10月1日と3日に太陽の大規模フレアが発生した。規模的には史上15番目になる。地球を取り巻くGPS機器の影響は限定的とみられている。
史上15番目の大規模“太陽フレア”発生も地球への影響は限定的か
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=8046391
<天文関連 研究の最前線に迫る>
2024年10月5日(土)付け
我々地球に住む生命の誕生から進化まで見守ってきてくれた月について、興味深い研究が明らかにされた。4年前の2020年4月から5月のコロナ禍において、月面の気温が急速に低下していたのである。欧米を中心に未知の新型ウィルスが猛威を奮った時期と合わさっている。各国の政府が、強い権限を行使して、ロックダウンを行い、買い物や通院を除き、外出規制をかけた。工場も軒並みストップしたことにより、温室効果ガスの排出量が、一時的に減っていた。地球の気候変動が、衛星の「月」に影響を及ぼすのか、さらなる研究が進む。
関連日記
2023年11月2日(金・祝)JAXA相模原キャンパスレポート
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986430320&owner_id=32437106
2019年11月26日(土)国立天文台一般公開レポート(1)重力波天文学の幕開け
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973489656&owner_id=32437106
国立天文台一般公開レポート(2)ブラックホールの撮影チームとの直接会話
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973512522&owner_id=32437106
2023年7月
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985590832&owner_id=32437106
今回は、東京都三鷹市にある国立天文台が舞台である。天文学を選考した学者達が集い、日々望遠鏡やスーパーコンピューターを駆使して、宇宙の謎に迫っている。年に一度、オープンキャンパスを開催し、一般の人々と天文学者の出会いの場を設けた。2020年と2021年は新型コロナの感染予防の観点から、対面での一般公開は中止した。2022年と2023年は、人数を絞って開催している。今回は、私自身が未公開のまま保管していた2022年10月29日(土)のオープンキャンパスの模様のレポート文である。最新の研究やプロジェクトと共に紹介していく。
国立天文台 三鷹キャンパス
https://www.nao.ac.jp/news/events/2024/20240902-openday.html
<2022年国立天文台三鷹キャンパス 一般公開 天文学の発展>
2022年11月10(木)付 千葉大学とミネソタ大学を中心とした国際チームが、重力レンズ効果を利用して、115億光年先の超新星爆発を観測したと発表した。42億光年先の銀河団Abel370が重力レンズの効果を果たし、本来よりも明るく見えたことから、詳細な観測に成功した。元の星の半径は、太陽の500倍になる。手前の銀河団によって光の経路が曲げられ、3つの天体に見えた。それぞれ光は、異なる経路を辿ることにより、出現するまで時間差が生じる。時間差は数日、元の星の明るさまで見積もられた超新星に関しては、最遠記録となった。
舞台は、2022年10月29日(土)に行われた国立天文台・三鷹キャンパスの特別公開である。対面での開催は、JAXAと同じく3年ぶりとなった。コロナ対策から、参加人数は大きく絞り込み、午前10時から午後2時まで、5段階に分けられた。それぞれの時間帯の入場者数は100名、計500名となる。天文台の方から、一人当たり、見学時間を2時間から3時間程度にとどめるように要請された。
外部リンク 三鷹・星と宇宙の日2022
https://www.nao.ac.jp/open-day/2022/
今回、最新の天文学研究から今後の展望についても語っていく。
第1章 恒星内部の重力崩壊、ショックブレイクアウト現象
