mixiユーザー(id:1077509)

2008年06月15日21:13

37 view

「呼吸法」2014,2019,2023更新

個人dir「アカペラ講座」に属する一本です
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=595902879&owner_id=1077509


はじめにお断り(言い訳?)
GQは音楽の専門教育を受けた人間ではありません。
身近な先生が別の事をおっしゃっていたら、そちらを信じるのはご自由に。
呼吸法から発声の基本あたりは、大まかに誰にも共通のメソッドというのは
あり得るのですが、実際にやってみると、声帯周りからノドの構造、更に
口の形態から唇の形状まで、個々人でけっこう異なるので、全ての人に
完璧にフィットする理論は無いと思っています。

私なりに何人かの先生に教わった事に、実際に人に教えてみて学んだ事など
付け加えて、初心者向けにこれくらいは教えても良かろう、という事を、
書いておこうと思います。


基本の前提
・ほぼ何も習っていない初心者を対象
・肺に入ってくる息を全部使えてる人間はいない


1. 息を使い切る為の訓練(やり過ぎは禁物、健康を害します)
体育の時間にやった「深呼吸」はとりあえず忘れて下さい。
(胸式呼吸※なので・・・用語は後段で説明)
普段の呼吸って、そんなに長い時間はかけないですよね?
つまり肺のごく浅い部分のみで呼吸をしているのです。
(1)まずは息を吐き切る訓練(<<体調不良時はやらないこと)
体中の筋肉を使って、力任せに体内の息をすべて吐き切ります。
集団でやる時は、16カウントくらいで全員に吐かせます。
「フーッ」と音を出すくらいの勢いで出してもらって、音が消えたら
(2)自然に息を吸い込みます。
吐き切った反動で、自然に入って来るだけにまかせます。
(3)もう一度、息を吐き切ります。以下、(2)(3)を3-5回繰り返します。

<<ぶっちゃけ、これを真剣にやると、健康な方でも3回目位から、
かるい貧血っぽい症状が出ます。それを越えても意味は無いので、
吐き切れた証拠、位に思って、繰り返しはそこまでにとどめましょう。

2012追記、ここいらをメソッドっぽく書いたのが以下の日記の冒頭にありますので参考にして下さい。「ハモリ隊ミーティング1」2012/1/22
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1815900951&owner_id=1077509

★吐き切った時の自分の体の状態を観察しておいて下さい。普通は、おなかがベッコリと凹んでいる筈です。一方で息を入れた時は、おなかが弛緩した状態になってると思います。これが腹式呼吸※の基本形1です。


2.息を使う為の訓練
(1)初心者向けの1個目
自分の右手でも左手でもよいので、手のひらをこちらにむけて腕を目一杯伸ばして口の前に手を置きます。だいたい5-60cmくらい先に置けると思います。
手のひらに直径2-3cmの円をイメージし、そこにぶつけるような感覚で息を勢いつけて吐きます。この時、一気に吐くのではなく、コントロールしながら5−10秒くらい使って吐きます。

(2)初心者向けの2個目
会議室などの長机で端にライターや煙草の箱を立てます(ある程度の大きさがあり自立する箱ならなんでも可)。反対側から思いっきり息を吐き出して箱を倒します。

(3)何人かでやる場合は上記ハモリ隊M1の日記を参考にして下さい。


2023追記、関ジャム日記※を編集中に呼吸法と発声の基礎を紹介しようと見直したら、発展形として呼気を声に変換しきることは触れても良いかな、と思って追記。

※スゴいボーカリスト根本要&夏川りみ徹底解剖(2023/9/18 o.a.)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985938847&owner_id=1077509
上記番組中で根本要(スターダスト☆レビュー)が民謡歌手が声を思い切り出してもロウソクの炎が揺れない、というCMをあげて、自分も夏川も揺れないと思う、と言っていた。
この日記では、まず、呼気をいかに使いきるか、が主眼なので、吐ききる為に少々過激な書き方をしているが、質の高い呼気(=濃い呼気)を持つための訓練なので、炎を吹き消す、的なことを述べています。もちろん、歌う、ためには呼気を使えてなんぼ、なので、歌声では今度は炎が揺れない、発声を目指すことになります。

