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2026年02月09日21:48

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ZARDデビュー35周年 動画アリ!2026年第1回横浜みなとみらい山手地区ライド 1月12日(月・祝)孤独な番人(ニッセ)からの卒業 ―― ZARD 35周年、横浜の光に映した「昨日を許す」旅路 ―― 

<2月10日(火曜日)ZARDデビュー35周年記念>

2月10日に平成のJ-POP界に新風を吹き込んだZARDは、デビュー35周年を迎える。西暦2007年5月27日に、闘病中にヴォーカルの坂井泉水は、転落事故により、この世を去った。事実上プロジェクトは確かに停止した。事務所側は、彼女が遺した膨大な歌詞から、意思を汲み取り、継続的に企画を練っている。2007年の秋から、スクリーン上の坂井泉水とスタジオのバンド演奏をシンクロさせた「フィルムコンサート」を継続的に実施している。令和時代には、さらに企画が加速する。2019年9月18日には、トリビュートバンドとして「SARD UNDER GROUND」と名づけた4人組ガールズバンドを世に送り出した。オリジナル曲と併用して、ZARDのカヴァー曲を発表している。往年のZARDファンから、次世代を担うz世代まで掘り起こした。2024年10月1日より神野友亜によるソロ・プロジェクトに移行しながらも、後世に伝えている。

写真=1995年秋に敢行したとされる17thシングル「マイフレンド」のリリースに向けたイギリスの首都ロンドンでの撮影シーン
掲載元 Uta-Net 「目覚めた朝は…」https://www.uta-net.com/movie/47213/
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タイトル 孤独な番人(ニッセ)からの卒業 ―― ZARD 35周年、横浜の光に映した「昨日を許す」旅路 ――  テーマ曲「目覚めた朝は...」

 2026年第1回横浜みなとみらいライドのテーマ曲は、ZARDの「目覚めた朝は…」、1996年1月1日に発売された17thシングル「マイフレンド」のC/Wとして発表された。A面に収録されたマイフレンドのドライビングサウンドを継承した。同曲をテーマに1月12日(月・祝)に、山手西洋館を中心に巡る旅を描く。

 前回2025年12月23日(火)タイトル「promised you」横浜ライド一筋の光を通過させて ― 孤独な番人と過ごす聖夜(イヴ)の前奏曲 ―>
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991302305&owner_id=32437106&from=list_diary_title

第1章 夜明けを告げるサンルーム イギリス館
第2章 過去と決別へ 山手111番館
第3章 窓辺の決意と、温もりの再会 ―― エリスマン邸 ―― ベーリックホール
 第4章 テニスの発祥と、足元に咲く「希望」 ―― 山手公園 ――
第5章 「孤独の番人」との再会と、決別 ―― 外交官の家 ブラフ18番館 ――
第6章 時を越える「美の継承」 ―― 凛とした静寂と、新たな出会い ―― 
第7章 「目覚めた朝は」のその先へ ―― 宝石を散りばめた光の海 ――

あとがき

外部リンク
 ・山手西洋館 公式サイトhttps://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/
 ・旧柳下邸  公式サイト https://ne-yagishitatei.com/
 ・ユーラシア文化館 公式サイト http://www.eurasia.city.yokohama.jp/
 ・横浜ハンマーヘッド 夜景サイト yakei.jpより
https://yakei.jp/japan/spot.php?i=hammerhead


第1章 夜明けを告げるサンルーム イギリス館
峻烈な眼差しを向ける「孤独の番人」ニッセ。北国の厳しい寒さの中、人の営みを片隅で見守り、自律して生きるその小さな背中に、自分自身の孤独を重ね、どこか救われるような感覚を抱いていた。2026年の年明け、心に去来したのは、あの時とは異なる「朗らかさ」だった。「目覚めた朝は」のAメロの歌詞の一説の通り、みなとみらい21地区は、空き地だった場所は、いつの間にかビルへと姿を変える。旅の青年は海沿いに垂直に並ぶ無機質なコンクリートの建造物を眺めつぶやいた。「どこに行こうと君の自由。せめて夢に出てきてくれるときは笑ってくれてもいいよね」
夢の中の記憶はおぼろげだった。彼女が出てきても、その表情までは読み取れない。まあ、それでもいいさ、と割り切っていた。愛車(700c)のペダルを漕ぐリズムはいつになく、リズミカルで、規則正しかった。険しい山手の坂道さえも、新しい季節へのプロローグのように感じられる。冷たく澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込み、ようやく最初の目的地みなとの見える丘公園にたどり着いた。人もまばらな園内で、やや縮こまりながらも赤や白、黄色のバラが花を付けていた。いざ園内の西洋館を前にして、『目覚めた朝は』の歯切れの良いギターのカッティングが鮮やかに切り込んできた。