受付で案内書をもらうと、向って左手に位置する{「東大天文センターゾーン」から見学を始めてください}との表記があった。案内に沿って、東大天文センターゾーンから訪れた。岐阜県にある東大基礎観測所の職員による研究テーマを発表するコーナーである。
外部リンク 東京大学木曽観測所
http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/
観測所では、シュミット式望遠鏡と広視野動画カメラのトモエゴゼンを駆使して、全天180度を観測する。広い視野を得られる分、大きなメリットをもたらす。地球近傍小惑星の詳細観測、または広い宇宙で起こる天文現象をいちはやくキャッチできる。
現在木曽観測所では、星の最後を可視光線にて詳細に観測するプロジェクトを行っている。太陽より8倍重い星の場合、一生の最後に内部の重力崩壊に伴う超新星爆発を起こす。星の内部で発生した衝撃波が、外に出てくるわずか数時間の間だけ光り輝く「ショック・ブレイクアウト」をしっかりとらえれば、内部で起こった出来事が明らかになりやすい。
星は、一生の9割を、4つの水素原子が融合して、ヘリウム原子を作る過程で生じるエネルギーを発している。水素の核融合に必要な温度は1500万度になる。
水素が枯渇すると、ヘリウム同士が融合して、炭素、続いて酸素を作りだす。核融合に必要な温度は1億度、さらに酸素の核融合に必要な温度は15億度、
太陽の場合は、いくら収縮しても、中心の炭素と酸素の球体で安定し、それ以上核融合は進まない。余熱で輝く「白色矮星」として安定する。
さらに重い星は、ヘリウム4の原子をくっつけ、さらに重い元素を作りだす。ネオン燃焼過程、酸素燃焼過程、ケイ素燃焼過程を経て、鉄52を生成する。太陽より8倍から11倍重い星は、ケイ素の燃焼核でストップする。ニッケル56のベーター崩壊により、鉄が生成されるとみられている。太陽より11倍から25倍重い星の場合、中心核に鉄が生成されると、原子核が電子を捕獲することにより、辛うじて耐え抜く。太陽質量1倍から2、5倍または3倍の中性子星パルサーになる。一方太陽より25倍重い星は、中性子の芯まで押しつぶし、ブラックホールになるといわれている。
関連日記 2020年9月18日(金)付け 白色矮星を公転する惑星、金星の雲からリン酸化合物のホスフィンを検出
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976957475&owner_id=32437106
ショック・ブレイクアウトは、理論的に予想されながら、実際の発見例は数少ない。いち早く爆発を起こしそうな天体を予測し、望遠鏡を向けることにより、観測の成功率は上がる。木曽観測所では、望遠鏡の視野の広さを生かして、超新星爆発から、小惑星探査まで、幅広い分野にわたって、研究を行っている。
詳細 ショック・ブレイクアウトの観測事例 Astro Arts 2016年3月29日付け
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/775_shockbreakout
写真=「SN2012cm」と名づけられたショック・ブレイクアウトが発生した超新星 掲載元 2012年6月28日 マイナビニュースより
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20120628-a086/
第2章 史上初のブラックホールの撮影に成功の立役者本間稀希教授との会話
続いて紹介するのは、国立天文台のALMAコーナーである。ALMAとは、チリのアタカマ砂漠に設置されたサブミリ波と呼ばれる電波領域の観測を行う望遠鏡群である。
2019年に史上初めてブラックホールの直接撮影に成功した国際プロジェクトの日本チームのリーダーを勤めた本間稀希教授の姿もあった。彼は、2019年の特別公開時にも顔を出してくれた。
写真=本間稀希教授
