うーん。期待していただけに、こんな生煮えはいまいちいただけない。オケも指揮も。
日フィルは近年だいぶ進歩したとの世評で、自分自身も確かにここ4年間で聴いた気はするが、残念ながら今回のは昔のレベル。弦も管も国際的なライジングスターを繋ぎ止められるレベルではない。
ウォンにも、この作品は難しすぎたか?内容的に簡単な作品ではなく、また初演指揮を踏まえた修正というプロセスを経ていないだけあって(大地も同じだが)オーケストレーションも効果的でないところは随所にある。ただ、個々の局面の解釈は面白いところも随所にあれど、一貫した方針・文脈があるわけでもなし、一流指揮者であれば当然処理するであろう課題も放置、となるとどうしても高い評価は与えようない。その中では唯一第四楽章は(頂点でぐちゃと来てしまったものの)マクロもミクロも評価できる内容だった。
ただ、そうは言いつつも、久しぶりの実演のマラ9なので(おそらく2019/1以来)、この作品を改めてじっくり堪能した。この作品は自分にとって、例えば7や2のようにとっつきやすい作品ではないし、いくつか完成度という点で気になる点もある。そうであっても、やはりすごい作品だと確認。
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