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2006年01月19日21:14

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日本の四季−雪月花−

母が引いた風邪がうつってしまったらしく、喉が痛くて身体がだるいです。仕事しなくちゃいけないのに・・・(T_T)。うう・・・。

そんな状態だったのですが、山種美術館でやっている『日本の四季−雪月花−』に行って来ました。

雪月花に加え、新春なので、お正月展示でした。富士山や松竹梅、犬の絵(干支)なんかもありましたよ。

多分、以前の日記のどこかにも書いてあると思うのですが、私は酒井抱一(1761〜1828)という日本画家が好きなのです。
で、今回も1枚だけですが、酒井抱一の絵がありました。
『飛雪白鷺図』。
この絵は、元は屏風による十二ヶ月の花鳥風図だったそうだ。この絵はそれの11月。

優雅に飛翔する白鷺と、凛と水面に立つ白鷺。そばの黄色い花は菊だろうか。
パッと見は、地味な絵だと思うんですよ。
でも、細かく見て行くと、筆運びの美しいコト。本物を見ると、どこで筆に力を入れて抜いたか(筆運びだな)が分かるじゃないですか。これがね、凄く良いのですよ〜。

他、菱田春草の『月四題』も渋くて良いです。
四題というくらいなので4枚あります(シリーズ物だな)。
春夏秋冬の植物と月。

冬は枝に雪の積もった梅の花と月。
秋は葡萄と月。
夏は柳と月。
春は桜と月。
これがどれも墨で描かれている。

私、墨(というか一色)で描かれた絵に弱い。
なまじっか色が付いていると、その色でしか見るコトが出来ないが、墨で描かれた絵は、こちらで勝手に色を想像し、何色ものパターンの色を想像して見るコトが出来るじゃないですか。

そんな想像しなくとも、単純に墨の濃淡のみで描かれた絵も勿論美しいけれどね。

橋本関雪の『霜の朝』という絵も素敵だ。
白テンと思しき動物が描かれた絵。竹とのマッチングも良い感じだ。

あと、面白いのは、松岡映丘の絵があった。「松岡って誰だ?」とお思いの方も多いと思いますが、民俗学者の柳田国男氏の弟さんです。
『山科の宿 おとづれ』という絵で、“今昔物語”の『高藤内大臣話』に取材した絵だそうだ。
お屋敷の様子が描かれている、巻物のような絵なのだが、「新春でどうしてコレなんだろう?」と思ったら、ちょっと犬が描かれていた(笑)。狩をする為の犬っぽかったよ。

有名どころでは、千住博氏の掛け軸が4・5点ありました。
一幅の軸に、2枚の絵があるの。
上下に分かれていて、上は全て月。下の絵は風景。
千住氏の説明によると『一枚の画面で足もとの花や草を眺めた視点と、ふと見上げた空の雲や月、太陽を描くことは無理』と思い、こういう構図になったのだそうだ。
多分、映画でいうところのパンみたいなイメージなんじゃないかな?もしくは二重写しとか・・・そんな感じがしました。

あと。綺麗だなぁ〜と思ったのは、高山辰雄氏の『中秋』という絵。金地に銀色の月が浮かんでいるの。
つまり空、池、川は金色で描かれ、月は銀色。それに墨の風景が乗ります。幻想的で本当に綺麗でした。

他にも有名どころでは、錦絵部門(?)で、歌川広重の『東海道五拾三次』が2点、葛飾北斎の『富嶽三十六景』から“凱風快晴”、
日本画部門(?)では、奥村土牛、横山大観、東山魁夷などがありました。

この展示会。母が見に行きたいと言ったんですよ。珍しく。なのに、母は忘れていた・・・(-_-;)。
しかも、母&私、二人とも体調不良だったので2時間くらいしかいなかったよ。私、美術館に2時間って最短記録かも知れない・・・。

チケットは新聞のプレゼント募集で当たった物なのだが、母が見たいと言ったわりに、何故か私が応募した・・・。
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