マイナスワンのBD買った。
この映画、大好きでとても気に入っている。…のだけど。
以前からSNS等で言われていた一点について今回見てはっきり認識できてしまい、かなりモヤっとしてしまったので、まとめて吐き出してみる。
◇首筋のあれ。
映画館に三度足を運んだけど、これには気付けていなかった。
SNS等で指摘があったのはぼんやりと読んでいたのだけど。
いざ気付いてみたら「どっちにでも取れる」んじゃなく、「明らかな異変」だ。
同タイミングの、海中崩壊ゴジラのボコボコ再生と思えるシーンは普通に気付いたし、「まぁゴジラ映画のお約束だしね」で済んでいたんだけど。
首筋のあれはちょっとそれとも意味が違う。
◇さて、ちょいと時を戻してシンゴジラと84ゴジラ。
両作とも、とても好きな作品。この三本以外のゴジラ映画もつまみ食い的に見ているけど、「好き」と言えるのはこの三本のみ。1954初作も好きは好きだけど二度目は見てない。
さて、シン&84、この二本とマイナスワンと、さらに1954初作ゴジラの共通点。
それは今現実にそこにいる人間がなんとか頑張ってゴジラを撃退している点。
これらに続く(シンとマイナスは続くと決まったわけじゃないが)作品群とは一線を画していると思う。
(…ただし平成一連作の中に、以下に記す内容を含まないものがあって、観ていない可能性はあります)
◇一例として、1984ゴジラ、の後。
対ビオランテ。84が好きなのでその続編ってことで普通に楽しみに見に行った。
そこで愕然としたのが以下の点。
「はい? ゴジラがマグマの中で生きてる? へ? それもう生物云々じゃないよね…。」
…今でこそ何してもゴジラは甦るのはお約束になってしまってるけど、
1984視たときの、帰巣本能に導かれ、火口のマグマのに落下していくゴジラ。悲し気に響く断末魔咆哮。流れるエンディングテーマ。
ぐっばいなーごーじらぐっばいなーごーじら、なうあんぜーーん、中略 てぃるうぃみーたげーん。
「死に逝くゴジラよ、さようなら、また遭ういつの日かまで…」
いや、このエンディングは、「ゴジラが死ぬ」からこそ生きる演出・エンディングテーマじゃないんかい!
また遭う日までってのは、抒情演出であって、「まぁそのうち帰ってくるよね、それまでバイバーイ」って意味じゃないだろが!
…まぁ、ビオランテ作品自体はその上でそれなりに楽しめたのはヨシとして。
更にこれに続くキングギドラ…。。。。。あのーーーーー未来人って、タイムトラベルって、、
◇消えゆく現実感
84のスーパーXもSFメカではあるけど、ギリギリ理屈が通ってたと受け取っている。
核戦争下においての首都防衛戦闘機。決してゴジラを想定してたんじゃなく、核弾頭とびかう世界大戦で、核の熱、放射能下戦闘に対応し首都を防衛するために作られていた戦闘メカ。ホバーは強いけど、「がんばれば作れるよね」感。
でも、タイムトラベルはムリ。もう、84にあった現実世界感は「あ、それ、もうナシ! ここからはファンタジックSFなゴジラワールドをじゃんじゃん展開するからそれをたっぷり楽しんでねっ!♪」
ゴジラ細胞・未来技術を取り入れた世界感…モゲラは作るわ機龍は作るわガルーダで空飛ぶわ…もうやりたい放題。
それはそれで面白さは感じるのは確か。ただ、84を見て気に入った世界観とは、、ぜんっぜん真逆のもの。
◇シン
で、それをもいっかいぐいいいーーーっと引き戻したのがシン・ゴジラ。
スーパーXよりはちょっとズルしてる感もあるそれは折り紙の部分。ただしその上で実在感溢れるヤシオリ作戦が描写された。コナンよろしく「大きな嘘をひとつついておくことでリアルさを増す効果」は抜群。
◇しっぽ
そのシンゴジラには、たぶんわかりきったうえで続編というか、事態が進行すればヒトの手に負えない話世界観に突入するよーって提示がなされていた。しっぽのヒト型ゴジラ・第五形態だっけ。これが発現したら、たぶん、あの世界の人間は対処できない。これが第六形態だのなんだのになると、宇宙に飛び出してなんだかむちゃくちゃ物凄い存在になっちゃってー、って。
かくして、シンゴジラには続編は作られていない。これからも作られないだろうことを望んでる。上記のムチャクチャは、「わかってるからこそ」資料提示されてるものだと思うから。
政府・スタッフの頑張りで、ゴジラは凍結封印された、そのまま一応のハッピーエンド。
◇マイナスワン
戦後日本に舞台を移し描き切ったマイナスワン。出るだろう戦力を最大限描写し、ギリギリと呼ぶにはもう一歩現実感が強い震電の活用方法(パイロットは現実より超人だけど)。ゴジラ本体以外はほんっとに「ありそう!」で楽しい作品になっていた。
ラストの海中ゴジラ再生ボコボコは「まぁこのくらいはしょうがないよね、お約束だからね」。
この作品では、当時のヒトががんばってゴジラを撃退したのだ。痛快に。
◇はい? 首筋?
いや、G細胞はないでしょうがいまさら! そりゃゴジラ本体は現実性とは乖離した文字通りモンスターとして描かれてたけど、G細胞なんか物語に取り込んだら、それへの対処はもう「ファンタジー」の範疇だよね?
ファンタジー医学・生物学(?)の闊歩するストーリーになっちゃって、超能力までまたまた持ち出されかねない。で、そのうち未来人やってくんの?また?(そんな話はいまのとこナイ)
◇ギリギリの線
典子はあの爆風状況じゃ死んじゃうだろどう見ても、なんとかハッピーエンドにするための最低限の生存納得感を与えるため、人外の細胞(?)組織との融合をストーリーに組み込んでも、いいんじゃないかな?
って点。いまのところ監督のコメントからはそれが一番強く受け取れるので。
そうなるとG細胞(仮)の役割は、典子を生存させて幸せな未来を与えることのみ。見た目はうぞうぞしててなんだけど、それ進めてなにか悪影響が出るなんてこともなく、あれのおかげで幸せな暮らし・人生を全うできました!
これなら、、いい。
◇続編ぇん〜んん〜ん??
海底に沈みながらより強力に復活したゴジラ、典子寄生ゴジラ(?)も善と出るか悪と出るか、こんどは再編された自衛隊と、冷戦構造とりあえずクリアした米軍も大活躍だー。ゴジラ研究も進んで、震電ジェット化も完成ー、自衛隊にGフォースだーー! ほーら未来人もやってきて万全だーーー
…やめれ。いや、やめろと言える筋合いじゃないけどさ、もう、またその流れなの?
◇ぐっばいなーがっじらーぐっばいながっじらーなうあんぜーーん
平成一連作は存在していても、今見返す84ゴジラの現実感はやはり失われていない。
そういう意味ではマイナスワンもシンゴジラも、単品として完成しているから、それはそれでいいっちゃー、、いい。
マイナスワンは首筋描写で人間の対処を越えた要素を既に描いてしまったところが悔やまれるけど、このまま続編が作られなければ、「典子さんを敷島氏とハッピーエンドにするための要素」と飲み込むことがギリギリできる。
アカデミーとったからどうだとか(それ自体は非常におめでたいことです)、続編出せー、首筋やったろうがー続編じゃー続編じゃー! ってノリで続編はイヤすぎる。
今現在の自分の気持ちとしては、そういったところ。
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