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2007年05月26日14:53

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月岡芳年とレオナルド・ダ・ヴィンチ展

先ほどから腹が痛くて、ご飯が食べられないので、レポでも書いて気を紛らわします(オイ)。

結果、『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』に行きました。常設展のみにしようか悩んだのですが、チケット屋で、ちょっと割安のチケットを入手したので、思い切って、ダ・ヴィンチ展にも行って来ました。

ダ・ヴィンチ展は、まぁまぁ・・というところでした。
手稿など、もう少し本物があるともっと良かったんですが、まぁ・・それは仕方ないのかな・・・・・。
映像を使った展示が多くて、目が疲れるのと、人が溜まっちゃうのも、ちょっと難点かな・・とは思いました。
平日の雨の日に行ったのですが、流石ダ・ヴィンチ展。結構混んでいたのです(混み混みではなかったが)。

映像で面白かったのは、人を“比例”に基づいて描く映像。人体は頭8個分の大きさ。とか、人体は足4個分の大きさ・・とか。腕の長さの比率とか。
四角や円の中に人物を描き、線を引いていく。
黄金率というやつだと思うのですが、流石科学者、ダ・ヴィンチさん。そうやって計算づくで、絵を描いていたんですね。

他の絵も、緻密に計算して、背景や建物の位置など割り出して描いていたらしいです。
絵描きさんというよりは、数学者のようです。

1番面白かったのは、『最後の晩餐』の時、人物がどのように動いてあのポーズになったか。
普通にご飯食べてた時、キリストが「ここに裏切り者がいる」って言って、ペテロやトマスやヨハネやユダが吃驚して動いて最後の晩餐のポーズになるワケじゃないですか。その、動くさまをCGを使って見せていたのですが、コレは面白かったです。
いい加減な予想ではなく、皆が持ってる性格(例えば、トマスだったら疑り深いとか、ヨハネだったら従順とか)を加味して、そうやって動くだろう・・と予想した結果らしい。

あと、流石に『受胎告知』は凄かったです。
私、ダ・ヴィンチさんの絵はあまり好みではなく、『白てんを抱く女』も見たコトがあるのですが「綺麗だな」くらいにしか思わなかったのです。
が、流石に『受胎告知』の本物は凄いと思った。
印刷と違って、聖書を置いてある台の彫刻などが、ハッキリ見えるのね。
暫く足が止まってしまった。
大天使ガブリエルが美しかったです。

でもね。それ以上に感動し、ちょっと泣きそうになった絵・・・。
そう!それは常設展の月岡芳年!

“英名二十八衆句”が見られたぁ〜!!!!!!!
しかも、私が大大大大大好きな、“笠森於仙”の本物が見られたぁ〜!!!バンザ〜イ\(^o^)/。

やっぱり芳年の構図は超恰好良いです。何この恰好良さ。

あった芳年の無残絵は“笠森於仙”“古手屋八郎兵衛”“福岡貢”“姐己のお百”“高倉屋助七”“由留木素玄”の6点。

まずは“笠森於仙”。
男性の腕にうねうねと絡みつく於仙の髪の毛の表現が素晴らしい。
男や於仙の足や腕に血の手形がペタペタとあるのも、細かいです。

“古手屋八郎兵衛”
男性が女性の首に刀をグサリと刺しています。
血しぶきが飛び、刀も血まみれ。女性の青い着物と黄色い帯、そして赤い血とのコントラストが美しい!

“福岡貢”
足元にゴロリと転がった生首。
血刀を下に構える男の、白地に紺絣の着物のコントラストが美しい。舞い飛ぶ白紙も、風景にインパクトを与えている。

“姐己のお百”
左に豪奢な着物を着た美女。姐己ですね。姐己の横に骨と皮だけになった男。姐己はその男を蔑むように、また面白いモノでも見るように見おろす。
因みに、姐己は中国の狐の妖怪さんです。男は精力を姐己に吸われちゃったのかな。

“高倉屋助七”
駕籠が横倒しになっている。中には女性が乗っていたのか、藤色の着物が見える。その駕籠に足をかけポーズを取る黒い着物の美男。このポージングの恰好良さ!

