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2007年10月07日16:53

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ヴェネツィア絵画のきらめき〜栄光のルネサンスから華麗なる18世紀へ〜

彼女は微笑んでおりました。
赤い衣に身を包み、手には生首が載った盆を持ち。
生首にツッと視線を投げかけ、彼女は妖しく微笑んでおりました。

彼女の名は、サロメ。
この魅惑のサロメを生み出しし画家はティツィアーノ。

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の『ヴェネツィア絵画のきらめき〜栄光のルネサンスから華麗なる18世紀へ〜』に行って来ました。
フライヤーを貰って、ティツィアーノの名前を見て、しかも、サロメの絵が来る!!と分かった瞬間から「絶対行く!!這ってでも行く!!そして図録も買うだろうなぁ〜」と思っていた美術展。案の定、図録も買いました(^_^;)。

本当に、私ゃ、ティツィアーノのサロメ好きだねぇ〜。
因みに、お客さんは、あんまりいませんでした(^_^;)。混んでる美術館が苦手なので、すいててゆっくり見られて良かったですが、ちょっと「ティツィアーノやティントレットじゃ、お客を呼べないのかなぁ〜・・・」と思ったりして(^_^;)。平日に行ったからかも知れない。

会場内には、ヴェネツィアにちなんで、ヴェネツィアンガラスのシャンデリアも吊られていました。暫く見蕩れた。

さて、ちょろっとお気に入りの絵の紹介〜。

ベッリーニと工房の『聖ヨハネの聖母子』おお〜、いきなりベッリーニ!!
表情が硬めの聖母とヨハネ。非常に「真面目な宗教画」という印象を受けるよ。

ランチャーノの『聖会話』。パッと見ちょっとヴェロネーゼの絵っぽいかな?と思った。画面中央よりちょっと左端寄りに聖母とキリスト。聖母の横には聖カタリナ。カタリナの足元には、キリストに花を手渡す、幼児姿の聖ヨハネ。非常〜に綺麗な色彩で「うわっ、ヴェネツィア派っぽい」と思います。

そして・・・そこに、その絵はあったのです。

ティツィアーノ!!!!!!(叫ぶ・笑)
サロメー!!!

赤い衣を身に纏い、お盆の上には、美男の聖ヨハネの生首を持つ。お盆の上のヨハネに、ちょっと目線を流している魔性の美女サロメ。
もう、たまりません。
美女が、生首持って立ってる・・・もう、私にとっては、これだけで萌え萌え設定ですが、それを描いているのがティツィアーノですからね。本当に美しい!!!
肌の透き通るような表現の綺麗なコト。目線の色っぽいコト。髪の毛がちょっと乱れた部分に至るまで、はあああ〜という溜息ものです。
本当に美しかった。

ティツィアーノはコレ1点だと思っていたら、あと3点もありました。『ジャンバッティスタ・ラムージオの肖像』と『ズアン・パオロ・ダ・ボンテの肖像』(これは手の表現が見事です、ティツィアーノは、私好みの手を描く!)『混血の少年の肖像』。
可愛い顔の混血の少年像が気に入りました。目線が可愛い。

さて、サロメの興奮もさめやらぬうち、次にお出ましは、はい出た、ヴェロネーゼ。『キリストと刑吏たち(エッケ・ホモ)』。キリストが茨の冠を被せられ、「この罪人を見よ!」と言われているところですね。
キリストの額からは血が。ヴェロネーゼさんは、ぼかす・・というか、フワンという描き方をすると思っているのですが、コレもそうでした。

で、次は、老人がうつぶせの青年を襲ってる図・・・じゃなくて、『善きサマリア人』。アントニオ・ザンギ作。
善きサマリア人は、盗賊に襲われ怪我した青年を、サマリア人が助けた・・という題材の絵なのですが、青年がうつぶせになり、傷を受けたお腹に、薬をたらしてもらっている図です。
コレは、そんなに妖しくないですが、バロックの人が描くと、妙〜に色っぽい絵になったりします(^_^;)。

今回、ティントレットの絵が結構来ていました。ティントレットはバロックの人よね。
その中でも私が気に入ったのが『愛の始まりの寓意』。女神らしき方々が4人、あおりの状態で描かれている。お皿を持ってる女神様もいます。

あと、ティエポロの絵が沢山来ていました。
『アイソンを若返らせるメディア』がお気に入り。王女メディアと思しき女性が中央に描かれ杖のようなモノを持っている。まわりにはドラゴンなどの怪物達。幻想的で綺麗な絵なのだが、怪物の中に、どう見ても“手長海老”に見えるヤツがいるんだが・・・(^_^;)。赤いし・・・。
ティエポロは、どうやらボスなどの絵にインスパイアされて描いたらしい。

ジャンバッティスタ・ビットーニの『聖母子と聖ヨハネを礼拝する聖女テレサと聖ペテロ、聖女ウルスラ、司教』もお気に入り。ポスター絵にも使っていました。
中空に浮く聖母。仰ぎ見るウルスラ。十字を持つテレサ。
優しい色合いのとても美しい絵です。

暫く見て歩くと、おお〜!!私の好きなロレンツォ・ロットの絵があるじゃあないですか!!『犬を連れた男の肖像』。金の鎖をして、花を携え犬と一緒の男性。因みに金鎖の十字架は“信仰”を、花の小枝は“夫婦の貞節”を、犬は“忠誠”を表しているらしい。
余談だが・・・。この男性、ダウンタウンの松ちゃんに似てると思うの(笑)。松ちゃんが16世紀の衣装のコスプレしてるみたい(笑)。

他にも、風景画などもありました。
点数はさほど多くないかも知れませんが、ヴェネツィアの軽やかで鮮やかな雰囲気を掴める良い美術展だと思います。

それにしても、ティツィアーノのサロメは本当に美しかったなぁ〜ハートハートハート
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