 1. 白磁に宿る浄化の青 ―― 孤独な番人からの卒業 ――

 最初に扉を開いたのは、イギリス館。 テーマは「雅(みやび)の調べ」。装飾を手がけた宇野陽子氏の世界は、英国の気品と日本の伝統が、驚くほど自然に溶け込んでいた。

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それは、かつてニッセの視線に見出した「静謐な孤独」を、他者や伝統との「美しい調和」へと昇華させるような風景。有田焼の染付の青が、冬の光を透かしてテーブルを彩る様は、まさに新しいシャツに着替えて鏡の前に立った瞬間の、あの清々しい決意そのものだった。

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テーブルの主役は、2025年11月に黄綬褒章を受章された有田焼の権威・塚本増夫氏の手による染付の洋皿である。白磁に鮮やかな青で描かれた竹、牡丹、露草、紫陽花。この「白と青」の清潔感は、目覚めたばかりの空気感がダイレクトに伝わる。65年以上、一日として筆を置くことなく描き続けてきたという塚本氏の歩み。35年間音楽を届け続けてきたZARDの軌跡、旅の青年が、アップダウンの激しい横浜市山手地区を自転車で走り続けてきた時間とも、静かに共鳴する。

2. 光と銀器の「リズムサウンド」
シャンデリアと光: 窓から差し込む冬の柔らかな光がシャンデリアを透過する。真っ白なテーブルクロスの上の銀器やブルーのグラスに程よく当たる。「光の乱反射」は、楽曲「目覚めた朝は」の軽快なギターのリフや、弾むようなリズムサウンドを視覚化したように躍動感に溢れていた。

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エクレクティックスタイル: 英国の銀器と日本の磁器が、お互いの良さを引き立て合う。2025年の「孤独な番人」との対峙を経て、2026年には、異なる価値観が調和するこの「雅(みやび)」な風景を、描き出した。

3. サンルームの「余白」が語る未来

 サンルームに置かれたアイアンのテーブルセット。差し込む逆光が、床に長い影を落としていた。2025年12月23日の『promised you』の夜を通り抜けた先に待っていたのは、こんなにも明るく、静謐な朝だった。 「ここにはもう、迷いはない」――そんな確信を与えてくれる、開放的な空間を提供してくれた。


      第2章 過去と決別へ 山手111番館

 イギリス館を後にし、隣接する山手111番館へと足を向けた。噴水を囲む広場から見上げるその建物は、スパニッシュ様式の赤い瓦屋根が冬の青空に映え、どことなく地中海の温かな風を予感させた。スリッパに履き替え、吹き抜けが心地よいホールへと足を踏み入れる。高く伸びる枝々に赤い実がたわわに実った大胆な生け込みだった。寒さにも耐え、一足早く芽を出す健気で力強さを抱かせる。
旅の青年は、今朝方、grayな曇り空のように、冴えない気持ちにも襲われていた。自転車でみなとみらいへ向うにつれて、風を切ることによる、ポップサウンドのようにはじけた気持ちになった。装飾品を観察するうちに、もうすでに春へと向かっていた。

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窓際の一室は、床から壁まで全面茶色で統一されている。格式を添えるかのようにテーブルの上に赤や黄色、白のユリが競演する。艶やかな色彩が作り出した食卓風景は、イギリス館の静謐な青とは対照的だった。和と洋が絶妙に融合した、「迎春」の言葉をそのまま形にしたような瑞々しさが漂っていた。
Bメロの一節「こんなに心をみせ女(ひと)はいないよ」
ふと別れたはずの彼女への気持ちを吐露した。フラットな床の上を歩くたびに、一歩ずつ時が進む。反対に過去のことを決別する自分も募ってくる。坂井泉水が紡いだ詞(ことば)が、室内にじんわりと染みとおっていた。食卓を囲む主人が、もし「私」であるならば、決して一人ではない。きっと語り合う未来が待っている。あの孤独な番人ニッセと対峙した青年は、決して過去の泥沼へ引きずられることはなかった。山手111番館の迎春装飾は、「悲しみは、きっと次の喜びへと繋がる光」であることを教えてくれた。
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 第3章 窓辺の決意と、温もりの再会 ―― エリスマン邸 ―― ベーリックホール

