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2024年03月24日21:25

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『愛と哀しみのボレロ』感想

〜フランスのクロード・ルルーシュ監督が1981年に手がけ、ルドルフ・ヌレエフ(バレエダンサー)、エディット・ピアフ(歌手)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮者)、グレン・ミラー(音楽家)という実在の4人の芸術家をモデルに、運命の糸に結ばれた人々の物語を描いた3時間を超える大作メロドラマ。ベルリン、モスクワ、パリ、ニューヨークを舞台に、第2次世界大戦前から戦中、そして現在へと至る中で、芸術家たちのドラマチックな人生模様が描き出される。「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」などで知られるミシェル・ルグランと「ある愛の詩」のフランシス・レイという映画音楽の巨匠2人が音楽を担当。さらに、モーリス・ラベル作曲、モーリス・ベジャール振付によるバレエの名作「ボレロ」を天才バレエダンサー、ジョルジュ・ドンが舞う。2015年、デジタルリマスター版でリバイバル公開〜<映画.comさんより>

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今作でのジョルジュ・ドンのボレロは、部分的に見ていて知っていたものの、作品はずっと未観賞のままでした。
それが午前十時の映画祭で上映されると聞いて、駆けつけましたとも。

日本初公開が1981年10月。
原題もてっきり「ボレロ」もどきだと思っていたら『Les Uns et les Autres』で、意味は文脈でいろいろ変わるとか。
「自分は自分、ひとはひと」または「ご一緒に」「お互いに」

冒頭出てくる言葉バッド(下向き矢印)
「人生には二つか三つの物語しかない。しかし、それは何度も繰り返されるのだ。その度ごとに初めてのような残酷さで」
この言葉とボレロの旋律が見事に絡みあう。

モスクワ→パリ→ベルリン→ニューヨーク
それぞれの都市の4組のカップル。そこに様々な人たちが絡んでいく。

私、結局2回観たんです。
理由は、ジョルジュ・ドンのバレエに惚れてしまったので、目に焼きつけたかったのと、後半のアルジェリア戦争帰還兵が出てきたあたりから、登場人物が頭の中でごちゃごちゃになってしまったので整理するため。

今作、結構、バンバン省略されてます。
知り合って→あっという間に結婚していたり、あっという間に亡くなったり、結構重要なシーンがササっと短めに描かれ、どんどん展開していくので、何か見逃したら、あとで「あの人はどうなったんだっけ?」って疑問がたまる、たまる。

そうだ、まずこれ書きたい。
最初にキャストがナレーションで読み上げられるんです(日本語字幕も出ます)
これが、まず珍しいと思うんですけど、何よりビックリしたのが、私が大昔、大好きだった、リシャール・ボーランジェが出ると最初にわかって、もう、もう、もう大興奮。
どんな役なんだろう、ドキドキ。あとは、ファニー・アルダンの名前も。

リシャール・ボーランジェは、アルジェリア戦争帰還兵の1人でした。
一緒に帰ってきた仲間たちは、弁護士だったり、ボクサーだったり、馬を扱う仕事をしていたりと職をもってるんだけど、リシャールは無職で、手癖が悪いっていう役柄。
で、私、1回目はリシャールが途中から出てこなくなって、なんで?なんで?と焦ってしまい、いきなり最後にラジオ持って現れて、その意味が分からなくてあせあせ(飛び散る汗)
でも2回目で、ようやく納得。ちゃんとあるシーンで説明されていました。

あれこれ印象的なシーンだらけなんですが、セルゲイが空港で亡命するシーンは、ハッとなりました。
その直後、モスクワでバレエ教師となっている母親の姿が映るんですが、ここの演出(カメラの動きも)が、お見事。

メインじゃないけど、ニューヨークの喧嘩ばっかりしている双子の兄弟が残した余韻涙

※予告編
https://youtu.be/LjiuH2Z8Ok4

今作は、あれこれ周ります。
バレエの踊りでも回るし、それに合わせてカメラも回る。カメラが回るシーン、本当多かった。

あと、どうしても言いたいこと。
今作、結構、1人2役やってるんです。
普通に見れる人もいたものの、どうしても違和感があったのが2人。
まず、ジェラルディン・チャップリン。
最初はニューヨーク在住のジャックのフランス生まれの妻で歌手のスーザン。
ジェイソンという息子とサラという娘の母親。
で、スーザンは交通事故死してしまうのですが、大きくなったサラをジェラルディン・チャップリンがまた演じていて・・・。
最初、サラとして出てきた時、絶句してしまい・・・。いや、ちょっと無理あるだろう。
もう一人が、モスクワのバレリーナ、タチアナ。セルゲイ(ジョルジュ・ドン)の母親。
なんですが、セルゲイが娘にバレエを教えているっていうシーンの娘が、なんとタチアナ!
えっ、えっ?名前は違うものの、同じ女優さんがほぼ同じ顔で演じているという。
つまり、タチアナとタチアナの孫が同一人物。いやあ、ちょっと、オイオイってなりました。
童顔だったから、できたんだろうけど!?
そんな些細なところは無視しようと思ったんですが、どうしても気になってしょうがなかった。

今作、1回目は興奮してて、あれだったけど、落ち着いて考えると、前半に比べると、後半はちょっと、凡長だったかも。
まさにアルジェリア帰還兵たちが出てきたあたりから、な〜んか、不要なシーンがいくつかあったり、それらが長かったり。
サラが歌うシーンも、多すぎた気がする。
ジェラルディン・チャップリンは歌が上手かったから、それで多めになったのかもだけど。

それでも、それでも、♪ボレロが流れてくると、あら不思議、全てまとまるみたいな(笑)
いや、でも、面白かったです。185分の長尺なれど、2回目は体感150分。
とりわけ前半は見どころだらけで、あっという間。

アルゼンチン出身のジョルジュ・ドンは、エイズに侵され、1992年に45歳という若さで亡くなった。。。
ジョルジュの素晴らしいボレロ、スクリーンで観れて本当に良かった。
午前十時の映画祭は、木曜日までです。見逃すとモッタイナイです。是非劇場へ。4.5☆
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