内閣府が発表した「外交に関する世論調査」によると、
「中国に親しみを感じないと答えた日本人が80・7%に達し過去最高を更新した」という。
それは日本人と中国人に距離感が大きいことが最大の原因だ。
日本人と中国人が違うのは当然であるが
中国に利権を持つ者や、
その昔毛沢東に憧れを持っていた者、
または自虐的な歴史観から中国に対して深い同情を持つ者などの存在が
中国人に美しい衣を着せ、
裸の中国人を見せないようにしてきた歴史を忘れるべきではない。
つまり「化けの皮」が剥がれただけのことだ。
日本人と中国人は人種的に極めて近いため、一見すると似ているように思えるが
内実はまったく違うからややこしいのである。
典型的な例は普段使っている漢字だろう。
20年前のことだが、
マレーシアのクアラルンプールから列車でシンガポールまで移動したことがある。
隣の席には中国系マレーシア人の女性が座り、彼女と「筆談」をしたことがある。
彼女はマレー語、英語、福建語、北京語ができる。
それで私は自分の言いたいことを、日本の常用漢字で紙に書いて彼女に見せたが、
彼女は意味をほとんど理解しなかった。
英語で漢字の意味を説明すると
今度は彼女がその意味を中国語で書いて見せたが
私にはほとんど意味が分からなかった。
親しくなった私たち二人はクアラルンプールで再会し、
アメリカ映画を見ることになった。
スクリーン下に中国語とマレー語の二つの字幕が表示されたが
中国語の漢字を見てもサッパリ意味が分からなかった。
中国語の漢字と日本語の漢字では意味が大きく違うからだ。
しかも中国語は漢字しか使わないので
アメリカ人の名前もアメリカの町の名前も漢字で表記する。
発音が近い漢字を当てはめるだけでその単語に意味はない。
だから表示された漢字に意味があるのかどうか、それすら分からない。
中国語の新聞を読んでも意味はほとんど分からないだろう。
「分かる」という人はいるが、おそらく勝手に解釈しているだけだろう。
だから勘違いが起きるのである。
勝手に解釈してしまうと、大きな問題の原因になってしまうだけだ。
しかも日本人の中には
インドの凡語(サンスクリット語)と中国語を混同している人もいる。
中国ではすっかり仏教は廃れてしまい、中国人は仏教用語をまったく知らないのだ。
中国人に「油断大敵」とか「一期一会」などと紙に書いて読ませても知るわけがない。
それらはサンスクリット語であって決して中国語ではない。
勝手に中国語と思い、漢字で書いて見せても中国人に意味が通じるはずがないのである。
中国語でトイレット・ペーパーは「手紙」と書く。
便箋で尻を拭くからではない。
便箋なんかで拭いたら痔になってしまうだろう。
「日本人は手紙の意味を知らず便箋で尻を拭き痔になってしまった」と
中国人が勘違いしても仕方がないことだ。
親しみを感じない理由は距離感が大きいからだ。
その距離感をなくす方法は漢字の意味の統一しかないだろう。
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