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2007年08月30日15:36

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日展100年−一目でわかる!日本の美術この100年−

『日展100年−一目でわかる!日本の美術この100年−』という美術展を国立新美術館へ見に行きました。
チケットは招待券を叔母から貰いました。叔母さん有難う〜。何故に叔母からチケットが来たのか分からなかったのですが、行ってみたら理由が分かりました。

私の従姉妹が大関に勤めているのですが、大関が持ってる絵が出展されていたのです。なるほど。それでか。

チケットは2枚あったので、母も一緒に来ました。母が音声ガイドを借りていたので、私も貸してもらって説明を聞いてみたよ。

日展は、1907年に発足。文展、帝展、新文展と続き、現在は日展になったそうです。
新聞で「日展入賞」とかある、アレですね。
それに出展されていた絵が展示してあります。
展示も、文展、帝展、新文展、日展と分かれてました。

最初は文展から。
まず、目につくのは、今回の1番の目玉でありましょう、上村松園の『花かたみ』“花かたみ”とは、花籠のコト。
謡曲“花かたみ”から題材を取った絵だそうです。
かつて帝に愛された女性。その女性が帝と別れ、御前行列の前で、狂人の舞を舞う。帝から貰った花かたみを持っていたので、帝はその女がかつて自分が愛した女性であるコトを知る・・というお話。
とても綺麗な女性ですが、狂人の舞を舞う人ですから、目がイッちゃってる感じがします。その部分も、悲しげで、良い絵です。繊細な感じの色使いが美しい絵です。

菱田春草『賢首菩薩』。
重要文化財だそうです。可愛い僧侶と弟子の絵。
菱田春草の描く人物はどことなく可愛らしいですね。

中村不折『白頭翁』。
私、中村不折さんの描く絵が好きなのです。
この絵は、アダムとイブを思わせる男女が、画面右後ろにいて、手前に木に凭れ掛かる白髪の老人がいる絵です。
画面が暗くて、重々しい絵なのですが、私には、その重々しさが丁度良いです。やっぱり不折さんの絵、好きだなぁ〜。

石橋和訓『美人朗読』。
美しい女性が斜め横向きで本を読んでいる絵なのですが、まるで、ヴィクトリア朝の絵画みたい!
石橋さんは、イギリスに留学して、イギリスの伝統的な技法を学んだらしい。だからか。
黒いドレスと女性の白い顔のコントラストが美しい1枚。

朝倉文夫『墓守』。
有名な彫刻ですね。とてもリアルな老人の彫刻です。モデルは谷中の墓地の墓守だった人らしい。
服の襞や、首に巻いた手ぬぐいの質感もリアルなんだ。

平櫛田中の彫刻もありました。『落葉』という老人像。木彫りです。大きくはないのですが、コレもリアルで「あぁ、田中さんだなぁ〜」と思います。

帝展コーナー。
川崎小虎『春の訪れ』。
琴や花かごを持った天女のような女性が描かれている屏風絵です。まわりには花や蝶。西洋風に言えば“プリマヴェーラ”というところでしょうか。
ふわふわした天女の白い衣が何ともいえず、優美です。

堂本印象『訶梨帝母』。
訶梨帝母とは、鬼子母神のコトです。子供を愛しむ鬼子母神と、他、2名の神様が描かれているのですが、この鬼子母神、キリスト絵画のマリア様っぽいです。
3面になってて、コレもキリストの祭壇画みたいだ。

藤島武ニ『東洋振り』。
チャイナドレスを着て、中華風の団扇を持った、横顔のバストアップの美女の肖像。青いドレスが鮮やかです。藤島さんは、ルネサンスのデューラーなどを学び、その頃の肖像画から着想を得たらしい(その頃は、横顔の肖像画が多かった)。

彫刻では北村四海の『凡て委ねる』が気に入りました。
女性に抱きしめられた男性の彫刻なのですが、この彫刻は、天使が人の肩のところに降りてきたところを表したモノらしいです。もしくは、美に身を委ねている人物・・らしい。