1.西洋の様式美
山手111番館の華やかさを後に、緑の窓枠が印象的なエリスマン邸へと歩を進めた。現代建築の父・レーモンドの設計による、直線的で清々しい空間。サンルームの真っ白な台座の上に、凛と佇む門松の緑。窓の外に広がる冬の木立と、室内の装飾が共鳴し、凍て付く寒い空気を、ほっこりと暖めてくれた。かつて孤独を噛み締めていた青年の目には、潔い空間が「自分を律する強さ」を教えてくれるように映る。無駄なものを削ぎ落とした先に残る、自分自身の本当の気持ち。窓越しに見える冬の空はどこまでも高く、次に踏み出す一歩が、決して間違いではないことを確信させてくれる。

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 続いて訪れたベーリック・ホールは、一転して温かな琥珀色の光に包まれていた。スペイン様式の重厚な建築美。そこには、一人で過ごす孤独ではなく、誰かを待つための宴が繰り広げられていた。

 2. 琥珀色の食卓
1階のダイニングルームには、艶やかな木のテーブルに赤い花々が配されていた。冷えた心を内側から温めてくれるような、深い慈しみを感じさせる風景である。
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 3.未来を展望する「青」の記憶 ―― ベーリック・ホール 2階 クワットレフォイルの窓から

赤いカーペットが敷かれた階段を上ると、暖色系の柔らかな光が、プライベートな寛ぎを予感させる回廊へと導いてくれた。子ども部屋を彩る、四つ葉のクローバーのような形をした「クワットレフォイル」の小窓。冬場に差し込む太陽光により、壁面の鮮やかな青のタイルが照り映える。「ニッセの赤い帽子」から始まった旅は、作詞者坂井泉水のイメージカラーである「青」へ辿り着いた。失恋した青年は、時に夢の残骸に苛まれていた。クリスマスの頃から通じて、西洋館を旅し、高貴な家柄の人々の暮らしを想像する。新たに、人生を描き直すための「真っ白なキャンバス」に「希望の青」をくわえ、心はいつになく澄み切っていた。書斎で来客を案内していた装飾者は、丁寧に作品を示しながら解説する。タイプライターが設えられた机や書棚を彩るチューリップ。無機質な空間にかぐわしい香りを放った。

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エリスマン邸のモダンな「緑と白」の世界、そしてベーリック・ホールの重厚な「赤と木」の世界。それぞれの空間が持つコントラストを、失恋から立ち直りゆく若者の心境と、ZARD『目覚めた朝は』の歌詞との対話が再現されていた。

第4章 テニスの発祥と、足元に咲く「希望」 ―― 山手公園 ――

 ベーリック・ホールの重厚な余韻を胸に自転車を走らせ、日本テニス発祥の地である山手公園へと向かった。


 1. 伝統の風、テニス発祥記念館 山手68番館

緑色の簡素な造りが周囲の自然に溶け込むテニス発祥記念館。その窓際では、職員の手による美しいフラワーアレンジメントが、訪れる者の目を楽しませてくれる。なかでも目を引いたのは、冬の澄んだ空気の中で直立し、凛とした気品を放つカラーだった。この白くて可憐な花は、坂井泉水自身も生前、愛でていたという。清廉な花の佇まいは、時を経ても色褪せることのない彼女の功績を、静かに語り継いでいるかのようだった。

テニスコートの会員の控え室をかねる旧山手68番館は、全面フラットに均された床から靴音が響く。壁際の西洋から受け継いだ暖炉を模した展示品の上には、正月らしい羽子板がしつらえていた。横長の机には「あなたを待っています」の花言葉を持つシクラメンの鉢植えと、4つの塊に分かれたテニスボールが競演する。西洋由来のテニスが始めて日本に広まった山手公園は、歴史名所をかねる。一つの文化を積み上げてきた人々の確かな足跡は、プロテニスプレーヤーの原点になる。35年の月日を積み重ねてきたZARDの歴史も、こうした丁寧な「一歩」の積み重ねだった。時を経ても、彼女の歌声が人々の胸に刻み込まれていた。
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 2. スイセンが告げる春

