札幌市の地下鉄は3路線あり何れも日本唯一のゴムタイヤ車両です。
ゴムタイヤ方式を選択したのは「急勾配に対応出来るので工事費が安くなる」、「音が静か」などの理由ですが、開発に際し1つ大きな問題があったのです。
それは先例がない、という事です。
当時モノレールはいくつもありましたが、構造と要求される性能が大きく異なるため簡単には行かなかったそうです。
実は札幌に先行してゴムタイヤ地下鉄はパリにあったのですが、パリの地下鉄は従来の鉄車輪&鉄レールの車両にゴムタイヤを追加したという複雑怪奇な構造でした。
これはゴムタイヤ式の急勾配に強いという性能に加えて、従来の鉄道路線にも乗入れが出来るようにという配慮の結果でした。
よく札幌の地下鉄はパリをパクったという人がいますが、これは完全な間違いで札幌地下鉄は「札幌式」という全く独自の方式なのです。
最初の開通は札幌オリンピック前年の1971年、南北線でした。
添付写真は札幌市交通資料館で撮影した技術検証用車両です。
「はるにれ」の方はガソリンエンジン駆動、オレンジの大きな車体は「すずかけ」で営業車両を睨んだモーター駆動です。
特に「すずかけ」は貨物列車みたいですが、何れもゴムタイヤ駆動を検証する貴重な車両でした。
一応地下鉄高架の下なので屋根ありの場所で保存されていますが、使われなくなって既に50年超経過していてかなりサビも出ていますので何とかきれいに保存してほしいです。
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