ロンドン…
路上生活者の青年マイクは、朝から物乞いをして糊口を凌いでいる。ある日、実直な男サイモンに助けられてパン屋で奢ってもらうことになった。が、店に向かう途中でマイクはいきなりサイモンを殴りつけ、腕時計を奪い質屋で換金してしまう。当然警察に捕まり、数ヶ月のオツトメのあと福祉の支援によりホステルで生活できることになった。安ホテルの厨房に職も得て、更生の道を歩み始めたマイクだったが…
「URCHIN/アーチン」
以下、「シティ・ネタバレ・ロッジ」。




ニコマンさんの「ベイビーガール」の相手役…イケメンS男を演じてたハリス・ディッキンソンの監督作。自身も路上仲間ネイサン役で登場しています。
映画の中の「底辺」キャラって、憎めないクズだったり、這い上がろうとする気概があったりと多少は観客のシンパシーを呼び起こすもんだけど、本作のマイクは徹頭徹尾・正真正銘のクズ。他責思考で酒とクスリに逃げるだけ、努力もしない。そのくせプライドは高く、見下されたと感じると猛反発する奴。ただ、本人は自分のダメさを理解はしていて、直したい気持ちも少しはある。心穏やかな時は従順さすら見せることもある。根っからの悪人ではないんだろうが、断じて救いの手を伸ばしたくなる男ではない。作り手の目線には優しさがなく、希望のないエンディングで終了する。ショーン・ベイカーやケン・ローチとは真逆の突き放し具合で、アメリカン・ニューシネマのようなクールさもドライさもない。ただ惨めなサマを見せるだけ。アート系の不条理なビジュアルを時折挟んで、クスリのバッドトリップっぽいシーンもあるがそれが面白いとか示唆に富んでるとかでもないので、少々退屈であった。若い俳優が「監督」やると気合いが空回りするのだろうか。同世代の若者がなぜ社会からドロップアウトして再浮上できないのか?という疑問からスタートした企画らしいが、答えは明白。自律心と自立心の欠落ですよ。この両方が欠けてる人間までも取り残すことなく救う社会なんて、もはや夢物語でしょう。福祉がやるべきは職業訓練であってカネのバラマキでは無いと思う。エンディングは曖昧だけど、もっと突き放していいと思ったな。ODで死ぬか自殺で命を断つか、そういう末路しかないと言い切っていいんじゃないかなあ。
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