前回 第9回 6月3日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990089068&owner_id=32437106
関連日記
・2024年5月21日 イラン核合意 2023年ノーベル平和賞イランのモハンマディ氏
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987643106&owner_id=32437106
目次
・第1章 食糧が兵器となる。非難を強める西欧諸国
・第2章 ネタニアフ政権の思惑
・第3章 イランとイスラエルが激突する。
・第4章 イランの体制転換を期待する西欧諸国
ガザ地区では、今なお人道状況は改善されていない。新たにイスラエル軍(IDF)は、国連に変わり、アメリカがバックに付くガザ人道財団(GHF)の力を借りて、ガザ地区に食料を配布する。一方的に指定した場所に置くことにより、住民を強制的に移住させる。1949年に成立したジュネーブ条約に反する行為だった。ガザでの紛争が長引く中、ハマスを支援するイランとイスラエルの間でも新たな戦争が勃発した。俄然緊迫する中東情勢をレポートした。
第1章 食糧が兵器となる。非難を強める西欧諸国
ガザ人道財団(GHF)は、計画通り、イスラエルから食糧を載せたトラックで検問所を通過し、ガザ地区へと向った。ラファの2箇所を含めて南部3箇所、中部1箇所をあわせて、地区内合計4箇所で、推定230万の住民に食糧を配布する。
既に地区内で蓄えられていた食糧が枯渇する中、住民はGHFのトラックに殺到する。無秩序状態になる中、警護に付くイスラエル軍(IDF)の兵士との間で緊張が高まった。地元パレスチナ保険当局によると6月3日、IDFの兵士による発砲で、少なくとも27人のパレスチナ人が死亡、数十人が負傷した。これまで相次ぐ発砲事件を否定していたIDFは、6月3日に初めて経緯を説明する。ラファの配給所付近の指定されたアクセスルートを離れ、部隊に向かって前進してきた集団に、身を守る必要性から射撃した。すなわち正当防衛を主張したのである。国際的に同調を誘うべく、同じ日にガザ地区北部との戦闘でIDFの兵士3名が死亡したと明かした。国際赤十字委員会の広報担当者はロイター通信に対し、事態の深刻さを語った。ラファの野戦病院にて184人の負傷者を受け入れたものの、19人は到着時に死亡していた。手当てのかいもなく、追加で8人が命を落としたと明かした。
国連人権高等弁務官事務所は3日、ガザ地区の民間人の食糧支援へのアクセスを妨害することは戦争犯罪に該当する可能性があると表明する。食糧支援を受けようとする人々への攻撃は「非道」だと非難した。
写真=2025年6月3日 ガザ南部ハンユニス病院で撮影 出展 詳細記事 6月3日の食糧配布所での事件 Reuters 2025年6月3日午後 11:14
https://jp.reuters.com/world/security/PYSH52C3SZJXFIUHSX52OGLNEI-2025-06-03/
GHFは、国連の財団に代わり、5月27日にスタートした食糧配給に対して、6月4日に安全性が懸念される事態から「停止」を表明した。ガザの人々が再び飢えに見舞われ、救いを求める声がやまなくなる。西欧諸国も声をあげて、人道に配慮するように求めていく。ドイツのワーデフール外相は、イスラエルのサール外相と5日に会談した。「人道と中立性の原則のもと、制限なく人道支援物資の搬入を認めるよう要請した」と、会談後の記者会見で述べた。
IDFは5日もガザ地区の軍事作戦において、南部ハンユニスで人質2人の遺体を収容したと明らかにした。地元の保健当局は5日、過去24時間に70人が死亡し、これまでの死者は5万4677人と数字を出している。罪のない人々の血が流れていることを、具体的な数値を出すことにより、訴え続けてきた。
国際的非難を和らげるため、イスラエルメディアは6月5日にGHFによる食糧配布を再開したと、報じた。
詳細 食糧配布状況 NHK NEWS WEB 6月6日午前5時52分付