地球から5600万光年離れたM87銀河の中心に位置するモンスターブラックホールの画像公開が行われたのは、2019年4月10日、推定質量は太陽の65億倍に達する。当時世界6場所8台の望遠鏡を組み合わせ、視力300万を獲得したことにより、M87銀河の中心部の詳細観測に成功したのである。実際ブラックホールをイメージする黒い穴は、光はもちろん、電波や赤外線を発することはなく、観測は不可能だった。ブラックホールの周りを回るガス雲が、加熱されて光を発することにより、黒い穴が浮かび上がったのである。いわゆる「ブラックホールシャドウ」という。
M87銀河と共にもう一つ観測のターゲットになったのは、地球から2万6000光年離れた天の川銀河中心のブラックホールである。星座名からいて座Aスター(通称SgrA)という。推定質量は太陽の400万倍、こちらの方は、2022年5月13日に画像が公開された。
ソラエ 2022年5月13日付け
https://sorae.info/astronomy/20220513-sgr-a-star.html

現在、本間さんが所属するEvent Holizon Teleschop(通称EHT)が使用する望遠鏡は、世界6場所8台から、8場所11台まで増加した。2つのブラックホールの画像は、1,3mmの波長での撮影だった。2021年以降、0,87mm帯での観測が可能になり、1.5倍の解像度(約15マイクロ秒角)を得ることができたのである。次に静止画から動画での観測を目標にする。
一方本間さんらは、東アジアの国々が参加するEAVNプロジェクトも行っている。観測波長は0,7cmから1cm、視力は14万、M87銀河に焦点を合わせた結果、中心部からジェットをとらえることができた。
マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20210415-1872106/
本間教授との会話では、コロナ禍での行動制限による天文学の影響と共に、今後の展望を語ってもらった。
初めに私は「本間希樹教授ですね。2019年にも一般公開に参加させていただきました。3年ぶりに対面での開催ができてうれしくおもいます」と挨拶した。
本間教授は、立ったまま頭を下げてくれた。私は早速、2020年初頭から始まったコロナ禍の研究の日々について聞いた。本間さんが属するEHTプロジェクトと共にEAVNプロジェクトは、国際協力が欠かせない。2020年春からヨーロッパを中心に、感染拡大の影響により、事実上都市封鎖を意味するロックダウンが行われた。本間さんによると、2020年は、オンラインで海外の天文学者と情報を交換していたという。彼は次のように述べた。「対面とオンラインでは、当然違いがあります。もちろん顔見知りの相手の場合、オンラインでも十分やりとりができます。例えば海外の全く対面で会ったことがない学者と、十分に意見交換できるかというと、難しい面があります」
国際プロジェクトの方もコロナの影響にとまってしまった。口径6,5mのジャームズウェッブ宇宙望遠鏡(通称JWST)は、当初2021年3月30日に打ち上げられる予定だった。コロナ禍による準備不足が影響し、同年12月18日までずれこんでしまった。2022年7月12日に、NASAはファーストライト画像を公開した。
写真=イータカリーナ星雲 掲載元 NASA
https://www.nasa.gov/webbfirstimages
さて、私は本間教授が行っているEHTプロジェクトの今後の見通しについて聞いた。現在は、8場所11台の望遠鏡を組み合わせ、遠方銀河の中心部を狙う。ブラックホールの重力によってひきつけられたガス雲をとらえる。ガス雲が運動するうちに、過熱され、原子核から電子が剥ぎ取られ、プラズマ状態となった。電子が、元の原子の中に戻ろうとする際に発光する。発光現象が起こる際、黒い影の部分が浮かび上がる。そのブラックホールシャドウのターゲットを、M87銀河(半径200億キロ、太陽質量の60億倍)と共に、天の川銀河中心部のSgrA(半径3000万キロ、太陽質量の400万倍)に定めた。
私は、EHTプロジェクトでM87銀河の中心部から飛び出すジェットをとらえることができるのではないか、と質問した。本間さんが属する東アジアの望遠鏡群を繋ぎ合わせるEAVNプロジェクトでは、M87銀河の中心部から飛びだすジェットをとらえている。口径2mの可視光ハップル宇宙望遠鏡で撮影した写真でも、M87銀河から飛びだすプラズマ流のジェットが写っていた。