 ふと足元に目を向けると、冷たい冬の土の中から、凛と顔を出すスイセンの花があった。
失恋の冬を越えようとする青年の心に重なった。策の前で中腰になり、視線を注いだ。派手さはなくても、自分の足でしっかりと立ち、光に向かって咲くその強さ。慎ましくても可憐に咲く一株に「明日への勇気」を分けてもらった。
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第5章 「孤独の番人」との再会と、決別 ―― 外交官の家 ブラフ18番館 ――

 自転車で山手通りへと戻り、JR石川町駅方面のイタリア山庭園の門をくぐった。昨年末、ニッセの視線に吸い込まれるような感覚を抱いた外交官の家へと向う。

 1.プライベートなサンルームでのひと時。

 1階:光の食卓

1階のダイニングの主役は、正月の晴れやかさと共に、どこか背筋が伸びるような凛とした装飾。クリスマスシーズンに「孤独の番人」に見守られていたこの大正モダンに溢れる一室は、新しい夢を語る若者や子供たちを呼び招いた。
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2階:静寂の寝室

2階の寝室は、プライベートな一室、窓から差し込む冬の光が、整えられたベッドを優しく照らしている。
2025年12月23日に、旅の青年は一抹の切なさを抱いていた。あの孤独の番人と出会いを通して、見方は変わった。この静謐な空間は、失恋の痛みさえも大切な経験として抱きしめ、深く心地よい眠り(=過去との和解)のあとに来る「目覚めた朝」を祝福してくれているようだった。
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2.「マイフレンド」への序奏 ―― ブラフ18番館 ―― 開放的なサロン
イタリア山庭園のもう一つの主役、ブラフ18番館。今回は1階のみの公開(3枚の写真)だったが、そこには「目覚めた朝は」が収録されたシングルの表題曲である「マイフレンド」の温かさにも通じる世界があった。

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グリーンの窓枠から溢れる光。テーブルを彩る新春の装飾は、訪れる者を優しく包み込む。
無理に明るく振る舞うのではなく、ただそこに在るだけで癒される空間。1階の広々としたサロンを巡りながら、「自分を作ってくれた大切な記憶」として、心の引き出しにそっと仕舞うことができた。



第6章 時を越える「美の継承」 ―― 凛とした静寂と、新たな出会い ――
 
1.時を止める「和」の静寂 ―― 旧柳下邸 ――  
西洋館巡りを通して、日常から離れた異文化に溶け込む暖かい家族像を創造した。未来への自分に向けて一歩進むと決意して、アップダウンのある山手通りを疾走する。訪れたのは、JR根岸駅に程近い、閑静な住宅街の中にたたずむ旧柳下邸である。大正ロマンの香りと共に、日本人が大切にしてきた「静」の精神が息づいていた

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障子から程よく光が当たり、廊下の塵一つさえくっきりと映した。床の間に活けられた力強い松や、繊細な新春の設え。和の空間が持つ「静寂」に触れた。庭先には殺風景な冬を彩る黄色のロウバイやピンクの梅が咲き出していた。花はいつも決まった時期に顔を出して、季節の到来を告げる。冬の日中、気づかぬうちに、ささやかな習慣を身につけていた。

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2.東西文化のランデブー ―― 横浜ユーラシア文化館 ――

 旅はいよいよ横浜の中心部、日本大通りの横浜ユーラシア文化館へ。企画展「山本博士コレクション 横濱 東西文化のランデブー」は、まさに今回の旅のテーマにふさわしい「調和」の場だった
超絶技巧の「眞葛焼」や、精緻な「横浜彫刻家具」。幕末から明治にかけて、日本と西洋が激しくも美しく出会った記憶の断片。異なる価値観がぶつかり合い、新しい美(ランデブー)を生み出した歴史。坂井泉水が遺した言葉が、傷ついた人々の心を慰め、新しい希望を生み出してきた軌跡とも重なる。旅の青年はここで、過去の傷もまた、自分という人間を創り上げる「大切なコレクション」の一つなのだと気づかされた。

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最終第7章 「目覚めた朝は」のその先へ ―― 宝石を散りばめた光の海 ――