GHFの職員はあくまでも非武装の一般人である。IDFの兵士が、ハマスの戦闘員の略奪に備え、護衛していた。国連を排除して、GHFによる食糧配布は、いわゆる軍事作戦の一環である。配布場所を指定すれば、必然的に住民が固まる傾向にある。ハマスの戦闘員との戦いにも専念でき、緩衝地帯作成も円滑に進む。ハマスからみれば、敵対行為に他ならない。
少しでもガザ地区の住民を救おうと、命の危険を顧みない活動家の存在も手助けとなる。6月9日、スウェーデン人の環境保護活動家グレタ・トゥーンベリさんが、食糧や医療物資を載せた船に搭乗し、地中海経由でガザ地区へ向う途中、イスラエルに阻止されたことがわかった。イスラエル外務省は10日、航空機の座席に座るグレタさんの写真を投稿し「イスラエルからスウェーデンに向けて飛行機で出発した」と報告した。グレタさんは国外退去を命じた書類に署名した一方、船に乗っていたヨーロッパ各国の議員を含めて8名は、拒否したとのことである。いわゆる不法入国扱いにし、イスラエル国内の収容施設にとどまっていると明かした。
詳細 イスラエルのSNSの投稿文について NHK NEWS WEB 2025年6月10日19時7分
アメリカがバックに付くGHFの食糧配布は、警護するIDFの兵士による発砲が相次ぎ、住民たちを危険にさらす。第3国の人道団体が加わることにより、安心して食糧を届けられる。グレタさんは速やかにイスラエルから去ったものの、他の8人はかたくなに抵抗することにより、ガザの軍事作戦に反対意見を表明した。イスラエル兵士は処遇について明らかにしていない。
第2章 ネタニアフ政権の思惑
6月10日、ガザ中部に唯一設けられた食糧配布所で、銃撃があり、36人が死亡したと
、パレスチメディアが明かした。IDFは、パレスチナメディアの報道に反論するかのように、兵士に近づいてきた人々に対して、警護射撃を行ったと説明した。直接発砲したことは認めていない。
民主主義や人権を重んじる西欧諸国は動き出した。6月10日、イギリスとカナダ、ノルウェー、オーストラリア、それにニュージーランドの5か国は、イスラエルに制裁を下す。超党派議員のベングビール国家治安相とスモトリッチ財務相に対し、資産を凍結し、渡航を禁止した。その理由について、スモトリッチ財務省はヨルダン川西岸地域のパレスチナ人の主権を侵害したことにある。ベングビール国家治安相は、停戦案に関してかたくなに拒否し、ヨルダン川西岸地域での入植地拡大、ガザでの軍事作戦を煽動していたことにある。
写真 左側ベングビール国家治安相 右側スモトリッチ財務省 掲載元 FNNプライムオンライン 6月11日 水曜 午前10:04
https://www.fnn.jp/articles/-/885246
二人の閣僚は、ネタニアフ戦時内閣を全面的にバックアップしたのである。ベングビール氏は、2025年1月15日に発行したガザでの停戦協定を全面的に反対していた。自身が属する政党「ユダの力」は、同月18日付で戦時内閣を離脱すると発表した。ベングビール氏を含む6名の議員は、協定が施行される19日に離脱する。なおクネセトの規約に基づくと、閣僚ポジションは議席数から外れる。実際ユダの力は7議席だった。
停戦協定は第一段階を経て、第二段階への移行過程で、両勢力の間でこじれた。ハマス側は、先にイスラエル軍のガザ撤退を要求する。対して、イスラエル軍は、人質解放が先だと譲らない。3月2日から、ハマスに圧力をかけるべく、検問所を封鎖していた。仲介国のアメリカは、イスラエルに同調する。同じ仲介国のカタールとエジプトはハマスの身にも立ち、イスラエルに対して要求を緩和するように働きかけた。結局埒が明かず、3月18日に戦闘再開につながった。