本間さんは次のように説明してくれた。「望遠鏡を増やせば、短い波長での観測が可能になり、それだけ高い精度を要求できます。現在の予算では、望遠鏡の台数を増やすにも、難しい面があります。EHTで実現した波長0,87mm帯での観測では厳しい実情があるのです」
今後はEHTの0,87mm帯と共に、EAVNの0,7cmから1cm帯で撮影した画像を元に、ジェットの出所を探っていくという。現在の目標は、EHTで撮影したM87銀河とSrgAのブラックホールの動画作成である。
ここで、本間さんに聞いてみた。「2つの巨大ブラックホールは回転しているとおもいますか?」
彼は、「どんな物体でも動くので、回転はしているとおもいますよ。もちろん、太陽系の恒星太陽のように、基本的に銀河中心部で鎮座しているはずです。」
平面を持たないブラックホールの回転速度を計測する方法は難しい。ただ今回EHTで撮影された画像から、回転している可能性が示唆された。公開された写真に写った環が、非対称だったのである。詳細な理論計算と今回の観測画像を比較したところ、電波を強く発するプラズマガスはブラックホールと同じ方向に回転している可能性が高いことが明らかになった。。一般相対性理論によると、光速に近い速度で物体が移動している場合、進行方向に沿って光を放つ。M87を捕らえた画像を見たところ、下側(南側)が明るい。従って、画像下側(南側)が地球の方向に向かってくるような方向で時点している可能性が高い。
詳細 ブラックホールの回転について イベント・ホライズン・テレスコープ よくある質問 1.1 画像に写っている環は何ですか?より
https://www.nao.ac.jp/news/sp/20190410-eht/faq.pdf
物理学において、99、9999%の確実性がないと、「発見」とは認められない。国際プロジェクトの一つEHTは、黒い穴を捕らえる以外にも、物理学の発展に貢献する大きな成果を上げた。撮影に向けて、コンピューターシミュレーションを重ねた結果、実際の写真と比較したところ、ほぼ一致していたのである。アインシュタインが相対性理論を発表したのは、第一次世界大戦時の1915年、同じ重さのまま縮めると、秒速37万キロの光さえ脱することができない「暗黒の天体」になると説いていた。同じ1915年にドイツの天文学者カール・シュヴァルツシルト(1873年10月9日から1916年5月1日)が、重力方程式から、光が抜け出せない範囲を説いた。ブラックホールの大きさを示す「シュワルツシルト半径」という。
rs=2GM/c2 rs=シュワルツシルト半径 G は重力定数、c は光速、 M は質量。
太陽の場合は、半径3km、地球の場合わずか9mmになる。発表時、彼はドイツ帝国の一員として、交戦国のロシア帝国と戦っていた。翌1916年に、従軍中に発症した病が悪化し、わずか42歳で帰らぬ人となった。
以下 対話とモノローグより 地球のシュヴァルツシルト半径 2019年8月19日付
https://blog.goo.ne.jp/kiichiro-shima/e/101b8d8e4b5f10e8a05a7e6072a333fc
高校物理で第2宇宙速度(脱出速度)を学ぶ。力学的エネルギー(運動エネルギー+位置エネルギー)保存則を利用して、地表における条件
1/2・mv02−G・Mm/R≧0
から
v0≧√(2GM/R)
が出てくる。
ここで、Gは重力定数、Mは地球の質量、Rは地球の半径である。
G=6.7×10−11 〔m3/(Kg・s2)〕
M=6.6×1024 〔Kg〕
R=6.0×106 〔m〕
これらの数値を代入して、
v0=√(1.26×108)
=1.1×104 〔m/s〕
=11 〔km/s〕
脱出速度(第2宇宙速度)が11��/sであることがわかる。
いま、脱出速度が光の速度(秒速30万�辧�c)と想定し、そのときの半径をrとしよう。
c=√(2GM/r)
rについて解くと、
r = 2GM/c2
になる。
ここに
G(重力定数)=6.7×10−11 〔m3/(Kg・s2)〕
M(地球の質量)=6.6×1024 〔Kg〕
c(光の速度)=3×108 〔m/s〕
を代入すると、
