい。今日はそちらに出勤だったとか。急に休んで、どうも申し訳ありません」
「いえいえ、どうぞお大事に」

 そうです。かれは事故に遭っていたんです。
 幸いかれは一命を取り止め、約ニ、三か月の療養で、アルバイトに復帰しましたが、後で聞いた話だと、内臓破裂で一時は危なかったとのことです。
 そして峠を時速百キロを越えるスピードで走っていて、事故に遭ったとか。かれの車には、他にも助手席に友人が一人乗っていましたが、友人は軽い怪我で住んだのに、かれは重傷を負うという結果になってしまいました。
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