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2007年10月20日17:38

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フェルメール〜「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展〜

新国立美術館で開催中の『フェルメール〜「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展〜』を見てきました。

チケットは、毎度お馴染み、新聞屋さんからの貰い物。新聞屋さん。いつも有難う〜。

フェルメールは日本人に人気のある画家なのだそうです。
私は、フェルメールは、あまり好みの画家ではないので「ふーん。日本人に人気があるんだぁ〜。」という感じで行ったのですが・・・。

平日なのに、人多!!凄く吃驚した。
先日行った『ヴェネチア絵画〜』とは雲泥の差だったよ(^_^;)。2時半頃に行ったのですが、人の頭ごしに絵を見るような状態になっていた・・・。
本当に、日本人はフェルメール好きなんだぁ〜。

更に、ぶったまげたのは、フェルメールだけで、1部屋分使ってた!!
つまりフェルメールの『牛乳を注ぐ女』の絵だけしかないコーナーがある!
見る場所に、仕切りがあって『この列はゆっくり進んで見て下さい』『立ち止まって見たい人コーナー』みたいになっていた!
スゲエぞ、フェルメール!!!
4時過ぎたら、すいてきたので良かったですが、それまでは人が沢山いましたよ。

フェルメール。前述通り、私はあまり好みの画家ではないのですが、それでもやはり、本物を見ると「この人凄いや・・・」と思います。
俗に言う、“フェルメールブルー”と呼ばれる、あの青色。確かに、あの青色は美しいです。
影の付け方も、ホワリとした感じで、非常に上品。
あと、吃驚したのは、パンの質感。その質感を出すため、白で細かいドットを打ってあるそうです(点々で、光を表してるのね)。
凄いなぁ〜・・・と思いました。

フェルメールの他にも沢山の風俗画が来ていました。
風俗画とは、人々の生活の様子が描かれている絵のコトですが、絵の中に教訓が含まれているコトが多いのです。謎解きのような絵なんですね。
なので、「頑張って謎解きするぞ〜!」と行ったのですが・・・・サッパリ分からず(^_^;)、仕方ないので、音声ガイドを借りました。

ヤン・ハーフィクスゾーン・ステーンの『金物を磨く女』。
使用人の女性が、ビールの入れ物を磨いてる絵なのですが、この女性、妙に肌を出している。
コレは、主人を誘惑しようとしてるというコトで“怠け者で男好き”という意味が隠されているらしい。

もう1枚。ステーンの絵。
『酔っ払った男と女』
ぐでんぐっでんに酔っ払った男女が中央のソファーに描かれている。女性は足を投げ出し寝ている。男もグラス片手に大口開けて寝ているらしい。後ろでは、宿屋の女主人がコートを盗もうとしている。
その様子を手前で猫がじっと見ている。
この絵は『酒は身を滅ぼすよ』という戒めの意味が込められているらしい。手前に描かれた猫は、好色の象徴なんだそうだ。

ハブルエル・メツー『猫の朝食』。
猫に女性が餌をあげてる絵なのですが、テーブルにチューリップがある。このチューリップは高価なモノらしく、食卓に置くような花じゃないんだそうだ。
つまり、この花は男性からの贈り物で、女性は浮かれていて、猫に餌をあげている・・・という意味らしい。
この絵には、女性の前に、雄鶏が描かれているのだが、それが、男性の象徴なんだそうだ。
そんなのパッと見て分からないよねぇ〜(^_^;)。
当時の人は分かったのかな?

ヤーコブ・オホテルフェルト『楽師たち』
玄関先で、楽師が音楽を奏で、裕福なご婦人がお金を出そうとしてる。裕福なご婦人には、子供がおり、その子供は乳母に促され、微笑む楽師の少年に、お金を渡そうとしている。
何てことのない日常風景のように見えるが、コレは格差社会を表した絵なんだそうだ。
裕福な婦人と子供は、明るい色彩でハッキリ描かれているのに、貧しい楽師は全体的に茶色で暗いトーンに描かれている。顔すらハッキリ描かれていない。

ニコラス・マース(派)『野菜市』
野菜売りと買い物をしてる婦人が喧嘩をしている。その横の婦人は、仲裁をしようと野菜売りの肩を叩いている。
画面のこちら側(つまり画面正面)を見て「あ〜あ」という呆れた調子でお手上げのポーズをする使用人。こっちに向かって「あ〜あ」と言ってるようで、面白い絵になっています。

今回の1番のお気に入りはニコラス・ファン・デル・ヴァーイの『アムステルダムの孤児院の少女』でした。
1900年の作品なので、割りと近代の作品ですね。
窓が後ろにある部屋で、少女が左横向きで本を読んでいる。赤いスカートと黒い服、白い布のコントラストが美しい。
孤児は、19世紀オランダで人気のあった画題なのだそうだ。

クリストッフェル・ビスホップの『日の当たる一隅』も好きでした。
窓の傍に立つ女性。熱心に針仕事をしている。手前のテーブルクロスの赤色の配色も美しいです。

私は、どちらかと言えば、画面が暗い絵の方が好みなのですが、アドリアン・ムーレマンスの『ランプの明かりに照らされた台所』とミヒール・フェルステーフの『台所の女』の絵が、私の好みの配色でした。
どちらも、松明やランプの明かりで、暗闇から人物がスゥッと浮き立つ様子が描かれています。
『ランプの〜』の方は、台所で松明(のようなモノ)を持って、作業する女性。『台所の女』の方は、ランプの明かりの元、鍋を磨いている女性の絵です。どちらも使用人を描いたモノだと思いますが、闇と光が調和していて、とても美しい絵でした。

版画やデッサンもありました。
ちょっと気になったのはヘールトライト・ロホマンの連作『女の仕事』の一つ『布の襞取りをする若い女』。足元に髑髏が描かれているのだが、コレは何かの象徴なのだろうか?

版画はレンブラントのモノなどもありますよ。

古楽器や、当時使っていたガラスのコップなど工芸品の展示もあり、なかなか充実した展示だと思いました。
古楽器で思ったのは、リコーダーはリコーダーなんだな・・・というコト。バロックリコーダーが展示してあったのですが、今のリコーダーとあまり変わりはなかったです。リュートが見られたのが嬉しかったな♪

私が見に行った時、たまたま古楽器の演奏会をやっていて、バロック音楽を奏でていました。バロック音楽好きなのですが、聴いてるうちに、α波が沢山出てしまい、立ったまま寝そうになってしまいました(^_^;)。

お土産は、ポストカード6枚と、従姉妹のお土産にと思って買った、フェルメールのポストカード&ボールペンセット。
どうでも良いが、フェルメール押し過ぎじゃねぇか?と思うほど、フェルメールグッズばかりだった(^_^;)。
メモとか、バックとか、タオルとか全部フェルメールの『牛乳を注ぐ女』。私はヴァーイの“孤児院の少女”のが欲しかったんだケドな・・・(ポストカードはあったので買ったよ)。

12月7日までやっているので、風俗画が好きな方は足を運んでみては如何でしょう?
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