r=8.9×10−3 〔m〕
=0.89 〔�僉�
地球のシュヴァルツシルト半径は1�僂曚匹任△襦�青い地球が黒くなる。
<引用終わり>
実際太陽より25倍以上重い星が、最後に重力崩壊に伴う超新星爆発により、超高密度の天体「ブラックホール」になるといわれている。重力崩壊後太陽の重さの数倍から10倍程、なぜM87銀河のように、大質量の60億倍のブラックホールが存在するのか、宇宙の謎の一つである。
私は、次の観測候補となる天体について質問した。真っ先に上げたのは、地球から3億光年離れたかみのけ座銀河団の中心部NGC4889銀河の中心部のブラックホールである。推定質量は210億倍、直系は、太陽から海王星の距離の15倍となる1300億キロにものぼる。飲み込む物質が少なく、比較的活動が穏やかなことから「眠れぬ巨人」ともいう。
写真=かみのけ座銀河団 ハッブル宇宙望遠鏡より
本間さんは、次のように答えた。「かみのけ座銀河団は、宇宙スケールで見れば、遠いとはいえないかもしれません。それでも5600万光年先のM87銀河よりも、6倍遠いわけです。その分大きさが3倍強ある分、撮影はしやすいかもしれません。実際撮影をして、大きな成果を上げられるかといえば、難しいのです」
日本では、文教費の削減により、天文学に関しても、予算上の制限がある。新たなブラックホールを撮影することよりも、M87銀河のブラックホール、または天の川銀河中心部のSgrAを定常的に観測し、動画作成が先である。
私は「お忙しいところありがとうございました。新発見にも期待しています」とお別れの挨拶をした。
本間教授は、TVに出る程の有名人、私の前後に、常に質問者がいる状態だった。アインシュタインの一般相対性理論を実証するべく、世界の天文学者が観測方法について考察した。科学技術が追いついたことにより、2015年に重力波を検出、そして2019年にブラックホールを撮影し、画像公開に成功したのである。本間さん自身、子供の頃の夢だった宇宙から知的生命体を探したいと述べていた。実際今太陽系外惑星の発見により、地球サイズの惑星さえ見つかりつつある。1971年生まれの彼は51歳になっても、新たに希望を胸に、挑戦を続けている。
それから11ヵ月後、M87銀河の中心に鎮座するモンスターブラックホールの写真から、新たに回転しているとの研究結果が発表された。EHTプロジェクトが撮影したブラックホールを取り巻く光の環が左右非対称だった点から回転運動が示唆された。新たにEAVNプロジェクトで撮影したジェットの23年分のデーターを解析したところ11年周期で変化していたのである。自転するブラックホールが周囲の時空を引きずることで生じる、円盤とジェットの歳差運動としての説明がつく。アインシュタインの相対性理論を検証するべく、ブラックホールに視線が注がれている。
詳細日記 2023年9月29日付 � 〆膿慧景献縫紂璽后�M87銀河の中心に鎮座する巨大ブラックホールの回転運動
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986024054&owner_id=32437106
第3章 太陽系外惑星から植物を探す
観測技術が向上するにつれ、太陽系外惑星の発見も容易になった。地球のように液体の水に恵まれた惑星には、植物が存在すると期待されている。21世紀には、アメリカを中心に、天文の知識と生物の知識を併せ持つ「宇宙生物学者」の存在が認められた。
既に地球上で、太陽系外惑星の植物の観測方法について研究が始まっている。その候補となる天体は、太陽より半分以上小さな赤色矮星の周りを回る地球型惑星だった。
地球上の植物は、赤外線を吸収する性質を持つ。陸上の植物が、太陽光を反射する際、特定の波長を出す。その波長は、赤外線域の0,7マイクロメートルだった。いわゆる「レッド・エッジ」である。従って、太陽系外惑星のバイオマーカーとして、レッド・エッジが有効と考えられる。2017年以前は、恒星のサイズによって、照射する光の波長が異なることにより、レッド・エッジは不確実との見方が強かった。なぜなら赤色矮星の周りを回る惑星は、地球よりも近赤外線を多く受けるからである。従って、赤色矮星の周りを回る惑星のレッド・エッジも、長波長の近赤外線に移動すると予想されていた。
