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2007年08月09日18:14

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AYAKASHI 江戸の怪かし〜浮世絵の妖怪・幽霊・妖術師たち〜

浮世絵太田記念美術館で開催中の『AYAKASHI 江戸の怪かし〜浮世絵の妖怪・幽霊・妖術師たち〜』に行きました。

怪かしならば、絶対に私の大好きな浮世絵師、月岡芳年の絵が出ているだろう・・と踏んだのです。結果はビンゴ!でした。しかも、あるは、あるは、20点ほど。もう、お姉さん、ウハウハです(笑)。

会場内は、色々ジャンル分けされて、浮世絵が展示されていました。妖怪コーナー、幽霊コーナー、妖術師コーナー、鬼コーナーなどなど。

目にも恐ろしかったり、どこかユーモアがあったりする妖怪絵が沢山見られました。
太田記念美術館は、原宿にあるのですが、場所が場所だからか、外国の方も多い。そして若者も多いです。

まず、肉筆浮世絵(本来、肉筆を浮世絵、版画を錦絵というらしいです)。鳥文斎栄之の『蛤美人 吉原提図 禿図』。
昔は、蛤から蜃気楼が出る・・と思われていたのですが、その蛤の蜃気楼の絵です。蛤の口から、蜃気楼として、遊女や禿(かむろ)が出ている絵。どこか幻想的です。泉鏡花の世界っぽいね。

歌川芳員の化物双六も楽しい〜!!
百物語から始まり、豆腐小僧や九尾の狐、猫俣、唐傘お化けなどなど、お馴染みの妖怪が沢山登場する双六。
上がりは、何故か、化け猫だった(笑)。

葛飾派の『目々眼鬼(どどめき)』。
目が一杯〜。うわぁ〜。凄いビジュアル。しわしわしてて、そのシワの中に目が一杯あるの。百目(ひゃくめ)とも言いますよね。あと、名字に百目鬼(どうめき)さん・・というのもある。
こういう発想をする日本人の感覚、大好きじゃ〜。
因みに、この妖怪は良く盗み見をしていた人の慣れの果て・・とも言われているらしい。沢山見たいという思いから、目が沢山になった・・というコトなんじゃろな。

さて、ここから、私の大好きな芳年が連続してお目見えです。
和漢百物語シリーズ。コレは、中国と日本の怪異譚を絵にしたシリーズなのですが、まずは、舌切りスズメ。『頓欲ノ婆々』。大きなつづらから、妖怪が沢山飛び出てきた!あっかんべえをする妖怪が楽しい。婆さんは吃驚して仰け反っています。
『主馬介卜部季武』には、産女(うぶめ)が描かれている。青い肌の痩せた女・・・コレが産女(うぶめ)。かなり不気味な雰囲気が漂います。

私のお気に入り『登喜大四郎』もありました。化け仁王と相撲をとる登喜大四郎。後ろで化け仁王を応援しているらしい、化け阿弥陀のイッちゃってる顔が凄いのです。流石、芳年!!
闇に浮かぶ骸骨も不気味で恰好良いなぁ〜。

『不破伴作』不破伴作は、豊臣秀吉の小姓。美少年だったらしい。豪胆な人物で、荒れ寺の怪異を調べに行ったらしいのだが、美少年伴作の傘の上には、得体の知れない黒い塊が乗っかっている。
この黒い塊。本当に何か分からないのよぅ〜。怖い〜、コレは怖い〜げっそり

そして、私、狂喜乱舞!大大大好きな月岡芳年の『舎那王於鞍馬山学武術之図』があるじゃあ、あ〜りませんか!!
舎那王とは、つまり牛若丸ですね。牛若丸が、鞍馬山で天狗に武術を教えてもらうところを描いた絵なのですが、まぁ、本当に構図の恰好良いコト!
手前に桜の枝(コレが刀の代わりだな)を持ち、大きく手を横に広げ、膝をつき背をかがめる大天狗。
その桜の枝をフワリとひと飛び、かわして、剣を振るおうとする舎那王。まわりには桜が散る。
本当に〜〜〜に美しい!恰好良い!!この版画欲しい〜〜〜!!いくらだろう?芳年は、そんなに高くないと思うんだよなぁ〜・・・。無残絵(血みどろ絵)は人気あるから高いかも知れないケド。

お次、うわぁ〜!コレ初めて見るケド、コレも恰好良い!
『宮本無三四』。天狗の羽を刀でぶった斬る無三四。天狗は空中で仰け反り、羽には血がべったり。やっほぉ〜\(^o^)/。血みどろ〜ハート芳年は、血を描くのが本当に上手い!!
そしてやはり構図も恰好良いのだ。

芳年は、月百姿の『白蔵主(はくぞうず)』もありました。坊さんに化けた狐の絵ですね。

狐といえば・・・。
歌川広重の『王子装束ゑの大木晦日狐火』もありました。
王子稲荷に狐大集合の図です。狐〜♪
あと、狐の嫁入りの絵もあったよ。

葛飾北斎の『羅生門』。渡辺綱ですね。馬の手綱を握った綱が恰好良いです。
北斎は、北斎漫画(本)の挿絵が沢山展示してありました。土蜘蛛などが描いてある。線が細かいねぇ〜。
あと、私が好きなのは、三つ目のお化けに、眼鏡を売ってる眼鏡屋の絵。三つレンズが付いてる眼鏡なの(笑)。
お化けも近眼(老眼?)になったりするのかな?

芳年のお師匠。歌川国芳の絵も1枚だけでしたが、ありました。『木曾街道六十九次之内大久手一ツ家老婆』
包丁を持った老婆に娘がすがっている絵でした。

国芳がコレ1枚なのは淋しかったな・・・。国芳も、妖怪画得意だよね。

芳年に戻ります〜。
『渡辺源治綱』。横殴りの雨の中に立つ渡辺綱。これから鬼退治に行くのでしょうか?
コレも雨の表現が恰好良い!雨は墨で表現しているのだが、本当に恰好良いのよ。

そして、私大好き『羅城門渡辺綱鬼腕斬之図』。
大判を縦に2枚並べる、縦長の絵。
下には、渡辺綱。柱に巻きつき威嚇する茨木童子(鬼ね)。今まさに戦ってる最中です。この構図もまぁ、恰好良い。
好きだぁ〜芳年〜。

芳年の幽霊画もありました。
月百姿の『源氏夕顔巻』源氏物語の夕顔を描いたモノなのですが、儚げな感じのする美女(幽霊)が横向きで描かれています。
怖いというより、幻想的で美しい絵です。

最後も芳年で締めたい!
『豪傑奇術競』。天狗の霧太郎や、楠胡摩姫、大蛇丸などなど、妖術使い大集合の図。大判3枚組の大きな絵にズラリとならんだ妖術使い達の姿は壮観です。
そして、楠胡摩姫の鶴の羽の空押しが凄い!紙に細かく羽根のデコボコが付いているのですよ。コレは生で本物を見ないと味わえない感動だなぁ〜。

私は芳年が好きなので、芳年中心に感想を書きましたが、三代歌川豊国や、国周の絵もあるので、妖怪・幽霊好きで、浮世絵好きな人は、行ってみて下さい。

最後に、こんなに芳年の絵を見せてくれて、有難う!太田記念美術館!

画像は左から、百々眼鬼。北斎の本の挿絵。月岡芳年の『源氏夕顔の図』
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