その際に使いやすいのが、ロウソクの炎、では火事になってしまうので、ティッシュペーパーを使うやり方です。これは出来ている人がデモンストレーションしてくれるとわかりやすいのですが、声帯の振動のために呼気が使いきれている人は、炎は当然揺れません。実際に声を出しながら以下をチェックしてみましょう。
aティッシュペーパーは2枚重なっているので、1枚剥いで薄い1枚にします
bそれを両手で持って口の前にぶら下げて(口の前に1枚ティッシュでカーテンをつくる)
cぶら下げたまま、発声する
>きちんと声帯で鳴らしきれている人は当然ティッシュは揺れません。どんなに声を大きくしても揺れないはずです。
>>揺れているうちは呼気が無駄になっている証拠です。バンドで集まったときにみんなでやってみても面白いと思います。
(2023追記おわり)

3腹式呼吸の為のトレーニング
質の高い声を作る為に、足上げ腹筋をおすすめします。一般的な上体を持ち上げるものよりも下腹部(へそ下)を鍛えるのに向いているので。

仰向けに寝そべって足を床から10-20cm持ち上げて20秒キープします。10秒休んでまた20秒キープ。これを体調、筋肉量などに応じて数セット行います。最初は腰の裏側が上がってると思いますが、筋肉が付いて来たら背中をべったりと床につけてやりましょう。また足を上げるときにお尻の筋肉を使うと楽に上がりますが、それでは腹式のための筋肉はつきません。慣れてきたら女性で一分半、男性なら二分連続の足上げを日常的にやれると、息の質、すなわち声の質が変わります。
<時間がないときは、(尻文字の要領で)上げたつま先で空中に数字を書いて行きましょう。女性で1から15まで、男性なら20までを目標に。一桁は楽にかけますが、二桁は訓練してないとけっこうきついですよw


※腹式呼吸
最初の方で、体育での深呼吸は忘れろ、と書いていました。その理由は腕の動作によって胸骨を開く、という胸式呼吸だから、です。一方で、一般に歌や吹奏楽器などには腹式呼吸が向いていると言われてます。この違いって何でしょう?

そもそも肺には肺自体を動かす為の筋肉が付いていません。そこで、体操として腕の動作を付け加える事で肺が入っている胸郭(=肋骨で囲われた部分)を広げて息をいっぱい入れましょう、と考えたのが、ラジオ体操などの深呼吸=胸式呼吸です。でも、これは入れ物をでかくして入れてみよう、というだけで、呼吸をコントロールする為の要素は一切ありません。そこで考えられたのが腹式呼吸です(寝ている時は誰でもやれてるんですけどねw)。

肺と胃との間には横隔膜というものがあり、それが肺と内臓をわけています。人間の上体で使いやすい筋肉としては腹筋(細かく分けると幾つかの名称があると思いますが、お腹あたりの筋肉、総称で使っています)があるので、腹筋で内臓の位置を上下させる事で横隔膜を上下させ、それで肺の容積を増減させよう、というのが腹式呼吸の基本的な考え方になります。

胸式呼吸は胸を膨らませる肺を横に広げる動きですが、腹式呼吸は肺を下に引っ張って広げようとしています。

このメリットは実は吸う事ではなく吐く時にあります。歌で使える息、を作ろうと思うと、中身の濃い息をしたいのですが、それを作るのには、へその下あたりの下腹部の腹筋を使うしかありません。そこを鍛えて使う事により積極的に息の量と質がコントロール出来るので、アカペラには腹式呼吸が必須、になるのです。

なお、声帯に重きを置いたボーカルトレーナーで腹式呼吸不要論を唱える方(古いアカペラの友人です)がいます。私は、彼の講習を聞いた上で自分には腹式呼吸が有効だと思っているので、この文章を書いています。本文冒頭に書いた通り、人体構造は厳密には千差万別、その方にとっては有効なのでしょう。もちろんその考え方を否定するものではありません。学ぶべきこともたくさんありました。