太陽系外惑星から植物探しのため、日本の研究者が画期的な説を発表した。研究に携わったのは、以下の5名である。
・滝澤謙二特任准教授(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター)、
・日下部展彦博士(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター)
・皆川純教授(基礎生物学研究所)、
・成田憲保助教(東京大学)
・田村元秀教授(東京大学)
研究チームは、光合成機構の観点から赤色矮星まわりの生命居住可能惑星の光環境について考案した。植物の反射スペクトルレッドエッジが現れる波長について、理論的に検討した結果、地球上と大きな違いがないことを明らかにした。確かに陸生に関しては、地球のようなG型の周りを回る惑星と、赤色矮星M型の周りを回る惑星では、レッドエッジが異なる可能性はある。過去の地球を例にとると、水中から植物が進化した事実がある。水の中である場合、G型やM型など親星のサイズに左右されにくい。水中で発生・進化して最初に上陸する光合成生物は、地球と同じように光合成に可視光を利用するのである。赤外線は、赤色矮星であっても、水の中では吸収されてしまう。5人の専門家が、検証を重ねた末に、赤色矮星の周りを回る惑星でも、地球の植生と同じ位置にレッドエッジが現れると結論付けた。
詳細記事 国立天文台 2017年8月8日付け 地球とは異なる光環境における光合成:系外惑星における生命探査の指標となる波長の新たな予測
https://www.nao.ac.jp/news/science/2017/20170808-abc.html
惑星が、親星からの距離が程よく、液体の水を保てる位置を天文学では「ハビタブルゾーン」という。
ハビタブルゾーンの惑星を探るうえで、チリの中でも見通す赤外線望遠鏡が有効だ。国立天文台とJAXA(宇宙航空機構)は、共同で赤外線宇宙望遠鏡JASMIN計画を立ち上げる。打ち上げ目標は2028年度中、数万分の1秒角の精度で、天の川銀河の中心部バルジと呼ばれる部分の星々の動きを図る。2013年には、ESA(欧州宇宙機構)が打ち上げた位置天文衛星Giaが、可視光域で正確に星の動きを観測する。推定10億個の星の年周視差を図り、地球との距離を割りだす。天の川銀河の中心部に限ると、可視光線は1兆分の1まで減光し、高性能の望遠鏡でも観測できない。赤外線に関すると、減光幅は15分の1にとどまる。JASMINは、Gia衛星の欠点を補っていた。
写真=JASMINのイメージ図
JASMINは赤外線で繰り返し観察できる特徴から、赤色矮星の明るさの変化も突き止める。異なる時期に、撮影した写真を見比べ、明るさに変化があれば、惑星が存在した可能性が考えられる。その惑星の周期性は、減光するタイミングによって検討がつく。
JASMINは、赤外線で観測する位置天文衛星としての星の観測には適している。唯一の欠点は、分光観測が出来ないことにある。
JASMINによって、ハビタブルゾーンの周りを回る天体を割りだすと、JWSTでの分光観測を行う。植物の反射スペクトルを示すレッド・エッジは、0,7マイクロメートルの波長である。JWSTは対応をしている。
私が国立天文台に滞在したのは、午前10時から、午前12時50分ごろまでのおよそ3時間となった。博士号まで取得した天文学者、または将来その道に進む大学院生と話すことにより、私自身の欠点なども見つかり、今後の勉強にも生かすことができる。一方で、日ごろの勉強した成果を発揮することができて、達成感も味わうことができた。2020年と2021年は、コロナの感染拡大により、特別公開は対面では中止、全てオンラインのみだった。本間教授がおっしゃるとおり、顔見知りの間柄では、オンラインでも活発に意見を交換できる。初対面の人に限ると、画面越しでは気持ちを伝えにくい。ネットが発達したとはいえ、対面での交流の魅力を改めて感じることができた。2024年は10月19日(土)に5年振りに通常開催される。
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