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2024年04月19日06:47

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【イランの報復攻撃から、何が変わったのか?】

Chihiro Sato-Schuh
23時間 ·
【イランの報復攻撃から、何が変わったのか?】
4月13日の夜に、イランはシリアの大使館を爆撃された報復として、イスラエルに数百機のドローンを飛ばし、弾道ミサイルでイスラエルの2つの空軍基地を爆撃した。イスラエルは、イランの攻撃を99%迎撃したと言っていたけれど、イランは「予想した以上の成功」だったとして、ミサイルのすべては目的に命中したと言っていた。アメリカの軍事専門家のスコット・リッターは、この爆撃によって、空軍基地の2本の滑走路と倉庫3つが破壊されたと言っていた。
もし、イランが空軍基地を全壊させるつもりだったら、ミサイル30発を撃ち込んだだろうと、スコット・リッターは言っていた。7発しか撃たなかったのは、ただ何ができるのかを示したかったからなのだと。この空軍基地は、世界でも最も重厚に防空システムが装備されている空軍基地で、イランからのミサイル攻撃から守るべく作られていたという。ところが、今回のミサイル攻撃で、イランは難なくイスラエルの防空システムをすり抜けてしまう軍事力を持っていることを、示してしまったのだ。
イランはまず、数百機のドローンをイスラエルに向かって飛ばしたのだけれど、これが最も遅いドローンで、イスラエルの上空に到達するまでに、何時間もかかった。それでイスラエルは、避難させるものは避難させて、迎撃の準備をする時間があった。イランは、それを計算して、わざわざ一番遅いドローンを飛ばしたのだと、スコット・リッターは言っていた。イランはドローンで何かを攻撃するつもりはまったくなかったのだ。イスラエル軍の防空システムのすべてを使わせるのが目的だった。それでほとんどのドローンは撃ち落とされた。そのためにイスラエルは、一千億ドル以上の武器を使うことになった。
そのため、今回のイランの攻撃は、イスラエルにさほどの被害を与えはしなかったけれど、巨額の損害ではあった。このことは、イランを挑発したら、それだけのことがあるということを、イスラエルにはっきりと示してしまったわけだ。その意味で、スコット・リッターは、これは歴史的な快挙と言えるような、見事な軍事力のデモンストレーションだったと言っていた。
イランは、報復攻撃はこれで完了したとして、イスラエルがまたイランを攻撃してこないかぎり、これ以上の攻撃をするつもりはない、と言っている。イスラエルは、すぐに報復攻撃をすると言っていたけれど、それはイランのみならず、世界中が待ち望んでさえいるかもしれない。イスラエルが再びイランを攻撃するようなことをすれば、今度はイランはイスラエルの空軍基地を完全に破壊するだろうし、それだけでなくアイアンドームやパトリオットなどの防空システムを破壊していくだろう。今回の攻撃で、イランはイスラエルの防空システムがどこにあるのかの情報をすべて集めただろうから。
アメリカは、イスラエルを支援するとは言ったけれど、イランへの報復攻撃にはアメリカは一切関わらないと言った。アメリカが関わったら、イランはシリアやイラクにある米軍基地を攻撃してくるだろう。イランは、弾道ミサイルで精確に基地を狙えるし、迎撃システムをすり抜ける技もあることがわかってしまったのだから。アメリカは、その事態を招きたくないのだ。
ところでその後、イスラエルはすでに計画されていたガザのラファへの侵攻を延期した。それは、イランへの報復攻撃を優先するためだというような理由だったと思うけれど、イスラエルは16日にイランへの報復攻撃を計画していたのに、これも延期したということだった。このことは、スコット・リッターが言ったように、今回のイランの攻撃が抑止力として効果を現したということを示しているように思える。
ウクライナの戦争で、NATOが支援するウクライナはもはやロシアに勝ち目がない状態で、ウクライナはNATOの軍事力を消尽する場所のようになっている。それでも、とにかくアメリカの軍事産業に世界中のお金が流れてくるので、あくまで戦争を続けようとしているようだ。戦後ずっと続いてきたアメリカ覇権主義による世界支配は、もはや終焉を避けることができないのは明らかだ。それで、少しでも生き延びようとしているのかもしれないけれど、もうあまりにも気狂いじみているように思える。
フランス大統領のマクロンは、今年の夏に予定されているパリでのオリンピックの間、停戦するようにして欲しいと、ロシアに言ってきたそうだ。つい最近、フランス軍をウクライナに送ると言っていたのに、一体何を言っているのだろう? NATO諸国がウクライナへの軍事支援をやめれば、戦争は数週間以内に終わるのだ。ロシアは、ウクライナが攻撃を続けないかぎり、戦闘を行うつもりなどないのだから。
もちろん、西側諸国は、ロシアが何の理由もなくウクライナに侵攻してきたという嘘を言い続けているのだから、ウクライナの戦争が終わるには、ロシアが停戦するべきだということになる。しかし、この戦争が始まってすでに2年以上が経つ今、世界中はこれがアメリカ覇権主義が作り出した嘘だということを知っている。知らないのは、ただ西側諸国の主流メディアを信じている人たちだけだ。
それで、マクロンがロシアにオリンピックの間、停戦をと申し入れているのは、世界中の多くの人々にとっては、見え透いた芝居にしか見えないし、そればかりか認知障害みたいな病的な症状にさえ思えるくらいだ。ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワは、すかさず「それならば、フランスはウクライナへ武器を送るのをやめるべきだし、友好国のイスラエルにも同じ要請をしたらどうなのか」とやり返していた。
ドイツ首相のショルツは、中国を訪問して、習近平にロシアに停戦するよう働きかけて欲しいと頼んでいたけれど、それもマクロンの言動と同じくらいに現実からかけ離れている。中国はすでに、ウクライナの停戦のために仲介しようとして、停戦案を出していた。それをNATO諸国が拒否したのだ。それで、中国が停戦のために積極的に動いていないと批判して、ロシアに働きかけろなど、あまりにもバカバカしくて、相手にもしていられない。
事実、ショルツが特別機で中国に到着したとき、中国政府からは誰も出迎えがなく、ただ空港のある重慶の市長代理が出迎えただけだった。ニュースエージェントは「外務省の重要人物」が出迎えたと伝えていたらしいのだけれど、あとでそれが市長代理に過ぎなかったことが判明した。中国政府は、ドイツ政府など最初からまともに相手にしていない、という暗黙の表現なのだ。習近平は、ショルツに対して、「いい国際関係を保つためには、たがいの立場を尊重することが重要です」というようなことを言っただけだった。
中東では、アメリカは一方的な理屈をつけて、都合のいいように攻撃するようなことをさんざんしておいて、いつも軍事力や経済力で黙らせてきたのだ。しかし、それがもう通らなくなっていることを、イランは今度の報復攻撃で、世界にはっきりと示してしまったのじゃないかと思う。アラブはもう、NATO諸国の勝手な論理を黙って受け入れてはいないのだ。
今回のイランの攻撃は、いつまでも現実離れした論理を押しつけて、戦争を続けようとするNATO諸国に、冷水を浴びせて目を覚まさせるような効果があったのかもしれない。そしてまた、NATOに苦しめられてきた世界中の国々をさらに勇気づける効果もまたあったような気がする。
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画像は、ドイツ首相ショルツの中国訪問
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