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2024年04月15日14:13

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【中東の非武装化が始まった】

Chihiro Sato-Schuh
7時間 ·
【中東の非武装化が始まった】
4月13日の夜になって、イランから数百機のドローンがイスラエルに向かって飛んでいるというニュースが入ってきて、世界中の多くの人たちが、いったいどうなることかと情報を追っていた。イランからイスラエルへは、ドローンで数時間かかるということで、イスラエルはドローンが来る前から、迎撃の態勢を整えていた。
極超音速ミサイルをイスラエルまで飛ばす技術も持っているイランが、いったい何だって数時間もかかるドローンを飛ばしているのかと思った。ドローンの迎撃に手いっぱいになっている間にミサイルを撃ち込む作戦かと思っていたら、案の定そうだった。何十機ものドローンがイスラエルの市街地上空に飛んできたというので、アイアンドームやパトリオットシステムで次々と迎撃していた。その間に、極超音速ミサイルが7機ずつ、ネヴァティムとラモンの空軍基地に命中したということだった。
イスラエルは、イランからの攻撃はほとんど迎撃して、空軍基地への被害はごくわずかなものだったと発表していた。しかし、イランは飛ばしたミサイルのすべてが命中したと発表していて、報復攻撃は予想以上の成功だったと言っていた。
イスラエルは、これはイスラエルの主権を侵すものだとして、国連安保理に訴えたらしい。それで、EUやアメリカは、いっせいにイランを非難したのだけれど、4月1日にイスラエルがシリアにあるイラン大使館を爆撃して、大勢の人が亡くなったことについては、イスラエルを非難していなかったのだ。イランは、この攻撃に対する報復として、今回の攻撃を行なった。大使館はイランの領土のようなものだし、軍事施設ではない。それを攻撃したら、イランが報復するのは、国連憲章で守られている自衛権に当たる。それなのに、そのことは言わず、イランを一方的に非難しているのだ。このことは、NATO諸国のダブルスタンダードを露骨に示すことになった。
イランは、イスラエルの市民も市街地も攻撃しなかった。軍事施設だけをきれいに狙ったのだ。この攻撃で、子供が一人重傷を負ったとイスラエルは発表していた。これについては、くわしい情報は出ていないのだけれど、砂漠の中の空軍基地に子供が一人たまたまいて巻き添えになったということなのだろう。とにかくイスラエルが発表したのは、その一人だけで、他には誰も被害を受けなかったらしい。
これについては、イスラエルが事実を隠している可能性もあるから定かではないのだけれど、だとしたら、イランは軍事施設だけをきれいに破壊して、たまたま巻き添えになった一人しか傷つけなかったことになる。実に見事な報復だ。この見事さは、イスラエルがガザの市民を攻撃して、すでに何万人という死者を出している事実と、実に鮮やかな違いを世界中に示すことになった。
私も2022年2月にウクライナへのロシアの軍事介入が始まるまでは知らなかったのだけれど、国際法では、市街インフラや市民を狙って攻撃することは禁じられていて、これは戦争犯罪に当たる。軍事施設を攻撃することだけが、自衛権の行使として認められているのだ。この事実を多くの人が知らなかったのは、NATOの戦争のやり方が、これをまったく無視したものだったからだ。都市を空爆して、市街を絨毯攻撃したりするのが当たり前で、戦争とはそのようにするものだと、多くの人が思い込んでいた。
だから、ロシア軍がウクライナでどのような攻撃の仕方をしているのかを見て、こんなに馬鹿正直な戦争の仕方をする国があるのかと思ってびっくりしたのだ。西側主流メディアでは、真逆のことが報道され続けていたけれど、ロシア軍はウクライナの軍事施設だけをきれいに狙って攻撃していたのだ。キエフだって、軍事司令部などが攻撃されたことがあるくらいで、街はほとんど無傷のままだった。
実際、自衛が目的なのであれば、市街地を爆撃するなど、何の意味もない。武器や軍事施設を破壊してしまえば、攻撃できなくなるのだから、軍事施設を攻撃することに集中するのが、よほど効果的なのだ。それなのに、市街地を攻撃したりするのは、人々に脅威を感じさせて、支配しようとしているからだ。そして、それがまさにNATOのやり方だったわけだ。防衛ではなく、支配が目的だった。
このイランの報復攻撃は、イランもまた、ロシアと同じように国際法を守った攻撃の仕方をするのだということを、世界にはっきりと示した。本当に平和のために武力を行使するとは、このようなことを言うのだと。そのことにより、NATOの嘘がさらにくっきりとすることになった。
アメリカの軍事専門家のスコット・リッターは、この攻撃は、イスラエルの軍事力には実は大きな弱点があることを示してしまった、と言っていた。それというのも、ネヴァティムとラモンの空軍基地は、世界でも最も重厚に武装している基地だというのだ。それなのに、イランの7機のミサイルが7機とも迎撃されずに命中してしまった。重厚な迎撃システムも、実は難なくかわすことができるということを示してしまったのだ。
イスラエルが軍事国家としてアラブの真ん中に陣取っているのは、実のところアメリカ政府がアラブを支配するためなのだろう。イスラエルに攻撃されたら大変だと思うから、アラブ諸国はアメリカの言うなりになる。アメリカが世界中から非難されながら、イスラエルを支援し続けるのは、まさにそのためなのだ。だから、イスラエルが実は軍事的に弱いということを、イスラエルもアメリカ政府も知られたくない。しかし、アラブ諸国はこのイランの攻撃の鮮やかさを、はっきりと見たはずだ。
この攻撃で、イランは何百という迎撃にアイアンドームやパトリオット・ミサイルを使わせた。空軍基地の破壊だけでなく、それによっても、イランはイスラエルの武器を破壊したのだ。敵を非武装化させるという目的では、大成功だったということなのだろう。イランは、大使館を攻撃された報復としては、これで完了したと言っていて、イスラエルが攻撃してこないかぎり、これ以上イスラエルを攻撃する意図はない。
しかし、イスラエルは、イランが脅威を与えたといって非難していて、何か報復をするつもりらしい。もし攻撃してくれば、イランに再びイスラエルの軍事施設を攻撃する正当な理由を与えることになる。それで、中東の非武装化は進むことになる。
イランがついにイスラエルを攻撃したことで、第三次世界大戦になるのではないかと多くの人が心配しているのだけれど、この背景にあるのは、BRICS諸国とNATO諸国の勢力争いだということを考えれば、第三次世界大戦はすでに何十年も前から始まっていたということになるのかもしれない。これが今、イランが入ってきたおかげで、中東でのNATOの非武装化が進んで、中東がついに平和になっていくのかもしれない。
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イラン大統領のイブラヒム・ライシ
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