“由留木素玄”
碁盤の上に血が滴る生首が置かれている。
左に黒い着物を着てポーズを取る男。足元に散らばる黒白の碁石の表現が細かく美しい。
私は、この絵も特にお気に入りになっちゃった。

もうもう、凄い凄い凄い〜。

芳年の無残絵って、あんまり展示してくれないんだ。
案の定、見てる人の中にも「人殺す場面ばっか。何で、こんなの展示するの?」「気持ち悪い」「もっとまともなの展示しろよ。」と言っていた人もいた。
因みに「もっとまともなの展示しろよ。」と言っていた男には、後ろから蹴りを入れたかった(笑)。

この英名シリーズは、歌舞伎の殺しの場面を題材にした絵のシリーズなんですよ。だから殺しの場面が描かれているのは当然(説明文にもそう書いてあったのに・・・)。
因みに“衆句”とは、天球を区分して星座を明らかにした二十八宿を元に、各人を表し、仏教での多くの苦痛を表す“衆苦”に語感を似させているのだそうだ。

因みに、私、今回、東京国立博物館に7時間くらいおりました。
ですが、やはり、まともに常設展示を回れませんでした泣き顔

だだっ広いのね・・・。東京国立博物館の常設展って・・・。1階、2階があるのだが広い広い・・・。

ダ・ヴィンチ展の方は、もっとサクサク見るつもりだったのですが、思いのほか人が多く、4時間くらいかかってしまい、しかも、月岡芳年で1時間20分くらい時間使って見ていた為、残り1時間40分で常設展を回るハメになったのですが・・・。
私のスピードで、あのだだっ広い常設展を2時間弱で回るのは無理!不可能〜〜〜。
私の見るペースでは、常設展のみで丸1日かかると思うは(-_-;)。

ザっと見たのですが、国宝や重要文化財級の刀が何本もあったのに吃驚。刃紋が凄く美しかったです。

国宝部屋なんていうのもあるのね。期間ごとに国宝が変わるらしいのですが・・・。部屋に番人がいなかったコトの方に吃驚だ!
確かにお客さん、私以外いなかったケドさ。
国宝だよ?盗まれたらどうするの?番人いなくて大丈夫なの?
(勿論、セキュリティーはちゃんとしてるだろうが)

あと、十二神将が見られたのが仏像大好きな私には嬉しかったです。

絵では、上村松園の“焔”という、源氏物語の六条御息所の生霊を描いた絵が凄く迫力があって美しかったです。
松園さんは、あまり好みの絵描きさんではないのですが、この絵は本当に美しかった!
白い着物を着た御息所が後ろを振り返る絵。綺麗〜。

余談だが。国立博物館とはいえ、受付の人や案内係は、学芸員さんじゃないから、絵にはそんなに詳しくないのですね。
「常設展に月岡芳年は出てますか?」と何となく訊いたら、ドアにいた案内の方は、知らなかったらしく、受付に聞きに行き、その受付の人も“月岡芳年”が何者か分からなかった・・という(^_^;)。そうだよね。北斎や歌麿みたいにメジャーな浮世絵師じゃないものね・・・。
受付が一瞬プチパニックとなる(^_^;)。
一瞬「え?出てないの?」と思い焦ったが、もう一人の受付のお姉さんがとても冷静な方で、すぐPCで検索して、展示してある部屋を教えてくれました。お姉さん有難う〜。

多分、その時受付の方の誰もが思ったろうね「ダ・ヴィンチを見に来い!」と。(^_^;)

芳年がお好きな方は10日までなので、行って見て下さい。
1500円なら、おまけにダ・ヴィンチ展も見られるよ(ダ・ヴィンチおまけて!)。

画像〜。
月岡芳年の笠森於仙。上村松園の焔。ダ・ヴィンチの受胎告知の一部。
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