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2024年02月23日19:40

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終活のつもりかな

 平成から令和にかけて立て続けに大病をした姉から昼食の誘いがあった。
 闘病中はコロナ禍で見舞いに行っても玄関先で帰ったりとなかなかゆっくり話すこともできずにいたが、今日は姉の手料理に舌鼓を打ち、姪家族も一緒に賑やかな食事会。  
 食後の珈琲を楽しんだあと男性陣はそれぞれ外出し、さぁ、仕切り直して女子会のスタートと思いきや、姉がやおら押し入れからいくつもの衣装ケースを出してくる。中にははたくさんのキルトパッチワーク。季節ごとの風物をテーマにしたタペストリーや大物のベッドカバーが部屋中に広げられる。
「近いうちに生徒さんや友達にもプレゼントするつもりだけど、一足先に好きなのを持って帰って」と姉。姪は「お母さんの形見分けやね、早いけど」とさらりと言う。
「そう、早過ぎだよ、姉ちゃん!」の言葉を飲み込み、「わぁ、選り取り見取りやねl」と見覚えるある生地のタペストリーを手に取る。 
 「これは私たちの七五三の着物やった生地よ」と古布の優しい手触りを慈しむように話す姉。穏やかなその様子を見て余計な心配はやめて、好きなキルトをたくさん貰って帰宅した。


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