翌3月19日に、内閣を離脱していた「ユダの力」が2ヶ月ぶりに復帰した。イスラエルの国会クネセトは定数120、ネタニアフ首相が属する「リクード党」を含め政権与党は、停戦期間中過半数となる60を割り込み、57議席だった。議会の安定化に向けて、ベングビール氏が属するユダの力の復帰をうながすべく、停戦交渉を打ち切り、戦闘再開したとの見方は隠せない。ユダの力が復帰し、ベングビール氏が閣僚に入ることにより、6議席プラスされた。少数与党政権では、2025年の国家予算の成立が難しかった。現に法律に基づくと、予算不成立の場合は、解散総選挙に踏み切るしかなくなるのである。野党は、法制度に助けられ、こぞって予算に反対することは予想していた。国民の間でもガザ地区のハマスとの衝突以前から、汚職問題により、ネタニアフ首相に不信感を抱いていた。ガザでの軍事作戦は、政権延命措置につながるのである。
詳細 ユダの力について 3月20日7時5分付 JlJl.com
いまなおネタニアフ政権には、国内からの退陣を求める声がやまない。6月12日、クネセトでは、国会解散の是非を問う予備採決が行われた。きっかけは、超党派ユダヤ人の兵役免除の是非である。クネセトでも、二分するほど大きく揺れていた。ネタニアフ首相が属するリクードは、免除を続けるべきと主張する。解散反対は61議席、賛成53議席を上回った。各種世論調査によると、解散総選挙になれば、リクード党は第一党から陥落する。ネタニアフ首相は、ひとまず危機を回避した。
詳細 クネセトの解散総選挙 ロイター 2025年6月12日午後12時47分付
イスラエル国内では、軍事作戦において、市民の中でも賛成派と多数派に大きく分かれている。反対派から、人質の行方、また支援団体の安否を気遣う声が耐えない。もちろん、ハマスの戦闘員との戦いは支持しても、巻き添えになる民間人に同情する声もある。
ガザ地区では、懸念された事態が起こった。6月11日、GHFは、同職員20名を乗せたトラックがガザ南部にて、銃撃を受けて、5人死亡したと明らかにした。GHFの職員の犠牲は初のことだった。実のところこの数日、脅迫被害を受けていたと訴えていた。IDFの交戦勢力のハマスは口を閉ざしている。
詳細 GHFの職員の犠牲 朝日新聞デジタル 6月12日23時22分
戦時中、常に兵士は緊張状態に陥り、敵か味方かの判断もつきにくくなる。GHFの職員を警護するIDFの兵士は、極限の緊張状態に置かれていた。食料に向って殺到する人々を、ハマスの戦闘員か、非武装の住民か、区別がつかない。身を守る必要から、発砲したといえる。解決方法は停戦の一言に尽きる。
第3章 イランとイスラエルが激突する。
ガザでの人道危機が深まるにつれて、中東地域の危機感は一段と増す。国際社会の行方を大きく左右する戦いが起ころうとしている。IDFは6月13日、イランの核関連施設を同時多発的に攻撃し、精鋭部隊「革命防衛隊」トップのサラミ総司令官ら軍高官を殺害したと発表した。ターゲットはイランのウラン濃縮施設である。200機以上の戦闘機を使い、100箇所の施設を爆撃した。イランの原子力当局は13日、ナタンズのウラン濃縮施設が攻撃で損傷を受けたとの声明を出した。施設外での放射性物質や化学物質による汚染は確認されていない。イラン外務省は、首都テヘランの住宅地も被害を受けたと訴えた。複数のイランメディアによると、首都があるテヘラン州で13日、78人が死亡、300人以上が負傷した。イラン側もただちに報復攻撃に打って出る。同日に100機以上の無人機を発射した。
IDFは全て迎撃したと、防空能力を誇示する。
詳細 イランとイスラエルの攻撃の応酬 朝日新聞デジタル
中東地域の戦争勃発は、同地域に埋蔵された原油価格を左右する。原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は12日に一時、前日より10%超上昇し、1バレル=77ドル台をつけた。1月末以来、約半年ぶりの高水準となる。
イスラエルのメディアは13日夜、イランの報復攻撃について被害状況について、国内外へ発信した。死亡者は一人、負傷者は数十人に上るとみられている。テルアビブの数か所にミサイルが着弾し、炎上・崩壊するビルの映像を公開する。カッツ国防相は「人口密集地へのミサイル発射でイランはレッドライン(越えてはならない一線)を越えた」と痛烈に非難した。
写真=13日夜に炎上するテルアビブのビル 詳細記事 読売オンライン 2025年6月14日11時29分付