日は沈み、街は光の魔法にかけられる。海風を切って自転車を走らせ、横浜ハンマーヘッドの駐輪場でほっと一息ついた。海へと突き出たテラス席は、対岸のみなとみらい21を象徴するコスモクロックが、時を刻む。かつて一人で見上げた夜空はあんなにも冷たかった。日暮れ時人々の生活の灯火から次のステージへ立つ決意を固めた。

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トワイライトタイムが過ぎて、慌てて駐輪場へ戻り、パシフィッコ横浜の裏手に浮かぶプカリ桟橋へと自転車を走らせる。

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暗闇に包まれた中、白を基調としグリーンのラインが施された建物は、夜の海を旅する魔法の船のように、静かな光を湛(たた)えていた。白の壁面は青みを帯びて、緑の屋根とコントラストを成す。『目覚めた朝は』の軽快なリズムを刻んでいるかのように、波に揺られながらも凛としたたたずまいを見せている、決して孤独ではなく、街の灯りと共に優しくそこに在る。
旅の最後、青年の脳裏にふと思い浮かぶのは、やはり別れた恋人のことだった。ただし、過去へ引きずられることはない。次なるステージへ向かうための確かな「経験」という名のステップに変わっていた。
2026年1月12日。作詞者・坂井泉水が、およそひと月後にデビュー35周年を控えた夜。 失敗や後悔を引きずる青年の姿はない。潮風の中で新しいシャツの襟を正し、再びサドルに跨った。明日、窓を開けた瞬間に広がるであろう「目覚めたばかりの空気」を、真っ白な心で受け止める準備は、もうできている。
坂井泉水の歌声が、海風に乗って聴こえてくる気がした。確かに君は目の前を通り過ぎてしまった。アクセルを踏んだ車が加速していくように、遠ざかってしまった。今青年は、しっかりと事実を受け止めた。未来へと連れ出す最高のサウンド。 「打ち明けたかったよ、‘今でも愛しているよ’」 その言葉を胸に、横浜の夜景を背に、力強くペダルを漕ぎ出した。

                               <終わり>


あとがき ― 孤独を越えて、光を放つあなたへ ―

 自転車を漕ぎ出し、風を切る。それだけのことが、これほどまでに自分自身を救ってくれるとは思ってもみなかった。

2025年の暮れ、私は失った約束の重さに足を止め、横浜の街に広がる「孤独」の中にいいた。しかし、山手西洋館の静寂の中で出会った「孤独の番人」ニッセの眼差しは、私にこう問いかけてきた。「孤独であることは、決して惨めなことではない。それは自分を律し、高貴に生きるための贈り物なのだ」と。

その気づきを、坂井泉水の歌声が優しく包み込んでくれた。『promised you』で昨日を許し、『目覚めた朝は...』で新しいシャツの襟を正す。35年の歳月が流れても、ZARDの言葉が瑞々しく響く所以も確かめられた。その答えは、彼女自身が孤独と向き合い、光を紡ぎ続けてきたからである。

この旅で私がカメラに収めたのは、横浜みなとみらいと山手地区のありふれた風景ではない。凍てつく冬の土から芽を出すスイセンの生命力、夜の海に浮かぶプカリ桟橋の真っ青な輝きである。不透明な宇宙(そら)の中で迷っていた私の心は、横浜の坂道を一段ずつ登るたびに、「確かな座標」を見つけていった。

この旅を彩ってくれた横浜の美しい意匠、そして今もなお、私たちの背中を押し続けてくれる坂井泉水さんの歌声に、心からの敬意と感謝を表する。

この本を閉じたあと、あなたの窓の外にも、素晴らしい「目覚めた朝」が訪れることを願って。

2026年2月10日
横浜の夜景を背にして


写真=ZARD 35th Anniversary ロゴ 掲載元 デビュー35周年オフィシャルページ
https://wezard.net/35th/zard-best-request/
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 以下

前年同期 2025年1月13日(月・祝)テーマ曲「Rady Go」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989301638&owner_id=32437106&from=list_diary_title

前々年同期 2024年1月8日(月・祝)テーマ曲「Boy」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986749089&owner_id=32437106

前回ZARD関連作品

2026年1月28日公開
・ZARD 永遠のスタンダード、35周年の調べ ―― 代官山に響く坂井泉水の『呼吸』と継承される祈り
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991519347&owner_id=32437106&from=list_diary_title











ソニー、ブルーレイディスクレコーダー全機種の出荷終了へ 「後継機種はございません」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=8663822
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