澤田政廣『白鳳』が面白かったです。
白鳳の化身なんでしょうか?女性が両手を広げてる彫刻なのですが「やっほう!」と叫んでるところに見える(笑)。
多分、手は翼で飛ぼうとしてるところなんだろうケドさ。

新文展コーナー。
橋本関雪『唐犬』。
唐犬ってタイトルなのに、屏風に描かれている絵は、グレーハウンドとボルゾイ。洋犬じゃないか!!(ツッコミ)
毛のふわふわ感がリアルです。

新文展から工芸が新しく賞の対象になるのですが、気に入ったのは大須賀喬『仙人掌文香盆』。仙人掌とは、サボテンのコトです。サボテンの彫金が施してある文香盆で、非常〜にモダンです。

日展コーナー。
中村岳陵『残照』。
オレンジから黒にじょじょにうつるコントラストの背景に、黒で描かれた木々のシルエット。非常〜に美しい絵。今回1番気に入ったかも知れない。オレンジ色は、まさに残照だよね。

寺島紫明『舞妓』。
前述の大関が貸し出した絵がコレでした。3人の舞妓さんの綺麗な絵。黒い着物が粋です。

山口蓬春『夏の印象』。
青い背景。沢山の貝殻。青い麦藁帽子。青い朝顔。まさに、夏の印象。とても美しい絵です。絵画(日本画)・・というよりちょっとイラストっぽいかも。

福田平八郎『雨』。
画面一面に、屋根瓦が描かれている。その瓦に雨粒がポツポツ描かれているのだが、その色合いで雨粒の時間差が分かる・・という絵です。白と黒の斑点のようなモノが雨粒だな。
白い方が時間が経っているワケだ(乾いているワケだから)。
モダンアートのようだな。

圓鍔勝三『星羅』
3体の人物彫刻なのですが、頭に触覚のようなモノがビヨ〜ンと出ている。コレ何だろう?宇宙人かな?星羅だし・・・。

山脇洋二『蜥蜴文硯箱』。
蓋のところに、銀の蜥蜴が乗っている硯箱。いやぁ〜ん、可愛い〜ハート私は爬虫類好きなので、蜥蜴も好きなのだが・・・苦手な人は、この硯箱は使えないね(^_^;)。

山崎覚太郎『漆器 空 小屏風』
小屏風なのですが、青と白い雲のコントラストがハッキリした空に、黒いシルエットの電柱が描かれている。俯瞰のような状態だな。
最初絵の具で描かれていると思ったのだが、漆だそうです。
どこかノスタルジックな気分にさせてくれる絵。

日展からは、書も賞の対象になります。
私は書は本当に疎いのですが、手島右卿『神』が気に入りました。神という字なのですが、丸っこくって、猫の絵のように見えるのです。

ザッと紹介しましたが、このような美術展でした。
お土産は、ポストカード5枚。

国立新美術館は東京の新名所です。
母が腹が減ったというので、地下のフードショップでご飯を食べました。鶏肉のカレー煮込みを食べたのがだ、結構美味でした。正式名称忘れちゃったが・・・(^_^;)。
しかし、2階や1階のコーヒーコーナーは混んでいたのに、地下のフードショップはガラガラだったぞ。皆、地下にあるコト気が付かないんじゃないか?
地下に、ミュージアムショップもあり、国立新美術館グッズも売ってました。
国立新美術館。耽美仲間が言った「黒川紀章のデカイ箱」という一言がえらくツボだったのですが、確かにデカかったです。でも、美術館自体は、そんなに広くなくて、疲れなくて、大きさ手頃だと思う。会場内にアップダウンもないし、見やすいよ。

帰りに、母が「六本木ヒルズに行きたい」というので、近くなので寄ってみました。気分はおのぼりさん状態。デカイビルだね、六本木ヒルズ。中国茶屋さんがあったので、ジャスミン茶を買ったよ。本当は白茶が欲しかったのだが、私が好きな『寿眉』はなかったので。母は、マンゴープリンみたいなの買ってた。

画像〜。
橋本関雪『唐犬』。ボルゾイとグレーハウンドなんだが、唐犬(笑)。
上村松園『花かたみ』
藤島武二『東洋振り』
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