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250614-OYT1T50094/
ただちにイスラエルは、二度目となるイラン攻撃へ打って出る。中部イスファハンへの攻撃で核施設の一部などを破壊したと発表した。イラン原子力庁も、ウラン濃縮施設のある中部ナタンツとフォルドゥの核施設に加え、イスファハンの核施設が損傷したと明らかにした。ナタンツの施設では、放射能が漏洩したものの、施設内での押さえ込みには成功している模様である。ネタニアフ首相は、自身のSNSでビデオ動画を公開した。「軍の最高司令官、科学者、ウラン濃縮施設、大部分の弾道ミサイルを排除した。政権はかつてないほど弱体化している」と成果を強調する。
核施設で使われるウランについて説明すると、陽子数を表す原子番号は92である。天然ウランの比率は99%の割合でウラン238、0,7%がウラン235だった。原子力発電に使用するのは、核分裂を起こすウラン235である。濃縮ウランとは、存在比0,7%の235を、人工的に3%から5%高める行為を指す。ウラン235も238も、陽子よりも中性子の数が多く、不安定である。中性子が陽子に変わり、別元素になることを「放射性崩壊」という。放射性崩壊を起こしやすい、原子番号が等しく質量数が異なる元素を「同位体」という。その放射性物質が、別の元素になる割合を「半減期」という。
放射性崩壊は以下3パターンに分類される。
出展元 放射線・放射能と被曝についての 基礎講座 (�機法〆C翕�二 京都大学複合原子力科学研究所 2023年3月2日 ページ22
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/temp/2023/23-3-2kakunenZOOM-1.pdf
●ベータ崩壊:中性子のひとつが電子を放出(ベータ粒子)して、陽子に変身する.原子 番号は1つ増えて、質量数は変わらない.
●アルファ崩壊:陽子2個と中性子2個の塊(アルファ粒子)を放出するので、崩壊後の 原子核は、原子番号は2つ、質量数は4つ小さくなる.
●ガンマ線:アルファ崩壊やベータ崩壊を起こした原子核の余分なエネルギーが電磁波 (電波や光と同じ)として放出される.
ウラン235の半減期は約7億年、対して238は約45億年。つまりウラン238の半減期を調べることで、地球の歴史に迫ることができる。
専門家によると、ウランが漏れても、放射性物質による体内被曝の影響は少ない。それでも大気中に含まれたウランを吸い込むことで、肺や胃腸など器官が損傷する可能性がある。幸いにも被爆者の情報は出ていない。
イスラエル軍(IDF)によるイラン攻撃は、アメリカも予測していた。きっかけは2025年1月20日に就任した米共和党のトランプ大統領による政策にある。既にアメリカのNYタイムズは6月11日に、近くIDFがイランを攻撃すると報じていた。ABCニュースも情報をつかみ、一段と危機感をあおる報道をしていた。
米国とイランの核協議は、4月12日、19日、26日、5月11日、5月23日と繰り返し行われた。6月15日に、仲介国オマーンでの開催予定だった。実は6月11日過去に会議に出席したイランのナシルザデ国防軍需相は、交渉の様子を語った上で、今後の国防への方針について示した。「交渉が実を結ばなければ紛争になると脅す向こう側の高官もいる。もし紛争をわれわれに押し付けるなら、すべての米軍基地はわれわれの手の届くところにあり、われわれは受け入れ国にあるそれらを果敢に標的にするだろう」
写真=6月11日、イランのナシルザデ国防軍需相 掲載元 詳細記事 Reuters 2025年6月11日午後6時25分
https://jp.reuters.com/world/security/QAUWRC2BZRM4HH6JKQKR7UUSKY-2025-06-11/
トランプ大統領は、核合意に達しない場合には、関連施設の攻撃も示唆していた。イランの拒否により、IDFによるミサイル攻撃が現実味を帯びてきたのである。アメリカは、イランの隣国であるイラクの大使館の職員を退避させていた。
第4章 イランの体制転換を期待する西欧諸国