息を吸うとき、腹式を使えていれば、横腹の後ろ側が膨らむようになる、と言われています。カンニングブレスでぐわっと吸うとパッと膨らむので、呼吸の時片手をへその下、片手をわき腹でチェックすると良いでしょう。


4 吐く訓練の続き
実際に十六拍以上のばして息を出そうとすると、腹筋が欠かせません。下腹部を板のようにキープした状態で、しっかりと一定量の息を出してみましょう。
さらに長く吐いた後、だめ押しで残った息を振り絞ってろうそくを吹き消すように息を出します。<16カウントで吐き切って最後17拍目にフッと出す。18拍目に吸って又吐く、という要領で何度か繰り返す

(1)吐き切る訓練
4、8、12、16カウントで、4カウントなら4つの内に入れた空気を吐き切ります。順に8カウント、12カウント、16カウントもやってみましょう。やる順番は16>12>8>4でもかまいません。

(2)密度の濃い吐き方
声帯を鳴らしやすい息を作る為の意識付けですが、寒い時に手を温める要領でやってみましょう。無意識で上半身の深い所から吐き出せてる筈です。



★補足情報「息は鼻から吸え!」の意味は
歌っている最中は、とても鼻からの呼気だけでは息は足りません。口を使ってガバッと吸うことをおすすめします。

しかし、ボイストレーナーの先生で、

「歌を歌うときの息は鼻から吸いなさい」

と指導されるケースがあり、なんでだろう、と不思議に思っていました。

完全な正解ではないかもしれませんが、今の私はこれも腹式を意識させるための工夫の一つと考えています。口からガバッと、というと、体操の深呼吸が連想され、どうしても胸式呼吸になりがちです。鼻からゆっくりと息を吸ってみると、特に寝そべった状態ではお腹の奥の方に息が入っていくことがわかると思います。

合唱の練習などでなかなか寝そべって呼吸、などは出来ないので、雰囲気をつかむために「鼻から吸って」と言われるのではないでしょうか。現実には口でガッと吸った方がはるかに楽です。口からしっかり下腹部(比喩ですよ、実際には肺に入ります)に取り込んでください。

★2019追記
昨日立ち読みしたボイトレ本に、ちょっと説得力がある鼻から吸う理由があったのでご紹介。

口と鼻の違い、を、上記のようにガバっと吸えて、入り口が大きいなら口から吸うのがベター、と私は思っていたのですが、人体機能上の違いとして

鼻腔には粘膜と繊毛がある

という指摘がありました。尾籠な話で申し訳有りませんが、鼻くそ、というものがなぜ出来るかと言えば、鼻から吸った空気のゴミを鼻腔の繊毛がキャッチしてまとめてくれるからです。ほかに、冬場の風邪の原因であるウイルスなど人体に有害なモノもキャッチし、また、乾燥した外気に適度な湿り気を与える役割もあるそうです。

つまり、特に空気が乾燥しがちな冬場は、鼻からの呼気を使う積極的な理由があるというのです。

また、口から、を意識しすぎた結果、歌うと喉がカラッカラになってしまう人もいるそうですので、現時点でもし教えるならば

腹式呼吸はマスターできている前提で、

<<口でも鼻でもどちらからでも吸いやすい方>>

で、と教えることにします。カラッカラな経験をそんなにしたことがない(それ以前に水を飲んでしまってる?)のは無意識で私も鼻呼吸を中心に歌っているのかもしれません。


別件ですが、ステージングマナーについて書いた本で、

<ライブの流れを停めてまで水を飲むな>

という意見も書かれてました。ソロシンガーの場合は、リードが客煽りから歌からすべて担当なので、水=ライブが止まる、ことに繋がりますが、アカペラの場合、メンバーがいますので、mc中の水はうまく分担して話は途切れないように気をつけることでどうでしょう。パーカッションの方とか、アカペラはステージドリンク必須ですので、さほど気にする必要はないと思います。


