映画『雨降って、ジ・エンド。』
5月17日(金)〜28日(火)神戸映画資料館
5月18日(土)〜 シネ・ヌーヴにて公開
中年ピエロとフォトグラファーの女性との奇妙な関係を描くドラマ。
『東京リベンジャーズ』シリーズなどの脚本を務めた高橋泉監督と、
『凶悪』俳優・廣末哲万は映像ユニット「群青いろ」を結成し
『14歳』を撮ったが、以来17年ぶりの劇場公開となる作品。
監督・脚本は�盒鏡�
主演は『偶然と想像』の古川琴音そして廣末哲万。
他に大下美歩、新恵みどり、若林拓也ら。
派遣バイトの遠藤日和は、自撮り写真を日々SNSに
アップしながらフォトグラファーを目指していた。
職場の上司ムツミはヒドイパワハラで、先輩の栗井と
神経をすり減らしながら、何時か何とか仕返ししたいと
思いながらも酒を飲んでくだをまいていた。悶々とする日々。
ある日、急な雷雨を逃れるため忍び込んだお店で、
ピエロの顔の人物と鉢合わせして、思わず逃げてしまった。
後日、また見かけたピエロに出会い、偶然カメラを向けて
撮影した。ピエロは雨森という中年で「世界は笑顔で溢れるべき」
とピエロのメイクで風船を配っていた。日和は、
何となくそのピエロの写真をSNSすると思いがけずそれがバズった。
これをチャンスに"賭けよう"と一念発起した日和。
さらなる「いいね」を求めて街頭の雨森ピエロと再会した。
利用するために接近したはずの日和だったが、
雨森の無欲で謙虚な姿を追ううちに、次第に日和の心は
穏やかになるのを感じた。ゆっくりと気持ちが揺れる日和。
だが、雨森には誰にも知られたくない秘密があった。
それは、
心傷ついた人ばかりが出てくる物語。それぞれに事情を抱え
打ちのめされながら、それでも毎日を生きている。
廣末哲万のピエロは哀しみを封印する仮面であり、古川琴音の
ポワンとした女性像はそれを不用意にこじ開ける危うさを
兼ね備えている。常識と純真のはざまに苦しみ
"人を好きになる"苦しさを真摯に描いたブラックコメディである。
ラストはすがすがしかった。
シネ・ヌーヴォでは同時期に映像ユニット『群青いろ』特集上映も予定
公式サイト
https://amefuttetheend.com/
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