両国の衝突は、ガザ紛争に端を発する。過去2024年4月14日と同年10月1日にイランはイスラエルに報復攻撃を行っていた。4月14日には、シリアのイラン大使館の空爆への報復措置をとった。約170機の無人機(UAV)、30発以上の巡航ミサイル、120発以上の弾道ミサイルが発射されたとみられる。IDFは、そのうち99%を迎撃したと誇示した。
詳細2024年4月14日のIDFのミサイル迎撃について ビジネス短信
2024年10月1日には、親イラン組織レバノン南部を実効支配するナスララ師の死亡を受けて、対抗措置を繰り出した。当時使用した巡航ミサイルは180発だった。イラン側もさらなるエスカレートをのぞまず、ターゲットは市街地から大きく外していた。敵愾心を燃やすイスラエルは、イランの核施設を狙っての攻撃を検討していた。アメリカから自制をうながされ、10月26日に180発を超えるミサイルをイランに打ち込んだ。イラン国内において大きな被害は出ていない。互いに戦闘を避けたかったのである。
詳細 2024年10月26日のイスラエルの報復攻撃 NHK NEWS WEB 2024年10月26日18時55分付
2025年6月、イスラエルがイランの核施設を標的にした攻撃は、事態の深刻さを物語る。
イラン保険当局は6月15日、交戦から3日で死者224人のうち、民間人が9割に上ると、明らかにした。IDFは、開戦3日間まで首都テヘランと西部地域を、重点的にミサイル攻撃をしていた。15日には、イスラエル国境から2300km離れた東部地域にまでミサイルを発射した。
イスラエルのネタニアフ首相は16日、同国空軍基地で兵士らに対し、イランの核およびミサイル施設からの「脅威」の排除に向かっていると、奮闘振りを称えた。イランの首都テヘラン上空の制空権を握っているとし、「テヘラン市民に『避難せよ』と呼びかけ、行動を起こす」と宣言した。
詳細 ネタニアフ首相の言動 Reuters 2025年6月16日午後11時58分付
イラン国内での緊迫した様子が伝わっている。中東最大のメディア、カタールに拠点があるアルジャジーラは、首都テヘランでの国営放送(IRIB)中の一幕を大々的に発信した。黒いベールに身を包んだ女性キャスターの背後から、轟音と共に窓ガラスが割れて、壁が崩れ落ちた。あわてて女性キャスターは避難する。残されたカメラは、煙が立ち上る様子を映し出していた。IRIBによると、テレビ局が入った建物は炎に包まれた。幸いにもキャスターの女性は、後に安否が確認されている。
イスラエルメディアによると、IDFは、事前に攻撃対象の建物を予告したうえで、一般市民に退避を呼びかけたとのことである。カッツ国防相は「イランのプロパガンダの代弁者は消えゆく途上にある」と手ごたえを語った。
写真=生放送中の一幕 2025年6月16日ソーシャルメディアより 掲載元 詳細記事 毎日新聞 2025年6月17日0時56分付
https://mainichi.jp/graphs/20250617/mpj/00m/030/002000f/20250617mpj00m030001000p
イスラエル軍の報道官は6月18日、「作戦の目的は、イスラエルに対する実存的な脅威を取り除くことだ」と軍事作戦を正当化した。同日はテヘランを中心に40の軍事施設に対して空爆を実施し、核施設のほか、対艦ミサイルの生産拠点や弾道ミサイルの発射台などを標的にしたと、明らかにした。被害を受けたイラン側は、AP通信に対して、「警察本部の建物周辺が攻撃され、多数の負傷者が出ている」と訴えた。
詳細 6月18日の模様 読売オンライン 6月19日午前10時15分
イランもただちに報復する。6月19日にイスラエル南部ベエルシェバのソロカ病院から、煙が立ち上った。ミサイルが着弾したとみられている。病院の機能は停止し、被害の把握に当たっている。IDFは、イランに制裁を加えるべく、夜間にイランのアラク原子炉と、ナタンズにある核兵器開発拠点を攻撃したと発表した。当初アラクと呼ばれていた西部ホンダブには研究用重水炉がある。