2019追記2、ボイストレーニングについての考え方(更新訂正)
本文冒頭に書いたとおり、正式に習ってないコンプレックスを持ち続けてる人間なので、アカペラ全般はそれなりに教えますが、特に、ボイストレーニングを教えて、という要望は断っています。

そこで、これまでは

「教え方も相性も千差万別なので、色々な人の門を叩いて自分に合う人にしっかり習え」
「近くに先生がいない場合は、大きな本屋の楽譜コーナーでボイトレの本を立ち読みして、うまくやれそうな本を買ってじっくり実践練習」

という逃げをうっていました。

が、2019師走の関ジャムに関連して改めて立ち読みしたところ日本のボイトレ界の現状は壊滅的だという事に気づき、これまでの言い方はキッパリ間違いでした、と訂正取り下げすることにします。

関ジャム日記※に書いた内容、重複もありますがコピペ再掲載しておきます。

※関ジャム「4パターンでレッスン<ハリウッド式ボイストレーニング>」2019/12/1
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973845378&owner_id=1077509
講師:安倉さやか

https://www.voicetrainers.jp/-sp/
ボイトレ、ボイストレーニングは東京のVT Artist Developmentへ<voicetrainers.jp>
https://www.voicetrainers.jp/-sp/labelsystem.html
Facebookページもあり。<VT Artist Development>で検索を

☆ハリウッドスタイルの翻訳本が2005に発売されてるそうです。
<上州SIN君経由でSCS初代の新井氏が紹介されてた本をFacebookで教えてもらいました。コメントに書籍名掲載
<この本で監修者として記載されていた高田三郎氏の本2冊が手元にあったので見たところ、1998のはハリウッド式に触れる前までの知識で書かれたもの。おおむね合ってるけどちょい古い考えもあり。2002のは、ハリウッド式のセス・リッグス氏に教えを受け、公認トレーナーになったあとなので、この番組の内容と比較的近いことが書かれてます(実際のレッスンはラスト20ページで残りの百ページは日本のボイストレーナー界のひどすぎる実態指摘ですが、すでに間違った理論を知った人が洗脳から解けるためには必要なんでしょうね)。ただし四つの分類についての言及はなし。
1998『ヴォーカリストのための全知識』高田三郎著、リットーミュージック刊
ISBN4-8456-0354-3
<ボイトレだけでなく呼吸からステージングまで幅広い内容。歌い手目指すなら見ておいて損はない?
2002『高い声で歌える本』高田三郎著、リットーミュージック刊
ISBN4-8456-0744-1
<理論的な積み重ねが大部分です。ボイトレを初めてやる方のみそこは読み飛ばしても良いかと。

☆関連して良い本がないかと居住地で一番大きいTSUTAYAにいってみたのですが(6冊立ち読み)「声帯は筋肉だから鍛えるほど声は良くなる」という実践したら必ず喉を潰してしまう50年前から不変の内容の本しか置いてありませんでした。(私自身はボイトレを教えようなんて怖くて絶対したくないのですが)世の中には自称ボイストレーナーが無数にいて(基本的に国家資格などないので)レベルもピンキリです。教え方も千差万別ですので、これまでは「自分に合う人を探してボイトレを(出来れば同じ性別の人で)」と言っていたのですが、今日を最後にその言い方はやめます。一番上にのせたサイトで自分の近場の先生を捜す。いない場合は動画でそこにのってる人名の人のレッスンものを探して学びましょう。書店で探すのも、危険です。高田氏のなら2002以降、コメントのハリウッドスタイルの教則本をネットで購入してください。

2023追記
高田三郎著書、2020に新しい本が出たので新品で入手可能になっています
『高い声で歌える本 科学的根拠に基づく音域拡張のためのトレーニング』著者:高田三郎、リットーミュージック刊行、2,200別、ISBN978-4-8456-3490-3
0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2008年06月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930