イランのメディアは、ホンダブの核施設付近で防空システムが作動、施設付近に2発着弾したと報じた。当局は、放射能の危険性や死傷者は確認されていないとし、被害については言及しなかった。
詳細 6月19日の攻撃の応酬 Reuters 2025年6月19日午後 7:42
IDFは、最高指導者ハメネイ師によるイスラム共和制打破を掲げる。きっかけは1979年まで遡る。ハメネイ師の師匠であるホメイニにより、親米、親イスラエルのパフレヴィー王政が倒れ、一転して宗教色が強くなり、反米、反イスラエルへと舵を切った。
イスラム革命前の王太子であり、米国に保護されたレザ・パーレビ氏は、6月13日にイランの治安部隊に対して、現体制への離反を呼びかけた。アリ・ハメナイ師が、イスラエルとの争いの元凶だとしたうえで、現政治体制の脆さを指摘する。なおレザ・パーレヴィ氏は、かつての王政を望んでいるわけではなく、世俗的な国家が理想だと語った。
写真=レザ・パーレヴィー氏(2024年10月22日、カリフォルニア州ヨーバリンダにて) 掲載元 詳細 AFP BB NEWS 2025年6月14日12時26分
https://www.afpbb.com/articles/-/3583327?pno=1&pid=40200_000_36KL7UX
パーレヴィー氏は、2024年5月20日に、ヘリコプターの搭乗中に事故に巻き込まれて命を落とした前ライシ大統領のイスラム法に則った政策を痛烈に批判していた。新たに同年7月5日、選挙戦で選ばれたペゼシュキアン大統領は、同月28日にハメネイ師から正式に任命された。欧米とは対話姿勢を重視し、過度にイスラム法を押し付けることを否定した。ただし政治の実権を握る大統領より、宗教家の方が力を持つ。ハメネイ師がトップに付き、「ヴェラーヤテ・ファギーフ」と呼ばれるイスラム法学者が国を統治する。監督評議会により、大統領は命令される立場だった。国の根幹を変えない限り、イスラム色の強い政治体制は維持される。男性優位の社会で、女性の人権は大きく制限された。刑罰についても過酷である。窃盗を繰り返すと、身体刑を下す。イスラエルとの交戦前にあたる6月10日、イラン司法当局は、窃盗罪で繰り返し有罪判決を受けた男性2名に、両手を切断したと明らかにした。中部イスファハンの裁判所が下した両手切断刑を、最高裁が支持した。有罪判決を下った男性2名の切断刑は、執行されている。
イスラム法を厳格に解釈し、身体の自由を奪う刑は、人権侵害だと、西欧諸国から糾弾されている。人権を重んじる立場から、イランの政治体制について、民主主義から程遠いと否定的である。専制主義国家のロシアに対して、西欧諸国は歩調を合わせるように経済制裁を下す。イスラエル軍によるガザ侵攻、イランへの攻撃への批判は抑制的だった。イスラエル軍によるガザへの攻撃は、民間人が巻き混まれる事態から、遺憾を表明していた。イスラエルの国家に対する制裁については検討すらしていない。イスラム原理主義を標榜する政党ハマス根絶を支持する姿勢が見え隠れしている。イランに対しても、ハメネイ師を頂点とする政治体制の転覆への期待感から、イスラエルの軍事行動を止める気配はなかった。西欧諸国は、中東地域での戦線拡大を憂慮していた。戦禍が収まることを祈り、外交努力を重ねている。
写真=ハメネイ師を中心とするイランの政治システム 掲載元 沖縄タイムズ 2021年6月19日付
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/772713
ガザでのイスラエルの軍事行動が長引き、中東情勢はますます不安定化した。イスラエルに暮らすユダヤ人は、過去に迫害を受けた歴史から、防衛意識が強い。イランの核施設を潰すべく、遠隔でミサイルや無人機攻撃を繰り出す。ガザでの虐殺行為をしているとみなすイランは、兼ねてから報復感情を募らせ、ついに堰を切ったように反撃に出たのである。両軍ともエキサイトしていた。核施設をターゲットとする戦争は前代未聞だった。中東情勢は、新たな展開を迎えている。
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8357817
ログインしてコメントを確認・投稿する